慌ただしく帰省して、途中の福岡への飛行機が乱気流で、上下に揺れて、お通夜の間中何だかずっと中に浮いているような感じもありました。
父は、婿養子で九州山地の山育ちから、明治時代の干拓地で海沿いの田園地帯へ入りました。
母方の両親は、祖父と年上の祖母が歌会で知り合って恋愛結婚して太平洋戦争前に母を長女として三姉妹をもうけて
いろいろあって祖母が家を出て、祖父は戦争から帰って病死して、程なく祖母も亡くなり、三姉妹で存命中の末娘の叔母は、家を出た祖母の顔を幼かったため、よく憶えていなかったとお通夜の時に話してくれました。
そんな男手のないところへ、母との結婚のため父が家に入って、叔母の就職の際は、受験生の内でただ一人父兄として同伴してくれて嬉しかったと懐かしそうに話してくれました。
入り婿だった父は、地元の有力工場に就職して、農家の中では必ずしも全て受け入れられる存在ではなかったようです。
それというのも、母を嫁として迎えようと思っていたらしい本家の方がいたからだと思います。
定年退職した父に町内長として白羽の矢が立って、結局、突然持ち込まれた町内への市のゴミの焼却灰の最終処分場建設計画(白羽の矢を立てた前町内長は市長と同じ建設推進派だったらしく、そのため処分場の第一次計画は決定済みで止めることが出来ませんでした)の問題に巻き込まれてしまいました。
当時、確か、テレビ朝日のニュースステーションで久米宏さんが所沢の茶畑のダイオキシン問題を取り上げた頃
私は、司法試験の受験最盛期だったのですが、普段見せたことのない泣き声で、帰って来いとの電話のもらって長期の帰省となりました。
なかなか受け入れられない農家の中、心の支えには、地元の龍神様への信仰があったのでしょう。
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