今週のお題
今までに一番印象に残っているバレンタインデーの思い出は何ですか?
その日は毎年のように何もなかった。
世の中には義理チョコなんてものがあるっていうじゃあねえか!
義理さえ俺の上は素通りかっ?!とか毒づく俺の横で
弟が華やかな包みを複数持ってヘラヘラしてやがった。
不憫な長男の例年通りの展開を読み切った御袋が
用意してくれていた板チョコをガシガシ食うのも、
もう面白くもなんとも無い恒例行事であった(涙)。
翌15日の放課後。
同級生の女子が俺を呼んでいる。
「あんたにチョコだってさ!」
ふえぇぇっ!?俺にぃ?!
「はい、さっさと行く!」
急かされ行った場所に別の同級生がいた。
お互い物凄く照れて何だかペコペコしあって
「・・・あ、これ・・・」「・・・あー・・・どうも・・・」
こんな感じでほとんど言葉も交わさず受け取った。
「せっかく呼んできたのに!何でもうちょっと話すとかしないのよ!」
向こうでその子が俺を呼んだ友人に叱られている声が聞こえた。
生まれて初めて手渡しされたチョコであった。
その日俺は、物凄くだらしなく笑いながら帰宅したらしい。
家族に触らせなかった、16歳のせーしゅん(笑)
・・・あれから28年。
照れながら俺にチョコくれた子が
「おとうさんの分もたぶんあるから(笑)」とか言いながら
自分の娘のチョコ作りを手伝うことになってるとはなあ・・・。
人生はわからんもんです(笑)