国民の安寧か、それとも知る権利か「スパイ・ゾルゲ」 | 流浪の民の囁き

流浪の民の囁き

映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

特定秘密保護法案成立に反対するその根拠にされる「知る権利」と政府の隠避体質

だが、公務員の守秘義務の脆弱性は殊更置いてきぼりに、国民の不利益を喧伝して

法案の阻止を目論むが「完全無比な法案」が日本にあるかといえば、時代と共にずれ

て来て「改正」をしなければ実情に合わないとなるのだが、この時代に逆行したかの主

張には「スパイ天国」と揶揄される日本の余りに脆弱な「意識」こそが、仇なす人々にと

って「格好の餌」であるを考慮しないと、いつしか反対派の「甘っちょろい思考法」が後悔

を生む「テロの惨劇」が日本人の安寧を奪う。

反対派はそんな時「責任を取る気概があるか」となれば、意地汚く「知らん顔」なのだろう。

何しろ仇なす「やから」から日本国民を守る使命を受けているのは「自衛隊」であり、三文

文士が「書きなぐった文章」では、いざとなれば「全く役に立つことのない逃げ惑う人」に

なるのだ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
明窓 : 息苦しい時代になる

息苦しい時代になる。特定秘密保護法案が衆議院を通過した。
「知る権利」が危うくなるだけではない。運用次第で不安は市民生活にも及ぶ
▼そもそも何が秘密かさえ市民には知らされない。
覚えのない嫌疑をかけられ、説明を求めても「それは秘密だ」となりかねず、
司法も暴走をチェックできない-そんな不安を残す。
安倍首相は「この法案で日本の安全は守られる」というが、今のままでは「市民の安心」

は守られない
▼いくら言い繕っても、抜け道だらけの法律では運用や解釈まで担保できない。
日中衝突にあわせて改正された軍機保護法や日米開戦前からの国防保安法など、戦

前・戦時中の歴史は、その教訓を示す。
憲法でさえ今は9条の解釈を変更する動きがある
▼不安が根強いままの法案をなぜ急ぐのか。決められない政治にうんざりして国会の

「ねじれ」を解消した国民だが、
これではまるでやぶ蛇になる。株価や景気ばかりに目を奪われていたせいだろうか
▼外交・防衛に一定の秘密が必要なことは否定しない。
領土をめぐる近隣国との軋轢(あつれき)や脅威の増大など安全保障環境が不安定に

なっているのも分かる。
それだけに、余計に冷静さと慎重さが求められる
▼日米開戦の前も鬱積(うっせき)した世情だったという。
作家の阿川弘之さんは、真珠湾攻撃の放送を聞いた途端「涙がぽろぽろ出た」と当時

の国民感情を述懐している。
その暗号電報「ニイタカヤマノボレ」が発信されたのは72年前の昨日。
秘密保護法制を戦前回帰の狼煙(のろし)にしたくない。(己)

山陰中央日報 

http://www.sanin-chuo.co.jp/column/modules/news/article.php?storyid=542830034


流浪の民の囁き


「旧日本軍敗退も国家機密」 言論統制体験の山田洋次監督

言論や表現の自由を制限する恐れが強い「特定秘密保護法案」の衆院採決を与党が

強行した。
懸念や反対の声が広がっているにもかかわらず、成立の可能性が高まっていることに、
言論が統制された戦時中を体験している映画監督の山田洋次さん(82)は
「やり切れない思いです。この法律が通れば、この国は旧ソ連のような陰気な国になるの

ではないか」と語る。
この法案では、一般市民や報道機関は何が特定秘密になるかが具体的には分からない。
戦争につながる情報も秘密になるのではないかとの不安もあることに
「なぜそんなに恐ろしい法律をつくるか、そしてなぜ急ぐのか。その辺のことがさっぱり説明

されていない」といぶかしむ。
特定秘密は、漏えいすると国の安全保障に著しく支障を与える情報を、閣僚ら「行政機関

の長」が指定する。
政府は「海外との情報共有をする」必要を強調するが、山田監督は「そんな情報は共有し

なくてもいいのではないか。
そんなことのために市民やジャーナリストの活動を制約する方がおかしい」。
集団的自衛権の行使容認も視野に、戦争に備えるものとの見方もあり
「この国は戦争をしない国なのだから『米国は戦争をしても日本はしない』と言うことこそが

