民意との相違がメディアを溶かせる「溶解人間」 | 流浪の民の囁き

流浪の民の囁き

映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

劣化具合が顕著に目に見えてきた日本のメディアの発狂振りは、その紙面のみすぼ

らしく意味不明な文章の羅列で、あるいは「妄想炸裂」の理想か、あるいは「国民の安

全・安心」など全く考慮していない「かの国」並みの頭脳へと溶解したかのようである。

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安倍晋三政権は今年、憲法改正まで突っ走るのでしょうか。不安がよぎります。選挙の

公約とはいえ、本当に国民はそれを受け入れたのでしょうか。
吉田茂邸が全焼しました。二〇〇九年のことで、神奈川県大磯町に屋敷がありました。

日本国憲法が公布、施行されたときの首相で、戦後日本を長く牽引した、「ワンマン宰

相」です。
総ひのき造りで数寄屋風の「吉田御殿」は、多くの人々が「大磯参り」を続けた政治の

舞台でもありました。
炎上のニュースを知って、詩人で作家の辻井喬(堤清二)は「惜しいことに」と感じました。
吉田茂が怒っている
西武百貨店などセゾングループの総帥でもあった人です。吉田死去後に首相の佐藤

栄作から「大磯の吉田邸を君のところで買わんか」と頼まれ、「お引き受けします」と即

断した思い出があるのです。池田勇人、三木武夫、宮沢喜一、大平正芳ら、首相経験

者とも付き合いがありました。
吉田邸の建物と庭を思い出しつつ、辻井は回顧録「叙情と闘争」(中央公論新社)の中

で、こう考えを巡らせていきます。
<今日の保守政治の堕落にあの世の吉田茂が烈火の如(ごと)く怒っているのではな

いかだから燃えてしまったのだ>





吉田が戦時中、東条英機ら軍閥の無謀な戦争計画を批判して、憲兵隊に逮捕されたこ

とも、辻井は回想します。
<僕の考えからすれば、平和憲法とその思想を高く掲げることによって独立国家への

道を歩むしかないと思うから、その道は細く険しいのかもしれない>
<憲法九条を変えて軍備を持ってしまうことは、吉田茂の残した宿題に正面から答え

る道ではないように僕は思う>
つまり、今の保守政治に「堕落」の烙印を押し、憲法九条の改正に反対する意思表明です。
小さな穴から広がる
安倍政権は憲法改正を公約して誕生しました。自民党の改正草案は、自衛隊を「国防

軍」とする名称変更だけではありません。交戦権の否認条項を削除し、国際協力という

名のもとに、戦争に参加することが可能な条文です。
自由や権利についても、「責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序

に反してはならない」とします。
明治憲法と同じ留保付きの人権保障なのです。復古そのものです。
国家権力を縛るのが憲法の役目なのに、逆に国家が国民を縛る改正草案です。

先進国の憲法ではありません。
昨年に強行可決された特定秘密保護法は、この草案中にも「機密の保持」と明記が

あり、実質的な改正に向け、
脈を打ち始めていると考えてもよいでしょう。
<政治家の系譜を辿ってみると、吉田茂を源流とする流れと、戦前のナショナリスト

の流れにいる岸信介の系譜、この二つがあるように僕には見える>
辻井はそう観察します。岸を祖父に持つ安倍首相がどちらに属するかは自明です。

「戦前のナショナリストの流れ」を引き継ぐ政治家が膨張しているようにも思われる

今日の政治状況です。
終戦前に生まれた国会議員は六十八人にとどまり、戦後生まれは六百五十四人に

も達します。最高齢の石原慎太郎氏でも終戦時には、十二歳の少年にすぎません。
東京新聞(中日新聞東京本社)社会部編の「憲法と、生きる」(岩波書店)では、政

界引退した自民党元幹事長の古賀誠氏が、自衛隊の海外派遣について警告して

います。
<たとえ小さな穴でも、一つあけば広がっていく。先の戦争のときもそうだった>
戦争で父を亡くした古賀氏の政治哲学です。彼は「吉田茂を源流とする流れ」にい

た一人です。こうした政治家は、今や少数派になったのでしょうか。
辻井は実業家として、「池袋サンシャインシティ」を開発します。占領下では「巣鴨

プリズン」があった場所です。
A級戦犯の容疑者として、岸は三年間、ここで幽囚の日々を送りました。
郷里の山口県から離れる前に、旧制一高の恩師から「自決」を促す短歌をもらい

