で、(と、先月末のブログからの続きでごめんなさい(笑))
観終わったクローズZEROはHDから消して、他にも消すものないかと見たらこれがあった。
同じくTV放映の吹き替え版。喧嘩じゃなく格闘を見たくなって勢いに乗って続けてみてしまったのだった。
ダブル・ミッション(2010) THE SPY NEXT DOOR
監督:ブライアン・レヴァント 製作:ロバート・シモンズ
脚本:ジョナサン・バーンスタイン、ジェームズ・グリア、グレゴリー・ポイリアー
出演: ジャッキー・チェン、アンバー・ヴァレッタ、マデリン・キャロル ファレン
ジャッキーと言えば、若き日の「酔拳」から集大成「ヤングマスター/師弟出馬」までの
ダメ男が爺ぃに鍛えられて強敵に勝つという、一連の時代ものカンフー映画で
ブルース・リーと違うコミカルな格闘を堪能させてもらってからは
その後、監督作でもある「プロジェクトA」で度肝を抜かれ
「ポリスストーリー」では唸るほどのやり過ぎスタントに脱帽し
出演者としても「五福星」シリーズや「スパルタンX」「サイクロンZ」などの
サモハン映画での痺れるカンフーアクション(ベニー・ユキーデとの死闘!)に
時には涙をこらえながら拍手喝采していたものだった。
その後ハリウッドに渡ってからの一連の映画・・・すなわちコメディっぽい作りに
アクセントとしてジャッキーにしかできない凄い体技を入れながらも
クライマックスのガチンコ勝負も強敵が出てこず
よっていつ果てるともしれない技の応酬をすることもなく
昔からうまかった身近なものを武器にして「怒り」よりも「余裕」で
ぬる~く相手を負かす最近のジャッキー映画は
ほとんど熱心に観ることはなくなってしまっていた。
思えば最後に劇場で見たのって「ポリスストーリー3」だったかも・・・って何年前だ(笑)
そんなわけで、先日アクション引退宣言をしたという「ライジングドラゴン」も見送ってしまうような
熱心なファンにはほど遠くなってしまっている俺なのだが
それでもTVで彼の映画が放映していれば、ついつい録画し、映画そのものは軽く流しても
アクションシーンだけはチェックしてしまうのは変わらないのだ。
ちなみに以前ブログでも書いたことがあるが様々な格闘シーンだけを抜き出して
1枚のDVDに納めるというマニアックな趣味もまだ続いたりする(笑)。
(クローズZEROは「喧嘩」なんで「格闘」映画としては見てないので消しちゃったけど)
オープニングでRCサクセションもカバーしてたSecret Agent Man(まんまだ)が流れる中
主にハリウッドに渡ってからの現代アクションのジャッキー映画の数々のシーンが出てきて
(ジャッキー演ずる諜報員ボブの過去の活躍って意味なんだろね)
おお、これは!って思ったのも束の間、あとはぬるぬるで(苦笑)
案の定ジャッキーも還暦近いから全編アクションってのは無理になってきちゃってたなあ。
格闘シーンだけ抜き出したら9分しかなかったもん。
捻りの無い原題通り「隣のスパイ」だし、このポスターだもの。ぬるいのもしょうがないか・・・。
物語は邦題通り(笑)CIAに出向?してる中国情報局のスパイであるジャッキーが引退して
隣に住む美人のシングルマザー(3人の子持ち)と幸せな家庭生活を求めるも
悪の組織が石油を食らうバクテリアでもって原油高騰を狙っているのを阻止するというスパイとしてのミッションと
(実は手違いで秘密のファイルをダウンロードしたと思われて組織に狙われる「巻込れ型」なのだが)
前述の3人の子供たちに認められて美人ママといい仲になるぞというミッションの2つをクリアするって話。
要は、ジャッキーが追ってくる組織を3人の子供たちを守りながら逃げるうちに
隣に住むただのダサイ東洋のおっさんだと思われていたのが、
実はイケてるスパイでカッコ良く、命がけで自分たちを守ってくれたんだから
ママの相手にいいね!と認められてめでたしめでたし・・・というよくあるパターンの物語。
作劇のそつの無さで最後までそれなりに観れたし、
子どもたち・・・特にママと血の繋がっていない中学生くらいの長女に認められるところは
ちとホロリとするのが、娘を持つ父親として弱点突かれてしまったが(苦笑)
まあ、ジャッキーの壮絶な格闘アクション期待すると空振りであります。
これから先、まだまだやる気なのかと勝手に心配になるくらい。
ブルース・リーは「映画」という表現方法を選んだ「武道家」だったが
ジャッキー・チェンは類希なる身体能力と中国拳法の数々を身に付けた「俳優」なんだよね。
これは昔から変わらなく思っていること。
凄みを感じるリーと違い、親しみのもてる風貌を逆手にとって
どんな凄いアクションで我々を驚かそうかと、常に考え、自らの体で実践し
「アクション」に拘り抜いた稀有な俳優であり、映画人であることは間違いないのだ。
ただ前にも書いたようにもう還暦近いんだから無理しないで欲しいし
キレのないアクションはそろそろ辞めてもいいんじゃないかと思う反面
まだまだもうひと花、例えジャッキーがやらなくても
監督として唸るようなアクション映画をもう一度魅せて欲しいものだと思いながら、
観終わって9分足らずのアクションシーン残して消したのだった(笑)