4連休、どこにも行かないのも何だねえということで、昨日日曜は1ヶ月ぶりに映画館に。
上の娘は楽しみにしていた「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」に。自分も興味はあったがテレビシリーズを制覇していないのでパス、映画の終わり時間が近かったので、終わったら待ち合わせということで、娘と別れかみさんと共に気になっていたこれを観てきた!
監督・製作・脚本 : クリストファー・ノーラン 製作 : エマ・トーマス 製作総指揮 : トーマス・ヘイスリップ 撮影 : ホイテ・ヴァン・ホイテマ プロダクションデザイン : ネイサン・クロウリー 衣装デザイン : ジェフリー・カーランド 編集 : ジェニファー・レイ 音楽 : ルートヴィッヒ・ヨーランソン
出演 : ジョン・デヴィッド・ワシントン、ロバート・パティンソン、エリザベス・デビッキ、ディンプル・カパディア、アーロン・テイラー=ジョンソン、ヒメーシュ・パテル、クレマンス・ポエジー、マイケル・ケイン、ケネス・ブラナー
お気づきの通り自分は根っからの文系。とりわけ論理的思考が苦手なタイプ(笑)。あ、今頷いたな!でもその通りで、わかりやすい「数学苦手」なタイプなのだ。
だから映画レビューもあくまで「感想」で、論評・考察ができないんですねえ。これまでの鑑賞経験や、好きな分野故にいつのまにか蓄積され培われてしまった「人生で役に立たない無駄な知識」を駆使して力技でしかまとめられないのだ(笑)。
それでもSFは昔から本も映画も好きだったんだが、今度ばっかりは、降参!(笑)。
正直に言います。冒頭のウクライナのオペラハウス襲撃からテンポは本当に快調で、ジョン・デヴィッド・ワシントン演ずる「名もなき」工作員が「世界的危機」を救おうとする大枠の話は分かった。ある意味よくある話だし、それに伴う謎解きもアクションも面白かった!だがしかーし!
ええっと、こういう白衣に滅法弱いという俺の性分はこの際おいておくが(笑)、敵が攻撃手段とする「時間の順行/逆行」が入り組んだストーリー細部は、俺は馬鹿なのか?ってくらいわからんかったのだ!(笑)
元々100点満点で10点取れないこともあったくらい物理が苦手だったから「エントロピー」なんて出てきた時点で身構えたけど、ほんと情けないくらい理解が追いつかなかったのだ!(笑)
もういつもアホな映画ばかり観ているせいかもしれないが、途中からスリリングな映像の凄さに口あんぐりしながらも脳みそフル回転させても、何となく「そ、そうなのか?!」と思える(「理解」ではない😅)のが精一杯だったなあ。
このところ劇場で観る映画はなるべく情報をシャットダウンして観るようにしていたが、今回は情報入れてもわかんなかっただろうという難解さ。
思えばタイムリープやタイムスリップと呼ばれる事象が起こるジャンルの映画は好みながら、どれも時間をジャンプした時点から物語の時間の流れは順行で、すったもんだの挙句にまたある時点で元の時間に戻る話がほとんどだったのに、本作のように時間を逆行しながら、元の時間の流れと同時進行するなんて観たことなかったのだ。
確かに凄い。映像もその論理も凄い。凄いのだが・・・逆行するとマスクなしで呼吸できないはずがマスク無しの奴もいるじゃんとか、燃えることは逆行すると凍ることだけど爆発してるのは何故?とか、過去の自分と出会って接触してもいいのかよ!タイムパラドックス起きないのかよ!とか、もう規則性がわからなくて大混乱(笑)。俺が勘違いしているだけかもしれないけど・・・。
まあ冒頭に「頭で考えないで感じて」ってブルース・リー師父かよ!っていう白衣の女性から提示はあるんだけど、これだけ面白そうな設定なんだから無い頭使って考えますって!(笑)
クリストファー・ノーランの映画は、大好きな「ダークナイト」や、「インソムニア」、同じく異なる時間の経過を同時進行的に見せる語り口が好みだった「ダンケルク」も良かったものの、「メメント」も「インセプション」も「インターステラー」も未見という不熱心な鑑賞具合なんで、ほんと偉そうなことは言えないが、確かにいつも「観たことない」ものを突きつけられている気はするのだ。作劇も映像も。
CGじゃなさそうだなとは思っていたが本物の飛行機だったり、ありえないようなカーアクションに、ラストの大乱戦も含めて観ているだけで痺れる映像は目白押しだ。
とは言えパンフを購入して解説読んでも、まだその入り組んだ設定にピンときていない体たらくで(笑)。
今日買ってきた「映画秘宝」の町山大将の解説読んで、違和感のいくつかは納得できたのだけどねえ。
そのパンフにあった「SATOR AREPO TENET OPERA ROTAS(農夫のアレポ氏は馬鋤きを曳いて仕事をする)」と読める回文。「マカオのオカマ」とかの複雑版ですな(笑)
オペラをはじめそれぞれのワードが登場人物や出てくる会社名などに散りばめられて、こうして正方形の方陣にセットすると、上下左右のどこからでも読め、中央に位置するのが「TENET」。なるほど時間の順行/逆行を暗示しているなど、俺の乏しい知的好奇心が発動するものの、こちとらそんな知識がないから観ている間は気づかねーよ!(笑)。たぶん他にも気づいていない伏線なんかもいっぱいあるんだろうなあ。
束縛されるキャット(エリザベス・デビッキ)。いい女だけどでかいなあと思ってたら身長190cm。主人公の名もなき男は常に「騎士(ナイト)」でしたな。
彼女を束縛する敵セイター(ケネス・ブラナー)。憎々しく思えばなんか007の敵みたいなj雰囲気だったな。でも彼がこの物語のきっかけではあったのだが、設定の「スタート」ではないのが謎なんだなあ。
かみさんも「最後に裏切る」と思っていたニール(ロバート・パティンソン)。主人公演じるジョン・デヴィッド・ワシントン(なんとデンゼル・ワシントンの息子!)とのいいバディぶりだったけど、まさか「その場」にもいたとは。
ううむ、これはもう1回、仕組みを分かった上で検証するかのように観たくなる類の映画だなあ。
あと、効果音も逆回転しているかのごとくなのに加え、「これぞ劇伴!」という感じの音楽と映像の一体感も非常に気持ちいいのも確かなのだ。
そんなこんなで映像も音も「映画館」で観るのは最適な1本。オススメしますというか、皆さんがどんなだったのか非常に興味ある1本。
でも、もう1回見てもわかんなかったら、俺、馬鹿確定みたいで、それも嫌だなあ(笑)
因みに同じくさっぱりわからなかったかみさんに至っては脚本もクリストファー・ノーランと知って「こんなこと考えるなんて頭おかしいんじゃないの?」などと恐れ多いことをのたまわっていたのだった・・・(汗)。