ます。でも、岸はこんな歌を返しました。
岸信介は「聖戦」の認識
<名にかへてこのみいくさの正しさを来世までも語り残さむ>
「みいくさ」とは聖戦です。あの戦争に反省さえしません。安倍首相も国会で「侵略

戦争の定義は定まっていない」と答弁しています。祖父から同じ歴史認識を受け

継いでいると感じられます。
辻井は昨年十一月に亡くなりました。彼が「細く険しい」という平和憲法を守る道に、

私たちは立ちます。


http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2014010502000086.html





新年に、虚子の句「去年(こぞ)今年 貫く棒の 如(ごと)きもの」を思い浮かべる人も

多いだろう。 2013年から14年へ、貫く棒は何なのか。 年末、安倍晋三首相が靖国

神社を参拝し、保守支持層から喝采を受けた。 愛国心、ナショナリズムが、政治を動

かそうとしている。強い国を作ろうという流れに、いっそう拍車がかかるのかもしれない。
だが、強い国や社会とは、どんな姿を言うのだろうか。指導者が、強さを誇示する社

会なのか。
違う、と私たちは考える。強い国とは、異論を排除せず、多様な価値観を包み込む、

ぶあつい民主社会のことである。「寛容で自由な空気」こそ、貫く棒でありたい。
◇自由で寛容な空気こそ
慌ただしい師走だった。特定秘密保護法、初の国家安保戦略、そして靖国参拝。

政権与党と安倍首相の、力の政治がそこにあった。
政権に、権力の源泉の「数」を与えたのは、私たち国民だ。
その代表者である政治家が、多数で法案を通す。選挙と議会の多数決があって、民

主主義は成りたつ。それを否定する人はいない。
ただし、「反対するのなら次の選挙で落とせばいい」などと政治家が開き直ったり、多

数決に異を唱えるのは少数者の横暴だ、といった主張がまかり通ったりするのは、

民主主義のはき違えではないか。
民主主義とは、納得と合意を求める手続きだ。いつでも、誰でも、自由に意見を言え

る国。少数意見が、 権柄ずくの政治に押しつぶされない国。それを大事にするのが、

民主主義のまっとうさ、である。 いまの社会は、どうか。
あらゆる政策を、賛成する側と反対する側に分け、多様な世論を「味方か」「敵か」に

二分する政治。 対話より対決、説得より論破が、はびこってはいないだろうか。
そんな象徴が、靖国だ。
 
毎日新聞 2014年01月01日 02時30分 社説:民主主義という木 枝葉を豊かに茂

らそう

http://mainichi.jp/opinion/news/20140101k0000m070141000c2.html






社説:日本の近隣外交―それでも対話を重ねよう

日本と中国、韓国で、いまの政権が相次いで発足してから、おおむね1年がたつ。
この間、日中、日韓の首脳会談は一度も開けなかった。2008年から毎年続いて
いた3国サミットも見送られた。
冷え切った関係は、年末の安倍首相の靖国神社参拝で決定的となった。
北東アジアにとって実に寒々しい年が明けた。
大局をわきまえない政治指導者たちが、問題を解決するのではなく問題をつくる
行動に走る。そのツケを経済や文化交流などへの悪影響で国民が被る。
そんな不毛な悪循環が日本と近隣国との間に起きている。無分別な拡張行動を
とる中国と、かたくなな対日外交を崩さない韓国にも、責任はある。
だが、安倍首相の靖国参拝は独りよがりが過ぎた。
首相が掲げる「積極的平和主義」には「国際協調にもとづく」の前置きがあったは
ずだが、自らその看板を否定したのである。
米国、欧州連合、国連からも懸念が示された事態をどう改善するか。どうすれば、
近隣国と未来志向の関係が築けるのか。新年の外交課題はそこにある。
北東アジアは、世界の2、3位の経済大国と、有望な新興先進国が共生する世界
有数のダイナミックな地域だ。
争いによる相互ダメージから、協調による利益拡大の好循環へ構造転換する責
務が、各国政府にある。

