すみません。今日は語らせてください。

なんて日だ。

こんな日があっていいのだろうか。

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【エピソード１】

今から丁度２０年前。私が高校２年生の時。

郷土である栃木県がインターハイの開催地となり、

私はその開会式での合唱団員に選ばれた。

インターハイの開催地になるなんて５０年に一度位。

しかもそれに関わるなんて一生に一度のこと。

だが、

くしくもその開会式の日は、

Ｂ’ｚファンなら誰もが知っているあの・・・初野外ライブ【渚園】と同じ日だった。

その時の私にとっては、簡単な選択だ。

渚園へ行く。

式典で歌うのではなく、稲葉さんと歌う。

逡巡など微塵もない。

だが、先生になんて言おう？

嘘をつくのか？いや、どんな言い訳したって無理だ。一年前からインターハイの重さを日々語る先生に通じるわけがない。

・・・・事実を述べる。そう決めた。

合唱団を仕切っているのは音楽の女性教師だった。

音楽準備室にいた。

はい。即却下。

先生『インターハイは一度なのよ！そんなミュージシャンのライブなんてこれから沢山あるでしょ！』

いえ、その瞬間は私にとって一生に一度なんです。

先生『じゃあそれを私に伝えなさいよ。』

それから数日、音楽準備室へ通った。

Ｂ’ｚと私の関係性を綴ったレポートを書き、

時に熱く語り、

誰よりも合唱の練習は気合を入れ、

先生が聞く耳を持たない時は泣きながら土下座した。

数日後、

先生が重い口を開いた。

『先生ね・・・・実はビートルズファンでね・・・』

私と同じような事があり、先生はライブに行けなかった。

今でもあの時のことは覚えている。テレビで映像が出る度に悔しくて・・・・と。

逆に先生の目にうっすら涙が浮かんでいた。

『もう分かったから・・・・行ってきなさい。先生の分まで楽しんでね』

今でも先生が、私の肩に置いた手のぬくもりは忘れない。

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【エピソード２】

今から１９年前。私が高校３年生の時。

当時からＢ’ｚと洋楽ロックを好んでた私はエアロスミスも大好きなバンドの一つだった。

エアロファンなら知っている、かの有名な【ゲット　ア　グリップ】ツアーが開催された。

授業が終わり、急いで一人、栃木の片田舎から武道館まで駆けつけた。

これがまたいい席。アリーナでも結構前の方。

セーラー服の女子高校生が一人。

意外と目立つようで、カップルが「あの子一人なんかな？」って囁く声も耳に届いていた。

ライブは始まり、

いつものようにヘッドバンギングは当たり前に縦ノリ。

私を指さして笑っている３人組の男どももいた。

今では私の縦ノリって周りが見たら笑っちゃうんだなって認識はしているが、

やはりまだ当時は乙女。ちょっとショックでもあった。

そんなライブ中、

ＳＰのガタイのいい黒人が私に近づき、

話しかけてきた。

『ほにゃらら～ナイスダンシング～～ほにゃらら』

なんだ？

ナイスダンシングは分かったけど、何言ってんだがさっぱり分からない。

すると隣の女性がびっくりした顔で訳してくれた。

『ジョーイ(エアロスミスのドラマー）があなたを見て、いい感じで乗ってくれてるって、

スティックをプレゼントしたいって！！』

え？え！えーーーーー！

さっきまで使っていたスティックをＳＰが持ってきてくれた。

スティックをもらった後は、

周りが私を嘲笑する感じはなくなり、みんな同じように縦ノリをしていた。

１９年経つが、私の大切な宝物だ。

スティックも、もらった後の一体感も。

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８月８日。

その日は、

私が青春時代を過ごしたこの２つのバンドが、

【エアロソニック】というフェスで共演したのだ。

そりゃー行くでしょ。

２組とも２０年前よりもパワフルなステージ。

衰えてるのは自分だけ。

最高な一日をありがとう。

長い中、ここまで読んでくれた方もありがとう。