ホステル | B級パラダイス

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健康優良不良中年が、映画、音楽、読書他好きなことを気まぐれに狭く深くいい加減に語り倒すブログであります。

ゆっくり過ごしたこの連休。買い物ついでに寄ったレンタル屋で気になっていたけどまだ観ていなかったなあ・・・というのを何本か借りてきた。第一弾はこれ。

ホステル (2005) HOSTEL

監督・脚本・製作:イーライ・ロス 製作:クリス・ブリッグス、マイク・フライス 製作総指揮:クエンティン・タランティーノ、スコット・スピーゲル、ボアズ・イェーキン 撮影:ミラン・チャディマ 特殊メイク:グレゴリー・ニコテロ、ハワード・バーガー 編集:ジョージ・フォルシー・Jr 音楽:ネイサン・バー
出演:ジェイ・ヘルナンデス、デレク・リチャードソン、エイゾール・グジョンソン、バルバラ・ネデルヤコーヴァ、ヤナ・カデラブコーヴァ、ヤン・ヴラサーク、リック・ホフマン、三池崇史、ジェニファー・リム

バックパッカーをしながらヨーロッパを旅行しているアメリカ人大学生パクストンとジョッシュ。道中出会ったオリーも加えた3人はアムステルダムで、求める快楽をすべて提供する“ホステル”がスロバキアにあるという情報を入手。さっそくそこへ向かった3人は相部屋の女性らと仲良くなり、期待した通りウハウハの夜を過ごすのだが・・・。

いやはや、怖いねえ(笑)。もう説明不要の「拷問系ホラー」の代表作。自分はゾンビもモンスターもひゃあひゃあ言いながら楽しめるし、「サイン」のコメントでもあったけど宇宙人や幽霊も怖いけど楽しめるけど、「人間」が一番怖いってのは楽しめ度が下がるなあというのを実感した1本。

それも既知外やフリークスじゃない、普段は普通の生活をしているであろう金持ちの人間が、自分の快楽の為だけに人を拉致し、いたぶり、弄んだあげく殺しているんですぜっていう設定が、痛そうな拷問シーンより怖い怖い。
まあ自分も含め周りに本当の金持ちなんていないけど、大きな会社の上の方の「特権」みたいなものは垣間見るから、都市伝説のスナッフフィルム同様、そういうこともあるかもなあっていう想像の翼上では収まりの良い設定であるのは認めるな。

何の理由も無く拷問される主人公たちには同情はするが、これまた見事に登場人物の誰にも心情的に寄りそえる奴がいないので、画面のこっち側ではそこそこ楽しんじゃったけど、それも思った以上に「映画」の作りだった故。ドキュメントタッチだったらかなり厭な映画になったろうに。

「何故こんな酷いことを?」という動機の部分も、前述の通り「金持ちの道楽でーす」っていうのが示されるくらいで、首謀者も何もわからないが、「商品」としてのアメリカ人に人気があるってのも、舞台が東欧だけに説得力あってちょっと笑えました(笑)。

ただ、動機と謎解きの部分では「SAW」シリーズ(1、2作目しか観てないが)の方が面白かったし「痛かった」けど、首謀者も何も示されず、スタッフも多く、これがビジネスとして成り立っているという「不気味さ」はこちらの方が上っすね。

あと、同じ日だけでも主人公たち以外にもいっぱい被害者がいたが、いくらなんでもあれだけの行方不明者が連日出ていたら大事件になるんじゃねえ?とか
かなりエグく傷めつけらた主人公の出血がわりと早く止まって、さほど痛そうにみえないぞ!とか
可哀相な日本人カナちゃんの「お岩状態」はもっとみんなに驚かれ、見つかるほうが自然じゃないか?
などなど、ラストに向けて次々と疑問符が付きつつも、最後はカタルシス(と言ってもいいのか?(笑))もあって映画的にはスッキリ終わるのは意外だった。続編ではあの「システム」は明らかになるんでしょうかねえ?

そうそう、海外旅行に慣れていないので、財布とパスポートが何より大事って自分は思っているんで
追手から逃げるサスペンス以上に、それを持っていない彼が列車に乗ってもいいのか?警察に行っても大丈夫なのか?と、もう心配で心配で・・・(笑)。
ま、これ観たらスロバキア行ってイケナイ遊びしようとは思いませんがね(笑)。

という訳で、中古屋で見つけるたびに「買おうか」と一瞬思っていたが、レンタルで充分だったなあの1本でありました(笑)