「聖域なき構造改革」なる言葉と、「事業仕分け」なる言葉と政権によっては目玉政策として
国民へのアピールに躍起となったが、郵政民営化とスーパー無駄遣いと貶された公共事業
の現在の見方として「功罪はある」となるが、まるで聖域化させてしまった「公金の使い道」
の一角にメスを入れたら「抵抗勢力」が跋扈して、そこに腐ったメディアも加勢して・・・。
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東京新聞記者が9月、厚生労働省の職員を取材した際、机をたたいて怒鳴るなど暴力的な
行為をし、編集局は厚労省に謝罪する文書を出した。
記者は社会部に所属する40代の男性。新型コロナウイルス対策として、政府が全世帯に配
布したマスクの単価や規格決定の経緯を調べるため、厚労省に情報公開請求。不開示を受
けて、担当部署の職員に8~9月に2度取材した。
このうち9月4日の取材の際、記者が「ばかにしているのか」と大声を出して机をたたいたり、
職員の資料を一時的に奪ったりした。取材時間は3時間45分に及んだ。
厚労省から、業務に支障が生じたとして編集局に抗議があった。
加古陽治編集局次長の話 職員の方々を傷つけたことを深くおわびします。記者は取材から
外しました。厳しく対処し、再発防止を徹底します
https://www.tokyo-np.co.jp/article/59439
「あってはならないことが起きた」「戦前への逆戻りだ」-。日本学術会議が推薦した候補者6人
を菅義偉首相が任命しなかった問題で、2日に東京都内で開かれた日本学術会議の総会では、
会員から政府への批判と抗議への協力を呼びかける声が相次いだ。ツイッターでも「#日本学
術会議への人事介入に抗議する」というハッシュタグ(検索目印)を付けた書き込みが2日午後
7時現在で25万件以上投稿され、法曹界などからは抗議声明が出るなど、大きな波紋が広が
っている。(望月衣塑子)
拒否された6人が欠員になった状態で、総会の全体会合に続いて開かれた人文社会学系の学
者が所属する第1部会(定員70人)。尚絅しょうけい学院大の行場ぎょうば次朗教授は「分科会
の委員長を予定していた松宮孝明(立命館大法科大学院)教授が任命されず、分科会の運営
が危ぶまれている」と、政治からの介入に危機感をあらわにした。
千葉大の栗田禎子さだこ教授は「日本学術会議は時の政治権力に自律的でなくてはならない
という規定があるのに、行政処分のような形で紙1枚で(任命拒否を)送ってきた」と憤る。
「(菅首相は)官房長官時代から、言うことを聞かない役人は飛ばしていいという手法が身に付
いているから、学術会議の特別な性格を理解せず、いつもと同じやり方でやった。
戦前への逆戻りだ」と強く批判した。
北海道大の宇山智彦教授は「政府の判断は、日本学術会議法に違反する。(6人は)法律・歴
史・政治分野で著名で深い研究をしている」と政府の判断を疑問視。「政治的な理由、過去の発
言が左右したのなら、学問の自由だけでなく、国民の言論の自由全体に関わる。国民にも広く
理解してもらうことが重要だ」と訴えた。
一方、自由法曹団東京支部は2日、「任命拒否は政権に批判的な研究活動は許さないという
菅首相による宣言だ」などとして、任命拒否に断固抗議し撤回を求める声明を出した。
東京新聞
2020年10月02日 19時59分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/59291
https://news.yahoo.co.jp/articles/f34e15ceb1fc00fee0b1f1c7e787f5a42a7a348b
大村秀章・愛知県知事(発言録)
(菅義偉首相が日本学術会議の会員候補6人を任命しなかったことについて)そんなに目くじら
たてるような会議じゃない。政策提言はいろんな観点からやってもらったらいいと思う。
法律に「学術会議の推薦をもとに内閣総理大臣が任命する」と書いてあるわけだから、推薦の
あった人を任命しなかったら、そこは何でっていうのを説明しないといけない。
それはどこまでいっても説明してちょうだいよという話は消えないんじゃないか。
正直言って驚きましたね。(2日、愛知県庁での記者会見で)
https://news.yahoo.co.jp/articles/7394d7db854dff947a4e20ceb614dbd51dcda34c
AERA「杉田官房副長官、和泉補佐官に政権批判した学者を外せと言われた」学術会議問題を
前川喜平氏語る
〈週刊朝日〉
菅義偉首相が日本学術会議の推薦した委員の任命を拒否したことを受けて、学術界に激震が
走った。
政府からの独立を維持してきた学術界をも、菅政権は官僚と同様に支配しようと踏み込んでき
