昨日土曜は前の記事の採取チェックで動いたけど、流石に今日は完全オフに。
先週から色々GYAO!で映画を観たが、ささっとこれを紹介しておこう。
待つなジャンゴ引き金を引け(1968)
NON ASPETTARE, DJANGO…SPARA!
DON'T WAIT, DJANGO... SHOOT!
監督:エドアルド・ムラルジア(エドワード・G・ミューラー) 製作・脚本:ヴィンチェンツォ・ムソリノ(グレン・ヴィンセント・ディヴィス) 撮影:ヴィタリアーノ・ナタルッチ 編集:エンツォ・アラビソ 音楽:フェリチェ・ディ・ステファーノ
出演:アイヴァン・ラシモフ(ショーン・トッド)、イグナチオ・スパラ(ペドロ・サンチェス)、ラーダ・ラシモフ、ジーノ・ブッツァンカ、ヴィンチェンツォ・ムソリノ(ビリー・ジャクソン)、フランコ・ペシ、シーザー・オヒナガ、セウソ・ファリア
ああ、こいつまたマカロニウエスタンだよ。しかもまた「ジャンゴ」書いてるの?とか言われそうだが、前にも書いた通り、なんせ「ジャンゴ」はマカロニの一番人気キャラクター。
「勝手な邦題」もあるが、これは「役名だけ一緒」&「題名にもDjaogoって入れちゃいました」のジャンゴのバッタもの(笑)。当時は日本未公開だった一本で、原題に忠実な邦題なのだ。
かなり良い呼び方で書けば「マカロニ第四の男」アンソニー・ステファンあたりも、「無宿のプロガンマン」や「ジャンゴ 復讐のガンマン」などでもジャンゴを演じているが、本作の主役はショーン・トッド名義のアイヴァン・ラシモフ。
全然知らないなあ、と調べたらマカロニでは「ガンマン無頼/地獄人別帖」(ああ、なんて素敵な邦題なんだ(笑))に悪役?で出ているようだが、その他は「食人族」のルッジェロ・デオダード監督の「カニバル/世界最後の人喰い族」やら「人喰族」のウンベルト・レンツィ監督の「怪奇!魔境の裸族」や「食人帝国」などに出ているそうで。その他は、マリオ・ヴァーバの「ザ・ショック」あたりが日本公開されているという御仁。
因みに未公開だと「北アフリカ戦線・ドイツ機甲部隊せん滅す」に主演のほか、出演作は「バージン・エクソシスト/甦える悪魔のエクスタシー」、「復讐警部・白昼の凶悪爆破魔」、「ヒューマノイド/宇宙帝国の陰謀」、「地獄の軍団/密林のテクノ・コマンド」、「ブラディ・キャンプ/皆殺しの森」など、書いてるだけでウキウキしてくるB級まっしぐらのお方なのである。
じゃあ、ダメかと言うとタイトルバックの逆光の中、半分シルエットで銃を構える様などなかなかカッコよく、本編で登場した際も「ジャンゴ」という役名だけ「あのジャンゴとはたまたま名前が一致しただけ」と脳内補完さえすれば、なかなかに精悍なルックスで、文句は無いのだ。
馬を売った牧場主の老人が強盗団に襲われ、その大金を奪われてしまう。
老人の息子であるジャンゴは強盗団に復讐を果たし金を奪い返そうと、妹メリーと叔父の制止も聞かず立ち去る。
ジャンゴは父を殺した実行犯であるナヴァロを探し出し、彼とその子分を始末し、金も取り戻す。しかし手下を殺された強盗団の首領アルヴァレスは、凄腕の殺し屋ホンドを雇い、ジャンゴを倒しカネを取り戻すようよう命じ、ホンドはメリーを攫い、ジャンゴを誘き出す…。
ジャンゴの妹役がなんとアイヴァンの実の妹のラーダ・ラシモフが演じているってのが意外だったが、さして美人でも、セクシーでもなく、本当に似ていて顔が男顔なのが残念(笑)。
でお話は…これがまた少々残念で、二重の意味で題名に偽りあり(笑)。
まずジャンゴ、いちいち「待つ」のだな(笑)。
手下を倒し、ナヴァロが街に来るのをまず延々と。その間に協力者となるメキシコ人や、街の酔っ払いや強欲な棺桶屋の爺さんをたっぷり描写できているんだけどね。
で、次は金を隠し持ってた本筋には関係有りげで無かったガンマンが街を出るのをまた待つ(笑)。
こいつを倒したら今度は敵がジャンゴを待つんだよなあ(笑)
妹を攫ったホードなんて待ってる間に雇い主のアルヴァレス殺しちゃって、その後もしばらくジャンゴが金持ってくるのを待ってるんだ。
で、ジャンゴが到着しても、すぐ始末せず、まず銃を奪ってから金を持ってこいと命ずるんだが、俺だったら丸腰にした時点でジャンゴ始末するけどなあ(卑怯者〜(笑))。
「お前らほんとよく待つなあ」と画面に思わずツッコミいれたくらいで(笑)。
で、もう一つの「偽りあり」は、ジャンゴほぼ待たずに撃つ(笑)。
金を持ち逃げ図ったガンマンを倒す時にメキシコ人が原題通りの台詞を叫ぶんだが、言われなくともジャンゴ、撃ちます(笑)。
ホルスターから抜き撃ちはほぼなく、だいたいもう銃を握っていて、ナヴァロの手下も、ガンマンにも、最後の敵ホードにも、なんの情けもかけずに鉛玉ぶち込んでました(笑)。
ファニングや後ろ手撃ちなど、ガンアクションはそこそこカッコいいし、ラストも妹を人質に取られ、銃を奪われたジャンゴのピンチをメキシコ人が助けるお約束はあるものの、まあまあ楽しめる一本ではある。
ただ前述の「待ち合い」描写のせいで、何となくのほほんとした空気が支配しちゃって、ジャンゴの「復讐心」みたいなものが希薄に見えてしまうのが残念な一本でありました。
ではDVD &Blu-ray発売用ですが予告編をどーぞ!