ペシミズム(悲観主義)とは、平時においても危機感を作り出し、否定の刃を他者だけでなく自己にまで切りつける恐るべき批評の精神である。ヴォルテールは甘い考えをした楽天主義者=正常を装う狂人に世界を狂わされる未来がわかっていたのだろう。この人類史上最大の批評家は、安易な優しさによって、敵の考えであっても言論の自由を守るべきであると言ったのではない。憲法のもたらした自由により、危機感の欠落した上辺だけの言葉は日本に充満し、社会は滅びようとしているではないか。 

 

日本の言論紙は左右の楽天主義者=危機感を持たない狂人たちによる宴だ。世界から忍び寄る現実の悪意からは隔絶されている。政治家や官僚という操られ人形は、呑気に領土問題について楽感的な希望=見込みのない可能性を口にするだろう。自分たちの心理すら計画的に操られているとは知らずに。人間関係において最も恐るべき相手は、自己の心理を見抜き、あらかじめ行動の予測し、言葉の心理学によってやんわりと洗脳を施す社会科学者=the societyのメンバーである。