明日はどんな薫りがするだろう
名前も知らない華の甘やかな薫り
参道の脇に繁る草の香り
明け方少し泣いてアスファルトを湿らせた薫り
少しだけ燻らせたラベンダーの薫りが
多分、過去とか明日とかを
取っ替えて引っ変えて
ないまぜにしたゆめをみせるように
ぼくは、
明日、
きみの薫りを思い出す
それはきっと
つまらない予定調和
忘れよう、なんて
そんな希薄な意志
すぐに手折られてしまう
だから
明後日には
花束を
この何もない部屋に飾ろう
明日思い出した薫りを打ち消して
恋心と括って
また
忘れて、
また
恋を、しよう…