おお、考えてみれば今日は映画の日だったのだから一日我慢すればよかったかなと、後から思ったが、大変だった仕事も終わり、深夜までかかった準備で蒸気が出そうだった頭を休めるためには、お気楽映画が一番!(笑)。ということで土曜にまずは観てきた1本目はこれ!
ゾンビランド:ダブルタップ (2019年)
ZOMBIELAND: DOUBLE TAP
監督・製作総指揮 : ルーベン・フライシャー 製作 : ギャヴィン・ポローン 脚本・製作総指揮 : レット・リース、ポール・ワーニック 製作総指揮 : レベッカ・リヴォ、デヴィッド・バーナド、ジャック・ヘラー、ダグ・ベルグラッド 撮影 : チョン・ジョンフン 編集 : ダーク・ウェスターヴェルト 音楽 : デヴィッド・サーディ
出演 : ウディ・ハレルソン、ジェシー・アイゼンバーグ、アビゲイル・ブレスリン、エマ・ストーン、ロザリオ・ドーソン、ゾーイ・ドゥイッチ、ルーク・ウィルソン、トーマス・ミドルディッチ、ビル・マーレイ
考えてみればゾンビ映画をスクリーンで観るのも久しぶりだなあ。
大体コメディ映画の続編はぬるくなるのが常なんだが、監督や脚本、俳優たちもキャリアアップして再集結のこれはなかなか。
前作を最近見たばかりだから10年経った感慨が乏しかったが楽しめましたな(笑)。
オープニングのコロンビア映画のトレードマークから、あの自由の女神風のコロンビアレディがお遊び満点で嬉しくなってしまうのだ。
そう言えばコロンビアレディは昔からスリラー映画では首が落ちていたり、踊ったり、ネズミに逃げ出したり、グラサンかけてたりとなかなか芸が細かいのが多かったなあ。他にもあった気がする。誰か調べて一覧にしてくれないかな(笑)。
前作も「ゾンビもの」としてみると、設定からしてゆるゆるなんだけど「終末サバイバルコメディ(ただしゾンビも出ます)」としてみればまったく問題無く(笑)、今回もその雰囲気は変わらずだった。
ゾンビも10年経ったらあらかた腐っていそうだが、この世界では元気いっぱい(笑)。さらに頭の中がお花畑のホーミーや、逆に賢いホーキンス、ダブルタップ(2度撃ち)でもくたばらず何度も起き上がる通称T-800や、影のように忍び寄るニンジャなど新種も増えている。
この状況説明を「数あるゾンビものから選んでくれてありがとう」というコロンバスの謙虚なナレーションで、前作同様コミカル&グロさ満点で、METALLICAの「Master of Puppet」に乗ってサクサク描くタイトルバックが続編らしくて大変よろしい(笑)。
前作のあの4人は相変わらず疑似家族としてホワイトハウスで暮らしている。
でも前作でいい仲になったコロンバスとウィチタは倦怠期。10年経って成長したリトルロックは反抗期真っ最中。父親として接するタラハシーに子供扱いしないで!とうんざりっていうのがいいよね(笑)。
他の皆が10年経ってもそんなにルックス変わってないのに、リトルロックのアビゲイル・ブレスリン、またまた成長しましたなあ(笑)。
そんなこんなで同世代の友達も欲しい彼女とコロンバスから望まぬプロポーズをされた姉妹は自由を求めてあっさり家出。
1ヶ月後、コロンバスは、ずっと冷蔵庫で隠れていたという全身ピンクの頭の悪そうな女マディソンに出会い、成り行きで寝てしまうのが情けないところ(笑)。
この新キャラクターのマディソンが、腹立つくらいウザい。頭悪くておしゃべり、空気読めないという恐ろしさ(笑)。タラハシーの苛立ち、解りますとも(笑)。
なんとまあ演ずるゾード・ドウィッチ、あの「恋しくて」の監督のハワード・ドウィッチとリー・トンプソンの娘だそうで、光陰矢の如し。あの映画のメアリー・スチュアート・マスターソン、最高だったな。今は何をしているのやらって話が逸れた(笑)。
リトルロックがヒッピーのバークレーについて行ってしまったため、心配して武器調達のためにウィチタが戻ってくる。気まずい2人にタラハシーそしてマディソンを加え、リトルロック達を探しに、エルビス・プレスリーの本拠地グレイスランド目指してまた旅に出るご一行。
相変わらず「探しに出る車」にこだわるタラハシーの夢がことごとく破れるお約束が面白かった。
前作は冒頭以外はほとんど生きている人間が出てこなかったが、今作は前述のバークレーは非暴力主義でギターしか持っていなかったり(でも、ハッパは持ってる)、マディソンもどう考えても一番最初に喰われそうなバカ女と、おめでたいタイプの連中が登場するが、こいつら10年前は少年少女だったであろうから、「よく生き延びていたな」と思うのだが、まあ良しとしよう(笑)。
メンフィスではコロンバス&タラハシー、つまりヘタレ風の頭のいい若者とタフガイのガンマンに瓜二つのフラッグスタッフ&アルバカーキというコンビが現れるのも可笑しかったな。
タラハシーとアルバカーキが惚れる「大人の女」ネバダがONE PIECEのシャッキーみたいにカッコ良くも強くてグッド。タラハシーといい仲になるもベタベタしないのがいいのだ。
そんなこんなでリトルロックを探してさらに行き着くのがヒッピーコミューンのバビロン。銃が持ち込み禁止のこのコミューン、既存の曲を自作と偽ってリトルロックを騙していたバークレー同様、平和なんだが何となくインチキ臭いのだな(笑)。
当然タラハシーはこんなところにいられっか!と出ていくが、そこにT-800タイプのゾンビの大群が迫る。さて、どーする!?
4人だけだった前作に比べて、多くの生き残りの連中が関わるこの続編、なるほどなあの作劇で、最後まで飽きさせなかった。
他者が関わる分、描写は減っているが、個々の個性はそのままの4人のチームが
これまでの戦闘経験とチームワークで銃の無いコミューンを守るクライマックスの奮闘も痛快。
何より前作に無かった「もはやこれまで」感があるのが個人的にはポイント高いのだ。それがまた10年の4人の絆をしっかり表していたし、冒頭の伏線が回収されるラストも、4人の信頼関係が、すでに本当の家族のそれになっているかのようでなかなか後味もよろしいのだ。
一点、前作であれだけこだわっていたタラハシーの大好物のトゥインキーのひっぱりはもう無かったのは残念(笑)。10年経ったら食い尽くしたか傷んでしまったのだろうな(笑)。
と、まあ、1年や2年ならともかく、食料や水、電気や銃弾など10年経ってもまだ底をついていないって言う世界観のいい加減さに目をつぶってしまえば(笑)、あとは楽しめること請け合い。もちろん前作を見ていた方がより楽しいのは確か。ってなかなかグロいシーンもあるけどね(笑)。
前作で築いた4人の「家族」の「再生物語」としても楽しめますんで、小さいことは気にせず、再び登場の「ご本人」も含め最後まで席を立たずに観てやってください(笑)。