サイン | B級パラダイス

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健康優良不良中年が、映画、音楽、読書他好きなことを気まぐれに狭く深くいい加減に語り倒すブログであります。

以前かみさんと何が怖いかという話になった時に、宇宙人だと即答された。
幽霊は怖くないのかと聞くと「宇宙人の方が断然怖い」とのこと。
幽霊ならとりあえず話が通じそうだが、宇宙人にはまったくコミュニケーションがとれないだろうから・・・というのがその理由らしい。いや、幽霊も聞く耳持たない気もするのだが、まあいいや(笑)

そんなかみさんに見せたら死ぬほど怖がってくれるのか、それとも鼻で笑われるのか・・・
以前BSで放送していたものを録画しておいた、こいつを観た。

サイン (2002) SIGNS

監督・脚本・製作:M・ナイト・シャマラン 製作:フランク・マーシャル、サム・マーサー 製作総指揮:キャスリーン・ケネディ 撮影:タク・フジモト 音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:メル・ギブソン、ホアキン・フェニックス、ロリー・カルキン、アビゲイル・ブレスリン、M・ナイト・シャマラン、チェリー・ジョーンズ

何を今更ではあるんだけど、「シックス・センス」以外のシャマラン監督の映画、観てないんですよねえ。
なんとなく好きなジャンルを撮ってくれているんだけど、ついつい手が出ないままで。
こいつも、それとなく聞こえて来ていた評判もスルーしたまま、まっさらで観たけど、そこそこ楽しめたものの何とも微妙なとこも多い1本だったなあ。

何者かの気配といつの間にかトウモロコシ畑に出現するミステリー・サークルという冒頭は良い感じ。
思いつめたような暗い表情のメル・ギブソン演ずるところのグラハムと喘息持ちの息子、幼い娘に、弟のメリル(ホワキン・フェニックスの)が同居する一家。
母親不在の理由、そのせいで信仰を捨て牧師を辞めたメルの事情。何とも暗い空気に包まれた一家の様子に並行して描かれる不穏な出来事。そして世界各地でミステリー・サークルが出現しているTVのニュースと進むストーリーも良い流れ。

てっきりミステリーサークルの謎がサスペンスフルに解き明かされるのかなあと思っていると、もう各地でUFOの大群が現れるニュースが流れちゃう。愕然とするグラハム一家。ついでにこっちもあれあれで(笑)。

ついに「驚愕映像ベスト100」みたいな「そいつ」の姿が流されるころには、グラハムもしっかり本物に遭遇して、ますます深刻な顔になっちゃいます(笑)。

引き籠り生活を選択した一家にヒタヒタと迫ってくる気配。地下室に立て篭もっての攻防から明けた翌日、彼らが去ったというテレビの報道に上ってみれば、まだ自宅にいる「そいつ」。

この流れは充分怖いんだけど世界規模のこの一大事、他の場所でのパニック描写もあっていいところだが、スピルバーグの「宇宙戦争」以上に徹底的にこの「一家の話」で語り尽くしてるのがある意味凄いや。

凄いと言えばラストのホワキンのバットメッタ打ち(笑)。「インデペンデンス・デイ」でも素手で宇宙人をぶん殴っていたけど(笑)、何か、異星人に銃器を使わず対峙するのって嫌だよなあ。
おまけに言えばモンスター型じゃない、ああしたヒューマノイド型にってのは返って怖いよ。殴ってどんなにグチャグチャになってるか想像するだけで嫌だ(笑)

冒頭だけで、あとはUFOの標識=サイン扱いになっていたミステリーサークル。それを作るのにやつらは来て作業してるはずなんだが、その辺はきれいさっぱり描写はなく、タイトルの「サイン」は予兆っていう意味だったんすね。

このとんでもない経験後、メルは信仰を取り戻し、家族は再生するのだが、亡くなった奥さんも実は宇宙人がらみで亡くなってましたって運びかと思ったけど全然関係ない事故が理由。

結局、ある事象をただの偶然と思うのか、神の意思による必然と考えるかと突きつけられ、選択することで信仰に戻るのだけど、テーマとしても話としても今回の「宇宙人来襲」は「きっかけ」扱い。こう言っちゃ何だけど、確かに驚天動地の出来事ながら、宇宙人でなくてもよかったような気もしちゃうんだよね。

だとしたら、宇宙人は殴られ損(笑)。やっぱり敵なら敵でしっかり悪さしてくれないと。とにかくTVのニュース以外世界の様子がまったく見えないし、それがあればいくらでもスペクタクルにもできるんじゃないのって思ったけど、そういう映画じゃなかったってことか。

そう「宇宙戦争」と違って目に見えて襲撃シーンなかったからなあ…って書いてて気づいたけど、そのTVニュースの中でも「被害」は写ってなかったんだよな。
確かに家の中に入ろうとしてくる時点で充分恐いんだが、あいつらから直接危害を加えられているってシーンはなかったぞ。ガスも毒ガスって決めつけてたけど、すべてテレビの中の話だったし、息子、浴びせられる前に発作で気を失ってたし・・・。

うん、完全に「敵」扱いだったけど、ヒューマノイド型だと「未知との遭遇」の例もあるわけで。彼ら本当に侵略しにきたのか?いいんかいな?何だかどんどん疑問に思えてきたぞ(笑)。
これももしかして、シックスセンスみたいなひっかけ?見返さないとダメ?(笑)

いやあ、やっぱ、宇宙人ものはスピルバーグの方が友好でも敵でも俺のリズムには合うってことだけははっきりしたなあ(笑)。


で、このアルミホイルヘルメットはあまりに間抜けな姿で大笑いしてしまったことと、
この記事を書くまで、監督の名前が「シャラマン」だと思い込んでいたことはしっかり記しておきます(笑)。