たからだ。
いったい何が起こっているのか。元文部科学省事務次官の前川喜平氏が本誌インタビューで
問題点を語った。
* * *
(省略)
政権にとって都合の悪い人間を排除していけば、学術会議が御用機関となります。それでは
彼らの狙いは何か。それは、軍事研究でしょう。
政府は日本の軍事力強化に力を入れてきています。防衛省では15年に「安全保障技術研究
推進制度」を導入しました。
防衛省が提示するテーマに従って研究開発するものに、お金を提供する制度です。
導入当初は3億円だった予算規模は、今では100億円にもなっています。
他方で、日本学術会議では、1950年と67年に「戦争を目的とする科学の研究には絶対従わない
決意の表明」と、「軍事目的のための科学研究を行なわない声明」の二つの声明を出している。
戦争に協力した反省からです。
2017年にはこの二つの声明を継承することを表明しています。
このときの日本学術会議会長の大西隆さんは「自衛目的に限定するなら、軍事研究を容認し
ていい」という考えでしたが、他の委員から反対があり、「認めるべきではない」となった。
菅政権にとっては学術会議のこういった人たちが目の上のたんこぶなんですね。最終的には
日本の大学で軍事研究を進め、独自の軍事技術を持って、兵器をつくっていきたい、ひいては
戦争に強い日本をつくりたいのでしょう。
学者の方々は官僚のように“大人しい羊の群れ”ではないので、一筋縄ではいかないと思います。
今回任命されなかった方々は憲法学者や刑法学者、行政法学者など日本のトップクラスの人
たちです。
しかし、今回の任命拒否は非常に怖いものでもある。1930年代に起こった滝川事件や天皇機関
説事件といった学問の弾圧を思い起こさせる。大学や学術の世界を国の意向に沿ったものにし
ようとしている。
安倍政権では集団的自衛権や検事長の定年延長について、憲法や法の解釈を都合よく変更し
てきました。定年延長では法を変えようとまでした。今度は日本学術会議法まで変えようとする
かもしれません。
今回の問題は、これまでの人事とは異次元の問題と見るべきだと思います。
(構成・本誌 吉崎洋夫)
AERA dot. 10/4(日) 12:42
https://news.yahoo.co.jp/articles/843f011fc6d585cf2cb5d27aa2602e29d8941197?page=1
3日放送の日本テレビ系「ウェークアップ!ぷらす」(土曜・前8時)で、菅義偉首相が政府から
独立して政策提言をする「日本学術会議」の新会員について、会議が推薦した候補者105人
のうち6人を除外して任命したことを報じた。
「学者の国会」とされる同会議が推薦した候補者を首相が任命しなかったのは、2004年度の
法改正で会議が推薦する方式になって以降初めてのケースだが、辛坊治郎キャスターは「そも
そも日本学術会議って政府直轄の組織で毎年10億円ぐらいの予算が組まれて、参加すると
報酬が出る。世界的には割と珍しい組織ではあります」と指摘した。
その上で「基本的に各国は学者さんが自分たちで金を出して自分たちで組織を作っているんで、
政府直轄って、このあり方でいいのかっていう議論もあっていいかなと思います」と
コメントしていた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/dd7dbffc98d93ce54dc715c68c5315619abe11b2
日本学術会議が推薦した新会員を菅義偉首相が任命しなかった問題で、立憲民主党など
野党は7、8両日に開かれる衆参両院の内閣委員会で、政府への追及を強める方針だ。
過去の政府の国会答弁や文書で、首相の任命は「形式的」としたことに矛盾するとして政府
の見解をただす構えだ。26日召集で調整中の臨時国会前に、首相が出席する予算委集中
審議の開催を迫ることも検討する。
立憲の福山哲郎幹事長は2日、記者団に「学問の自由に対する国家権力の介入で、到底看
過できない」と批判。
任命拒否は1983年、当時の中曽根康弘首相らが「政府の行為は形式的行為」などと答弁した
ことと食い違うため、「違法の疑いもある。大きな問題を白日のもとにさらした」と述べ、政府に
任命拒否の理由を明確に示すよう要求した。
政府は83年、首相の任命は「形式的」との見解を記した文書も作成していた。
当時の総理府が、日本学術会議法改正の際に作成した「想定問答」で、「首相による任命は
実質任命か」との質問に、「首相は推薦人の推薦に基づいて会員を任命することとなっており、
この任命は形式的任命である」との答えを明記していた。立憲の小西洋之参院議員が国立
公文書館で、内閣法制局の「法律案審議録」に含まれているのを確認した。この文書も根拠