■相手への配慮から

日中韓の間でいま、おもしろい取り組みが始まっている。
京都の立命館大、中国・広州の広東外語外貿大、韓国・釜山の東西大。
その3校の学生28人が2年間、各国で講義を受ける「キャンパスアジア」だ。
言葉や文化、歴史をともに学び、「東アジア人」に育ってほしい――。
そんな思いから3国サミットで合意された
すべての学生が共同生活を送る。広州、京都と移動し、昨年末に1年目のプ
ログラムを釜山で終えた学生たちに会った。
ほとんどの学生が、この1年のうちに歴史や領土問題を議論したことがある、
と語った。ただ、次第にそれらが話題になることはなくなったという。
理由を尋ねると、日中韓の学生の答えはほぼ一致した。「議論しても答えが
出ない問題で相手を傷つけたくない、という気持ちがだんだん強くなった」
立命館大の庵●(点一つのしんにょうに、「谷」)(あんざこ)由香・准教授は
コミュニケーション能力の発達ぶりに驚いたという。
「集団で生活し、対話する中で、なぜ自分はそう思うのだろうと内面を見つめ
ることが相手への配慮につながるようだ」
京都で韓国人学生は自国では絶対に使わない「日本海」の呼称で研究発表
した。中国人学生は「政治の対立を文化交流に波及させるな」と主張した。
1年目の最終日、東西大の張済国(チャンジェグク)総長は
「最前線にいる君たちだからこそ、ぜひ自国の政府に交流のありのままの姿
を伝えてほしい」と呼びかけた。

■各国首脳が熟考を

人間同士では当たり前にできるはずの相手への配慮が、いまの政治には欠
けている。
安倍首相の靖国参拝を受け、中国と韓国からは、さじを投げる声すら出始め
ている。
中国の外務省は「中国の指導者が彼と面会することはあり得ない」と表明した。
韓国政府内でも「安倍政権と日本を切り離して対処する必要がある」という声
が強まっている。
もはや安倍政権が続く限り、交渉相手としては向き合えないという宣言とも受
けとれる。
日中で軍拡競争の様相も見せている尖閣諸島問題をどう制御するのか。
来年、国交正常化から50年という節目を迎える韓国との関係はどう描くのか。
安倍政権は「地球儀を俯瞰((ふかん))する外交」と言いながら、足元の近隣
外交を放置している。
そのこじれを修復しないまま、戦後の日本の平和主義を一方的に変え、集団
的自衛権の行使容認に突き進もうというのだろうか。
向きな政治におぼれていては、自国の安全も地域の安定も危うくする。それは
どの国の首脳も肝に銘じるべき問題だ。

■共通課題を突破口に

当面、首脳会談への壁は厚いだろう。だとしても、互いの関心が重なる部分か
ら対話を積み重ねていくべきではないか。
原子力の安全や大気汚染、再生エネルギー開発、鳥インフルエンザ対策など、
3国に共通する課題はいくらでもある。
本格的な3国対話がなかった昨年でさえ、環境や文化の分野では閣僚級の会
合が実現した。
少しでも協力できる分野を見いだし、国民の実益を生むことで互いの信頼を高
めたい。
北東アジアには、北朝鮮も含まれる。張成沢(チャンソンテク)氏の粛清で新体
制の恐怖政治ぶりが鮮明になった。
その暴走を防ぐことは周辺国全体の安全策であり、もっと力を合わせるべき課
題だ。
靖国参拝の代償は高くつくだろう。それでも日本は、近隣国との対話が芽生え
るよう努めることで挽回(ばんかい)を図るしかない。

朝日新聞デジタル 2014年1月4日(土)付
http://www.asahi.com/paper/editorial.html




国家間の利益追求がぶつかり合う、冷徹な国際社会の現実を全く知らない空想

だと冷笑されるだろう。それでも言いたい。
「軍」がなければ、今より断然暮らしやすい社会になる。
特定秘密保護法はいらないし、沖縄県名護市辺野古の美しい海を埋め立てな

くてもいい。防衛費は教育や福祉に回せるし、器輸出もできず「死の商人」になら

なくて済む。世界から「軍隊を持たない国」と称賛もされるだろう。
ただ、中国の軍事費増大や首相の靖国神社参拝などにより、東アジアの緊張は

高まるばかりだ。こうした状況に、日本も「軍備の強化を」との声が強まっている

ことに、息苦しさを覚えている。
55年前に沖縄の小学校に米軍機が墜落し、多くの児童が死傷した事故を題材

にした映画「ひまわり」の上映会があり、出掛けた。軍の犠牲になるのは、いつも

一般市民であることをあらためて思い知らされた。 (吉田賢治)

=2014/01/06付 西日本新聞朝刊=
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/desk/article/61581

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なかなか面白いのは、文面で日本政府に対しての「恫喝」並みの強い言葉を使って

