絶叫オペラ座にようこそ | B級パラダイス

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健康優良不良中年が、映画、音楽、読書他好きなことを気まぐれに狭く深くいい加減に語り倒すブログであります。

何とか伝票関係仕上げて夜には仕事終了。あと3日だが、今週はずっと遅かったから日曜は休むとするか。


引き取ってきた段ボールに試しにムック類と、自宅から持ってきたものの、あまり観ることなかった焼いたDVDを入れてみたら早くも4箱に。

本は重くなるからあまり詰め込まない方が良いかといっぱいにはしなかったが、これに漫画や文庫、5年半の映画秘宝、そして溜まりにたまったDVD入れたら一体何箱になるのだろう。

「いっぱい処分してきてよ」と言うかみさんの言葉が頭をよぎるのだが、これがなかなか処分する気がしないものばかりで。いやはや困ったもんだ(汗)


このところ引越しや仕事カウントダウンの話ばかりだから、週末ぐらいは我がブログタイトルらしいB級映画の記事でもアップしますかな()

先々週だったかにGYAOの配信で観たこんなのをご紹介!


絶叫のオペラ座へようこそ (2014年)

STAGE FRIGHT


監督・脚本 : ジェローム・サブル 製作アリ・ラントス、ジョナス・ベル・パシュト 製作総指揮マーク・マセルマン 撮影ブルース・チャン

 振付ポール・ベッカー   作詞作曲ジェローム・サブル、イーライ・バタリオン

出演アリー・マクドナルド、ダグラス・スミス、ブランドン・ウラノヴィッツ、ミニー・ドライヴァー、ミート・ローフ・アディ


これまた何と言うか予想と大きく違う珍品。

なんとホラーミュージカルなんだよね。おまけに笑わそうとしているとしか思えないコメディじみたところも多々ありの()

かと言ってかの「ロッキー・ホラー・ショー」的猥雑な感じでもなく、括りとしては80年代によくあったサマーキャンプを舞台にした連続殺人スラッシャー映画の展開。


冒頭、オペラ歌手である母親の立つ舞台で、自分もいつか歌いたいと願う幼い娘。しかしその頃その母親は舞台に出てくる白マスクの男に惨殺される。

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数年後、母を亡くしたカミーラは弟とともに俳優養成キャンプの調理場で仕事をしながら、母と同じ女優になることを望んでいる。


今年も演劇などを目指す少年少女がやってくる。「演劇なんて」「ダンスと歌なんて」と学校では変人扱いされても、「ここではみんなそうさ!」と開放感いっぱいに歌って踊るミュージカルナンバーがいきなり炸裂()


え?ミュージカルのステージを舞台に展開するんじゃなくて本当にミュージカルだったか!()

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「ゲイは同性愛者じゃなく、陽気な人って意味、だから私たちはゲイなのさ~♪」とか歌い踊る子供たち。そりゃみんな学校で変人扱いされるのも頷けるぞ()。本当にそういう意味もあるのか知らないけど、舞台監督は「私は本物のゲイだけどね〜♪」って歌ってたのが笑わせてくれる(笑)。

何と監督自らが脚本のみならず作詞・作曲までしているんだから、もう本当にやりたかったのだな(笑)。

とにかくこのインパクトが強くて、一気に話の中に持っていかれるのだ。


この合宿は、一本の作品を完成させて最終日に公演としてお披露目するシステムらしいのだが、今年は合宿出身の若い演出家が「オペラ座のたたり」を上演することを発表する。


主役らのオーディションが行われるが、本当は資格のないカミーラも亡くなった母が主演を務めていただけに想いも強く、裏方の男子の協力もあり、何とかオーディションに紛れ込み、晴れて合格する。

ところが演出家はもう1人の主役候補とカーミラを我が物にしようと比べているゲス野郎。

カーミラも主役を得たいがために慣れない色仕掛けをしてもやっぱり一線越えるまでには行かない、なんて話がモタモタ展開するのだが、主役のカミーラ役のアリー・マクドナルドが無茶苦茶可愛くて、個人的にはドストライク(笑)なんで、何とか我慢して観れてしまうのだった(笑)。


ところが公演目前でその演出家が舞台で使う白マスク(ちょっとあの「カブキマン」に似ている歌舞伎風マスク(笑))の殺人鬼に殺される。もちろん皆は殺人事件とは気づいていないが、家に電話したがったり、「人が死んでも歌ったり踊ったりしていてもいいの?」なんて子どもの至極もっともな意見がある

しかし借金まみれのこのキャンプ、そんなことで公演中止なんてできない経営者のロジャーの事情もあり、それでも公演がスタートするものの、次から次へとカブキマスクの殺人鬼による事件が起きてしまう


と、まあ「オペラ座の怪人」をベースに「グリー」とあの80年代の数あるキャンプスラッシャー映画の中で、オチの凄さで語り継がれた「サマーキャンプ・インフェルノ」とミケーレ・ソアビの「アクエリアス」をごった煮にしたような内容で、しかもミュージカルと言う、なんとも奇天烈なホラー映画なのだ。


冒頭のミュージカルシーンもそうだが、「オペラ座のたたり」を日本の江戸時代に置き換えて上演する!という演出家の説明で「顔を白く塗るのはなんだ?」と「歌舞伎」を答えさせる問いに「ブッカケ!」(そのまんま発音してました😅)と生徒が答えるシーンがあったりで、とにかくヘンテコ(笑)。

思えば冒頭に「この物語は実話を基にした」なんてあったが、あれも絶対ウソだろうなあ(笑)。


歌舞伎マスク殺人鬼が「あいつら皆んな殺してやる〜!」というモノローグは、ミュージカルというよりメタル()。ハイトーンボイスだったりデスボイスで歌い上げるし。

他にも「キャリー」や「悪魔のいけにえ」を彷彿とさせるシーンがあったりで、ニヤリと楽しませてくれるのは確かだが、笑わせたいのかどうかはちょっと判断に苦しむのだ()

大道具作ってるだけなんだが、しっかりネクタイしているところがレザーフェイスっぽくていいね(笑)


惜しむらくはカミーラの晴れの公演中にどんどん人が殺されるクライマックス、あんなに可愛い彼女がジャケットの通り歌舞伎と言うよりKISSみたいなメイクなのが本当に残念。


子供たちの振る舞いをニコリともせず見ている管理人らしい意地悪そうな爺さんが怪しく見えて、実はそうではないとと言うお約束の展開も含め、懐かしいサマーキャンプスラッシャー映画をミュージカル仕立てにしたと言う意味では他に類がないのも確か。

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ちなみに経営者ロジャーも歌うのだが、なんか見た顔だなあと思っていたら、なんと前述のロッキーホラーショーにも出ていたロック歌手のミートローフだったのでびっくり!老けましたなあ。

カミーラの母親も「オペラ座の怪人」に出ていたんですな(未見で知らなかった()


そんなわけでどうしても探して観てくれとは言いませんが機会があったらお試しあれのクセの強い一本でした!