S.E.Sデビュー当時、韓国は経済危機にみまわれ、IMFへの支援要請・ムーディーズの格下げ・財閥解体などが実施され…国民に手持ちの金製品の拠出が呼びかけられました…ネックレスやブレスレットなどを、おば様達がまなじりを決してカンパしてらっしゃるお姿が、懐かしく思い出されます。

元はといえば、このアジアを席巻した経済危機は、ヘッジファンドを主とした機関投資家による通貨の空売りにより引き起こされたもののようです。

日本でも、バブル崩壊後の橋本内閣の緊縮財政下で、この通貨危機の影響にさらされ、就職氷河期と呼ばれました(現在の30歳台の方々が犠牲者)が、韓国経済建て直しのシンボルとして金大中大統領と観光キャンペーンを実施したのもS.E.S.でした。

確かに、今日の韓国経済はV字回復を遂げ、サムスンなどは日本の家電メーカーを追い抜き華々しいものがあります。

ただ、株主構成を見れば、海外投資家の実質的支配下にあり、韓国経済自体にどれだけの恩恵がもたらされるか疑問点も残ります。

日本も、なかなか「脱原発」へシフトチェンジ出来ません……国家としての自己責任の面もさることながら、原発を維持させよう(それにより日本の農林水産業が壊滅してもかまわない…むしろそのほうが、日本への輸出圧力をかけやすい…)と考える見えない大きな力がチラチラと垣間見えます。


そのような世界とは、次元を異にして…道端のコスモスの美しさに目を注ぎ、もうすぐ去って行く蝉の鳴き声に耳を傾けつつ、命に心を配る生き方も、この世に生を受けたものとしての意味に、十分答えるものだと信じます。