いるのに、それが全く「ズル逃げ最後っ屁」というら笑えるものとなっているから、文面

から浮かぶのは、目を血走らせて懸命に語彙をない頭で捻り出すつりあがった目の顔

ってなものが文面から浮かんで見える。

にしても「正常だったろう学生時代」から社会にもまれる出なく、社内で洗脳されていく

過程か、ゆがんだ性格ゆえ文章まで歪んでしまっては、読者はつらいものがある。




この映画ではすんなりと「新聞社の痛い人」をスルーさせて、流石スポンサーについて

脚本で原作では批判される立場を歪めてしまって、そこらにメディアの姑息さと商業主義

での「腹黒さ」を見せ付けているが、先人にすれば「草葉の陰でなく」状態だろう。

もっとも日本自虐ずっぽりの論調と、偏狭過ぎるナショナリズムだけの「かの国」メディア

の凄まじい「残念で痛い人ぶり」はね日本の恥ずかしさの「数倍上」ではある。


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「日本の立場を捨ててまで韓中との首脳会談に応じない」
 菅官房長官、首脳会談に前提条件を付けることを拒否

日本政府の報道官に相当する菅義偉官房長官が「日本の立場を捨ててまで韓国や

中国と首脳会談を行う必要はない」と発言した、と読売新聞が3日報じた。韓国などが、

日本の首が 靖国神社を参拝しないことを前提条件とした場合には、首脳会談に応

じないという意味だ。
菅官房長官はこの日、同紙とのインタビューで「対話のドアは常に開かれているとい

うのが日本政府の基本姿勢だ。自然な形で交渉が進展し、時期が来れば首脳会談

が可能になると思う」とした上で、上記のように述べた。なお、安倍晋三首相も以前、

インタビューで「首脳会談は前提条件を付けず、無条件で行うべきだ」と発言している。
安倍首相の靖国神社参拝に対する国際的な批判について菅官房長官は「首相の参

拝は、二度と戦争をしないという不戦の誓いのためのものであり、参拝の真意を関係

国に説明して、 理解を求めていく」と述べた。
これに対し韓国外交部(省に相当)の関係者は「安倍首相の靖国参拝で、国際社会

から 非難を浴びている日本政府の焦りが反映された発言にすぎない。いかなる対

応もする必要はない」と語った。
一方、3日にゴルフ場を訪れた安倍首相は、記者たちが新年の抱負について尋ねた

のに対し 「ワクワクしながら、1年を送ること」と答えた。毎日新聞によると、安倍首相

は6日に三重県の伊勢神宮を参拝した後、年頭の記者会見を行う予定だという。

伊勢神宮は日本の皇室の祖先神を祭っている神社だ。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/01/04/2014010400412.html

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なんてもかんでも「日本」となれば、批判しか思い浮かばない「残念で痛いメディア」は

日本のメディアの先駆のような役割をになっているのか、はたまた「民族意識」の同化

が似通わせるのか、ただ違いがあるとすればあちらは自国の自虐は忘れ去り、それら

すべてを日本におっかぶせて、国民を洗脳して「残念で痛い国家」形成に手助けをして

いるという「おぞましい精神」の公共財としての存在。


で、文章のみでも書いている人の頭脳が「溶解している」としか思えぬと感じると、その

昔の皮膚がただれて醜い姿になってしまうエリートの悲惨さと殺戮のさまが怖かった

「溶解人間」というものを思い出した。





http://www.youtube.com/watch?v=sSSeHzCeELo

「溶解人間」 七十八年公開作

土星探検に出かけた宇宙飛行士が、太陽からの放射線の影響で皮膚が溶け出して

気を失って、目覚めたのは病院でそこで「鏡」を見ることによって自分の姿の醜さに

発狂・・・。それが殺戮へと繋がるのがなんともなBテイストだが、殺戮のシーンのご

丁寧で最初の犠牲者のふくよか過ぎる看護婦の逃走シーンは衝撃的だし、釣り人の

犠牲の懇切丁寧さは、川に落とされた頭部が滝から滝そこへと落ちて粉々になるま

でを映像化している。

一つ一つの殺害を懇切丁寧に描いて、その中に自分の境遇を嘆くとかを挿入する

から一概に殺人鬼の殺戮というものでなく、なんとも主人公への憐憫さも感じると

単なるホラー映画の域を超えた造形と相まって、最後のくすっと笑ってしまうオチ

までなかなかに仕上がった映画となっている。

この宇宙飛行士という職業的にエリートであった者の落差をみるにつけ、通常の殺戮

者とは違ったものの見方が出来る。

まぁ、この映画は外見上の溶解というものだが、文章を書いている人の溶解とかは

より以上に深刻で、脳が溶解して「変な思考回路」では外見が普通だから、見方を

違えば「こっちの方がよっぽど怖い存在」と相成りそうである。



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                  といったところで、またのお越しを・・・。