ブラックパンサー | B級パラダイス

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健康優良不良中年が、映画、音楽、読書他好きなことを気まぐれに狭く深くいい加減に語り倒すブログであります。

昨日は雪が止んだ夜も寒く、セブンイレブンで袋で売ってたおでんを食べたけど、やはり良いよなあって事で、今日大根やらこんにゃくやら厚揚げをまた買ってきて増量してしまった(笑)。もうあと2週間なんだから買い物減らすつもりだったのになあ(笑)。

そんなおでんを食べた後、前のブログを書き終えてアップ後の深夜、これまたあと2週間で観られなくなるレオパレスポイントで鑑賞できる映画をレンタルして自宅鑑賞した。

ブラックパンサー(2018年)

BLACK PANTHER


監督・脚本 : ライアン・クーグラー 製作 : ケヴィン・ファイギ 製作総指揮 : ルイス・デスポジート、ヴィクトリア・アロンソ、ネイト・ムーア、ジェフリー・チャーノフ、スタン・リー 原作 : スタン・リー、ジャック・カービー 脚本 : ジョー・ロバート・コール 撮影 : レイチェル・モリソン 視覚効果監修 : ジェフリー・バウマン 編集 : マイケル・P・ショーヴァー、クローディア・カステロ 音楽 : ルートヴィッヒ・ヨーランソン

出演 : チャドウィック・ボーズマン、マイケル・B・ジョーダン、ルピタ・ニョンゴ、ダナイ・グリラ、マーティン・フリーマン、ダニエル・カルーヤ、レティーシャ・ライト、ウィンストン・デューク、アンジェラ・バセット、フォレスト・ウィテカー、アンディ・サーキス、スターリング・K・ブラウン、フローレンス・カサンバ、ジョン・カニ、イザック・ド・バンコレ、コニー・チューメ、ドロシー・スティール、ダニー・サパーニ、デンゼル・ウィッテカー、フランチェスカ・ファリダニー、セス・カー、スタン・リー、セバスチャン・スタン


「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」に初登場したブラックパンサー。名前もシルエットもカッコイイじゃんと思っていた彼のMCU単独作。

大ヒットと評判の良さは聞いていたがなるほどこれは面白かった。


まず、ブラックパンサーが宇宙人とか神様とか「超人」過ぎないのが好み(笑)。とは言えあのキャプテン・アメリカの盾の材料でもある希少鉱石ヴィブラニウムを持つアフリカのワカンダの「王様」なんだけどね(笑)。

そのヴィブラニウムを狙う武器商人との戦いと、ワカンダ自体に恨みを持つ従兄弟のキルモンガーとの王位継承争いがあってと、ドラマはなかなかに飽きさせなかった。


ただし、武器商人との戦いは「キャプテン・アメリカ/ウインター・ソルジャー」に続いて韓国が舞台で、カジノでのアクションや街中でのチェイスなどもあるものの、王位継承争いは言わばお家騒動なんで()、屋外での部族同士の衝突も盾と槍という原始的な武器(でも、機能はハイテク())で、スケール感はあっても、なんかちょっとヒーローの戦いとしてはこじんまりしてしまったのは唯一残念なところ。


王座を引き継ぎ、実は超文明国であるワカンダの秘密を守ることと、その文明を世界の役に立てるべきか悩むところに、「ブラックパンサー」としての責務もあってと大変なのに、「シビル・ウォー」での国連テロで父親=前王を急に亡くしてしまったが故に、心の準備のないままに国王とヒーローという2つの重責を担うことになったティ・チャラがいい感じ。

凄い自信もないが、真っ直ぐな正義の心も持ち、かと言って青臭いことを言うガキでも無いというティ・チャラをチャドウィック・ボーズマンが好演。

母親や妹に加え、元カノ、警護隊の隊長と周りを固めるのが女だらけで、何かにつけて突っ込まれるのもご愛敬だった。

アメリカ版ポスターってヒーローの姿さえないのね(笑)


対する元アメリカ秘密工作員エリック・キルモンガーがティ・チャラに対抗してワカンダの王位継承に名乗りをあげるのだが、これが「極悪な国家乗っ取り」というより「そりゃ気持ちはわかるよ」という設定になってるのが憎いところ。

「見捨てられた前国王の弟の息子」(つまりはティ・チャラの従兄弟ということだな)という悲しみも背負いながらも、ワカンダの鎖国的一国平和主義に疑問を投げかけるドラマもまたいいものだった。

演ずるマイケル・B・ジョーダンが、あんまり「悪のオーラ」を纏っていないのと、途中で「あ、こりゃ同じ監督のクリードの主役の人じゃんか!」と気づいたせいか、なんか「こいつをぶちのめせ!とならず(笑)、自らのアイデンティティを求めるクリードの姿と重なってしまったのも確か。だってあんなに人をぶち殺しているのに澄んだ目してるんだもんなあ()


出てきた瞬間にわかったフォレスト・ウィテカー以外は、もう何度もスクリーンで観ていたのに、あの女隊長オコエは「ウォーキング・デッド」のミショーンじゃないか!と、やっと気づいたり、途中まで物語上の「倒すべき狂った悪」部分を背負っていた武器商人ユリシーズ・クロウを絶対どこかで観ている!と思っていたらアンディ・サーキースだったりと、最近観たい映画は情報シャットダウンしていることに加えて、俳優たちの顔を記憶しているレベルが下がってきたなあと自覚した一本でもありましたな()


そんなわけで、こいつを倒さないと世界がえらいことになる!っていう、アベンジャーズの「インフィニティ・ウォー」&「エンド・ゲーム」での次元も時間も飛び越える宇宙規模のサノス戦を観た後では、物語的には良いサイズではあるのは間違い無いのだが、どうしても酷い悪役不在の「内輪揉め」に見えてしまうのが、ヒーロー映画としては唯一にして最大の弱点。


とは言え、この戦いが主人公の葛藤と成長を促したのは確かで、MCUを離れた一つの映画としてみれば、ワカンダの掟破り的超文明とスピリチュアルな描写の整合性にちょっと無理は感じたものの、人間ドラマとしても観れる作品だったと思うのだ。


まあそれでもスターウォーズやMCUの類は一切興味ないという方たちにはお勧めしないけど、試しに観てみようなら最適ではないかと、遠慮がちに思ったのでありました()