先週金曜の夜、母、三千代が息を引き取った。
一週間ほど前から体調を崩して
ずっと寝込んでいたのだけれど、
まさか死に至るとは思ってもいなかった。
亡くなった日、僕は夜勤に出かけ、
死を看取ることが出来なかった。
朝方、父から着信があり、折り返すと、
夜中、母の様子を伺ったところ、息をしておらず、
救急車を呼び、そのまま警察にて検視をされるとのことだった。
僕は電話を切り、一瞬呻き声をあげたけれど、
まだ半信半疑のまま、家路を急いだ。

前日の昼、食事もままならず、こちらが差し出すゼリーや果物ものどを通さず、弱っている姿を見て、
さすがに病院で点滴でも打ってもらおうと父と相談し、離れて住む姉にも説得してもらおうと
電話に出したところ、病院には行きたくない、自分の責任は自分で取る、と頑として断られた。
その後もふらふらになりながら、台所でお米を研ごうとしたのを無理矢理止めて、
安静にしてて、と念を押し、僕は仕事に出かけた。