大事ではないでしょうか。憲法にそう書いてあるでしょう」と山田監督。
同法案は「戦後民主主義の否定」とも指摘する。
「本当の保守は、今までの遺産を守り抜くこと。それを全部否定しようとしているのはなぜ

なのか。反対だと多くの人が言っているのだから、安倍さんは民主主義者ならその意見を

よく聞いて説得の努力をしてほしい」太平洋戦争で、日本軍が負け続けていることは国家

機密であって、国民に知らされなかった。
「沖縄が占領されてもまだ、僕たち日本人は日本が勝っていると思っていた。
今思えば本当にナンセンスな時代だった。(現政権は)なぜあの歴史に学ぼうとしないのか」
少年時代、旧満州で迎えた敗戦で「黒いカーテンがぱっと落ちたような不思議な感じ」を味

わったという。
「閉ざされた世界に今まで生きていたんだと実感しましたね」
山田監督は、旧ソ連圏のこんなジョークを挙げた。「最高指導者はばかだ」と話した人が逮

捕され、「これは侮辱罪か」と尋ねると「国家最高機密を漏らした罪だ」と告げられる-。
「『秘密』というのは暗い言葉です。人の心には秘めたる思いとか秘密がいくらでもある。
だけど国や政治には秘密はない方がいい。それが明るい国なんじゃないかな」


 <やまだ・ようじ>
1931年大阪府生まれ。代表作に「男はつらいよ」シリーズ全48作、「幸福の黄色いハン

カチ」など。
新作「小さいおうち」が来年1月25日に公開予定。

東京新聞

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013120302000243.html



流浪の民の囁き



静岡】特定秘密とは隣り合わせ 自衛官の胸騒ぎ

(中略)

◆法律施行なら 日常会話にも影響

特定秘密保護法案が成立すると、秘密に携わる公務員の一家は、日常会話にもこれま

で以上に神経をすり減らすことになる。例えばこうだ。四歳の息子と妻、そして自衛官の

夫の三人家族はつつましやかに暮らしていた。
夫 「パパは明日から出張に行ってくるからね。いい子にしているんだよ」
息子 「えっ。パパ、明日からいないの? どこ行くの?」
夫 「ごめんな。言えないんだ。お土産もこれからはないから」
息子 「なんで?」
夫 「だって、お土産で行った先が分かってしまうだろ」
妻 「あなた、出張先も言えないの? 前は教えてくれたじゃない。本当に出張なの? 

まさか…」
隠されたショックと両親の険悪な雰囲気に息子が泣きだした。
仕方なく自衛官の夫は言う。「パパはね、明日からハワイ沖でアメリカ人のお友達とおし

ゃべりをしてくるんだ」-
ハワイ沖での任務が特定秘密に指定されていた場合、家族が誰かに話したら処罰対象

になる可能性がある。
国会審議の中で、森雅子担当相は「特別管理秘密を取り扱うことができる職員数は警

察庁、外務省、防衛省でおよそ六万四千五百人」と答弁。「都道府県警察職員のほか、

契約業者も対象になる」と述べている。
多くの公務員とその家族の間では、これまで普通だった会話さえ、躊躇(ちゅうちょ)す

ることになりかねない。


http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20131204/CK2013120402000091.html

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

公務員というのは日本国民と日本国家に対して忠誠を誓っている人。


端的に言って「公務員の矜持」のあり方について法案で上の文言を守らせる必要性が

日本にはあるを物語るものであるが、それではならじとする「やから」が跋扈するメディ

アの発狂振りは、「暴力装置」と蔑む自衛隊をも危険な兆候と煽り立てるのだから、

まさに利用出来る者は「孫から年寄りまで」自分の都合次第では利用しようという姑息で

醜悪な「左翼思想」に埋没してしまった非人間的な行為の偽善者たるを自ら立証している

かのようである。


映画を撮るにしても、その監督の嗜好は映像の中に映し出されて、それが作品に

深みを与えたり、逆にのっぺらな印象を持ってしまうのも、またその人の性格の映像化

とも取れる。

そんなものに実際に日本でスパイ活動をした事件を扱ったものもはいるだろう。



流浪の民の囁き


http://www.youtube.com/watch?v=6Xv9HvnFMXI

「スパイ・ゾルゲ」 〇六年公開作

大戦中のソ連のスパイとして逮捕されたゾルゲ諜報団の顛末を描いたもの。

その主役が「ゾルゲ」という当時同盟を結んでいたドイツ人。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ドイツの共産主義者。ロシアのバクーに生まれ,1919年に創立されたドイツ共産党に入党,

