拉致被害者と政権与党、ある意味で「テキサス・チェンソー」の狂気 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

「国民の生活が第一」の中には、勿論国民の安全と安寧が含まれるものであろう。

だが標語とあまりにも乖離した「我等がリーダー」の言動には、いささか「冷血」やら

そして以下のようなやり取りからは、「残忍無比」という言葉も浮かんでくる。


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菅直人首相の資金管理団体が、拉致事件容疑者の長男が所属する政治団体「市民

の党」の周辺団体に多額の政治献金をしていた問題は21日、拉致被害者家族の増

元照明さん(55)が参院予算委員会に出席し、首相に説明を求める事態に発展した。

「何を信じていいか分からない」「本当に知らなかったのか」。菅首相は「申し訳ない」

などと述べたが、献金の意図や目的については依然として不明のままだ。菅首相と

自民党の山谷えり子議員の主なやりとりは以下の通り。



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--市民の党の酒井剛代表とはどのような関係か
「私に紹介してくださる先輩があり、知り合った」
--拉致犯側を応援している団体に献金した責任は
「三鷹市議選に立候補した人物についてまったく承知しておらず、私が謝るとか謝ら

ないとかいうことにはならないと思う」
--なぜ寄付したか
「当時の党役職者として、ローカルパーティーと、民主党の活動の連携・支援のため

に行った」
--よど号犯グループの田宮高麿元リーダーらも寄稿していた『新生』という機関紙

に菅首相も若いころ、寄稿したりインタビューに答えたりしているが
「多くの雑誌、新聞に投稿やインタビューを行っており、どの時期にどこへ投稿などを

したかはすべて記憶しているわけではない」
--市民の党などの事務担当者は今、現役の民主党国会議員秘書だが
「自ら調べていないので、まだ確認していない」
--拉致問題対策本部長として、家族会の方に申し訳ないと思わないか
「そうした(拉致実行犯と近い)関係だったとすれば申し訳ないことだと思う。ただ、そ

うした関係にあったと認識していない」(抜粋)


http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110721/plc11072122040019-n1.htm

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何より「拉致された者」が存在しているにもかかわらず、そことのつながりも懸念される

者たちの「いかがわしい団体」に対する寄付とは、これはまさに「国会議員」とかでなく、

一国民としての「矜持」にも欠ける「最低・最悪な人物」となってしまうのではないのか、

それがまさに「冗談」でなく、国のトップを勤めるとは・・・。


で、これを誇張して映像化して見せれば、無抵抗の人を大虐殺してしまう「狂人」を

擁護する保安官が登場する「悪魔のいけにえ」のリメイク版の「テキサス・チェーン

ソー」に集約される。


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http://www.youtube.com/watch?v=Mra_Z3cpGCM

「テキサス・チェーンソー」 〇四年公開作


実話を元により過激で、残忍を誇張して大ヒットした「悪魔のいけにえ」をリメイク

したこの映画は、前作にない保安官という「庶民の味方」わ登場させて、絶望的な

状況の被害者を、更に追い込んで「生きるための抵抗」をより際立たせていた。

もっとも定着してしまった「レザー・フェイス」の狂気は、自発的でなくどこか「使わ

れている者」として描いているから、侠気から来る恐怖が薄く、映画を取る側の「正

常」が狂気を映す時、やはり作り物という臭いが立ち込めてしまい、前作の製作者

の自身の狂気が映像には活写されていない。

その代わりただやられる被害者が「生きるための反攻」と、やられてたまるかの反

骨心を全身に漂わせて、それもそれが女性であるのは、世の中の流れの顕著な

現れであろう。

そしてここで登場してくる保安官の「怖さ」は、出演の役者のキャラクターの濃さも

存分に発揮されて、その姿に安心を得たはずの者を、奈落の底に突き落とす「絶

望」を最大限に表現するにはもってこいで、それだけに反撃した主人公の「怨嗟」

の行動は、「死ね!」と叫びながら、何度でも轢き殺す場面にとっぷりと露われて

いて、実際は「犯行の実行犯」より、救いの存在だったと思い込んでいた者の裏切

りの方が、より憎しみの倍加を増幅させてしまう・・・。

オリジナルの「恐怖の衝撃」には及ばないものの、こちらはこちらでほんの少し手を

加えたことで、被害者の心内に憎しみの対象は、加勢してくる「正義の使者」の保安

官にも存分な憎しみが膨れ上がるという新味を加えて、そして風潮の「女は強し」を

出したために「狂気に打ち勝つ勇猛な精神」を見せ付けて、ホラー風味のアクション

とも取れる映画に仕上がっていた。


と、たまたま家族のものが借りてきたこの映画を見ていて、オリジナルとは風味が

違うが、それがまた国会中継と重なりと、「怖いのは安寧をゆだねた筈の者たちの

裏の顔」を見た思いを、いみじくもこの映画と重ねられる「醜悪な政権与党」とみる

ことが出来る日本の不幸を、他愛ない映画から読み取れてしまうのでは・・・。


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Amazon.co.jp                  といったところで、またのお越しを・・・。