に政府を追及する見通しだ。
【宮原健太】
毎日新聞
2020年10月4日 17時27分
https://mainichi.jp/articles/20201004/k00/00m/010/113000c
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日本学術会議への人事介入に抗議する
いつものことで、なにやら「組織的抗議」のさまが、百五人の推薦で六人の人だけの任命拒否が、
どうしたら「人事介入」となるのやら、推薦されたが不適格との烙印は、後々年金へと繋がる事柄
だけに「個人の利益毀損」という側面もありで、そこに「学習の自由規制」など存在しないし、
まして推薦の人のうち、一割にも満たない「不採用」も不満とか、どこまでも既得権益にしがみつき
たい「金銭問題」のきな臭さが漂い、特権に汲々とするみっともなさが、反対を掲げる「やから」から
滲み出ている。
選ばれなかったとしたら、「まな板の鯉」みたいな潔さのかけらもないでは「学生」にすれば、
どんな授業しているのやらと・・・。
まして「武漢アィルス」の発祥地の科学技術院と協力とかでは、あっちは軍事研究と直結
しているとなれば、なにをかいわんやではある。
理屈をこねくり回して「既得権益」を強引に貫く姿勢は、どこか歪んでいる。
推薦という手段が、まるで命令のそれみたいになってしまう姿勢は、何も知らない国民にとって
奇異に感じるものであり、まして公金を食むとなれば、推薦する者たちが詳らかすべきもので、
「国民の益」という観点からは、説明責任は推薦人にありとなりそう・・・。
そこらへの言及はなしで任命しないのはけしからんとかの不遜は、それこそ「公金ないがしろ」
のそれだろう・・・。
で、「村社会集団」のそれが圧力団体化していくのは、論点ずらししなくとも「公金の使い道」
として適切か否かだけで、効率化を図るものでもない。
民間であれば効率化は経費削減の長所だから、それしか頭になかった主人公が、
無人島にたどり着いて文明の利器から離れてみれば、人間の原点が見えてくるなんて
のが「キャスト・アウェーイ」なんて映画があった。
「キャスト・アウェーイ」 二○○○年公開作
流通の職に就く主人公は、効率化に血道を上げている合理主義の男。
その人間が飛行機事故で、誰もいない無人島にたどり着けば、どうなるか・・・。
文明の利器の全くない状態からのサバイバル奮闘記。
そこで自然の学びが、合理主義の性格を徐々に変化させて、そして生き抜くための知恵と根性
は、いかに培われて行くかを丁寧な描写で描いていく。
培った知恵で文明の地へ戻ったとき、待ち受けている変化と心情の変化が見事にクロスする
ラストシーンのクロスロードでの微笑みに、自然に生きる人間の価値やらを金で変えることが
出来ない価値観として、しっかり認識して終わる物語は、出だしのもーれつ社員と同一人物
と思えぬ思慮深さを漂わせて、人間の再生物語みたいであった。
以下の映画での監督・主役のコンビは、人間の一面をより良く描いている。
こっちの作品は以前書いた・・・。
それをコピーしてみた。
「フォレスト・ガンプ」 九十四年公開作
主演のトム・ハンクスの演技も素晴らしいが、「レインマン」の介助の素晴らしさでなく、その本人
の無垢の精神、そして本人の才能が周囲を温かく包み込むさまは、出だしからの少しおかしな行
動に見ながら笑っているが、いつしかその笑いが、泣き笑いになり、そしてラストシーンでは胸を
熱くさせて、今度はほっとするような涙を流させる・・・。
障害を持つ人間の可能性を無限大に広めてみせる映画手法は、これまでの・・・。
まぁこれとは違って「カーブの世界」という、こちらは人間的精神の欠落した母子の物語もあった
が、見ていてほんわか温かい気持ちにさせてくれるハンクスの演技は、一時でもファンタジィー
の世界へ誘ってくれる。
と、それ以外は思いつかない映画で書くつもりがなかったのだが、この映画で見逃せないのが、
使われていた音楽である。
その中でも、日本ではそれほど人気がないがボブ・シーガーの楽曲は、この映画のコンセプトに
一番合っていたように思う。
向かい風に向かって疾走する。
この自分の価値観と違った、いや無垢な者と邪悪な者と、そして無垢な障害者に理解を示した
彼女のために、一生懸命走る、走りぬく・・・。
渋い歌声とあの頃を振り返る年輪のさまを、静かに聞き込めばそっと優しい感情が湧いてくる。
あの黒人運動の「怪しい集団」なんぞでなくとも、声高に叫ばなくとも、日本では
こんな当然のような楽曲が存在している・・・。
にしても「推薦イコール任命」の既得権益の醜さは如何したものだろう。
新政権がそこに一石を投じたのは、なかなかではある。
といったところで、またのお越しを・・・。