ベルリン大学卒業後,25年にモスクワへ行き,コミンテルン情報局とソ連共産党で活躍た。

33年《フランクフルター・ツァイトゥング》紙特派員として来日,日本の対ソ侵略防止と日ソ平

和の維持を目的として情報活動を行ったが,41年尾崎秀実(ほつみ)らとともに逮捕され,

44年死刑に処せられた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ドイツ人というのがみそで、それに朝日新聞の記者であった尾崎秀実等と共謀して、ソ連

への情報を流していた・・・。

これにより日本の機密の思惑も敵国に筒抜けになって、尊い日本人の生命への無為な犠

牲が増えて行くとなるのだが、映画は当時の広範な出来事をぶち込んでしまったから事情

を知らぬままみている人には展開が速すぎて理解が不十分で、ラストの監督主張がクロ

ーズアップされて、平和主義は尊い的終わり方をしている。

で、このスパイへの協力者として日本人が日本人を危機におとしめる役割をになったのが

今でも国民から「売国やマスゴミの筆頭」と見なされている「朝日新聞」となるのだから、な

んとも・・・。映画も全面協力しているのだが「その精神性は、ジャーナリストの域を超え」

日本のあり方を自分流の価値観に変えたかったという不遜極まりない「自分勝手さ」に

あるは失念したままだから、なんとも「痛さ」は尋常ではない。

で、三時間の長編のラストが、国境なくウンタラの「イマジン」という幻想の世界の世迷言

で締めているから、とたんにずっこける結果になった。

争いごとなく、理想世界としての歌詞はいいのだが、そんなことは誰も実現可能性はないと

理解しているし、ましてスパイ・ゾルゲに寄って失われた生命を過去として理想を語る映画

人の欺瞞はやりきれない「甘さ」の実証である。

と、見る人に感想をゆだねた「実際の事件の再現」としてみると、流石に「イマジン」はねぇな

ぁという感想が漏れる・・・。

日本人の甘さとしては、こんなものだろうなぁと、へんな納得はするが・・・。


機密が漏れ、それが善良な市民を巻き込んだ悲劇となって来るのが、テロをかます人々と

それから身を守ろうとした人々の葛藤を描いた作品には、諜報戦の流血をみない現実離れ

とは違った「生か死か」の壮絶な戦いへと発展し、鑑賞後に「自らのみは、自分で守るしか

ない」という普遍的な「防御意識」を目覚めさせる。

そんなものとして「あのアメリカの悲劇の航空機」ものが、観念的平和主義の「甘さ」とは

一味違う鑑賞後感わ持たせる。


流浪の民の囁き



http://www.youtube.com/watch?v=H3X_KyqGf3w

「ユナイテッド93」

アメリカへのイスラムのテロリストが目的を果せずに、畑に墜落した九十三便の機内での

乗客の「抵抗のありさま」を描いているもので、ドキュメタリー・タッチの緊迫感が良く伝わる

映画である。

 


流浪の民の囁き



http://www.youtube.com/watch?v=r1_cEs0VRKM

「フライト93」

こちらは同じ題材のテレビ映画もの。

こちらは抵抗よりは、それに遭遇してしまった人々の絶望と家族的やり取りからの

テロへの憎悪が生まれる構成となって、乗客以外の人々をも悲劇に突き落とす様が

描かれていた。

と、あのアメリカの悲劇も、映像となればその場での行動様式にも不安と憤懣が、その

周囲にも同じく同じ空気が醸しだされて、より「その場の混乱」をリアルにしたためる。


で、特定秘密保護法案は、こんな映画を通してみると「諜報活動」をしている人でなくとも

ある程度の「機密」を秘匿するのは国民の安寧のためには必要不可欠なものとなる。

ダダ漏れしている日本の情報によっては、全く善良な国民が黒い思惑に躍らされた人々

によって、思わぬ悲劇に巻き込まれる危険性がある。

犯罪加担云々でなく、野心ありありな「残虐な共産主義国家」が近郊にあるを欠念してい

ては、チベットやウィグルの悲劇にもなりかねない・・・。



スパイ・ゾルゲ [DVD]/イアン・グレン,本木雅弘,椎名桔平
¥6,300
Amazon.co.jp


                           といったところで、またのお越しを・・・。