私は男だけど、山田詠美さんみたいな小説が書きたいな。
彼は、詩人で、いつも最高に知的で、宝石で散りばめたような言葉で私を魅了してくる。今まで付き合ったどんな男もかなわないほど、なんともセクシャルだ。たとえそのしなやかの肉体に触れることなくとも。私はバーで甘くエスコートされ、指を絡ませ、腰に手を回され踊りたいし、その後のベッドも期待している。
それなのにだ。今のところ、出会って三ヶ月、週に二回あっているのだが、彼はベッドの上での秘密の共有、お互いの性器を用いた新たな生命をもたらすかもしれない共謀には誘ってはこない。
私はそう思いながらため息をついている。満たされない性欲に対する期待への度重なるおあずけ、こう言ってよければ優しい裏切りと、これから一時間もすれば、バーのカウンターで二人で並んでいる確実な喜び––––そう、いつも通り私より早くデートの場に現れる彼––––現実の愛する男への期待なのだ。
できれば来月––––八月は私の誕生日で、今は初夏の七月だ––––性の悦楽を覚えた19歳の夏以来、ずっと、最も性欲が昂る季節までには告白を、できれば彼のとびきりの、今までで最高の言葉で愛の真実を告げて欲しいと思う。