不労所得に大打撃な「悪魔の棲む家」「ゴーストハウス」 | 流浪の民の囁き

流浪の民の囁き

映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

アパートの借り手が、その部屋で「自殺」でもしようものなら、発見が早ければまだしも

「死臭」やら「人の噂」の類いで、後の借り手がなかなか付かないという、大家にとって

は「厄介」な存在となってしまう。

だけに「自殺」に関して、以下のような訴訟も沸かぬではないが・・・。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

悲しみの遺族訴訟追い打ち

仙台市に本部を置き、自殺した遺族らで作る「全国自死遺族連絡会」には、家主らから
「過大請求」を受けたなどとして、2006年からの約4年間で212件もの相談が、
遺族らから寄せられている。関西地方に住む女性(45)は、自殺で弟(当時41歳)を失

い、悲しみを癒やす間もなく、現場となった賃貸マンションの所有者から訴えられ、1千

万円近い損害賠償請求の訴状が届いた。憤りや自責の念に今も苦しむ女性夫婦が、

胸の内を吐露した。現場のマンションは大学に近い住宅街にあり、約40室ある部屋は

すべてワンルームタイプ。その1室で弟の遺体が発見されたのは今年3月。警察は、

風呂場で練炭を燃やして自殺し、発見は2週間後とみている。
あわただしく葬儀を終え、部屋で遺品を整理している夫(45)に、管理人が切り出した。
「このままだと何年も人が入らない」。風呂場だけでなく、部屋の全面改装が必要と言

われ、管理人は「入居キャンセルがすでに5件」と告げた。管理人は別の機会にも、

「自殺未遂もあったと聞いた。家族なら防げたんとちゃうの?」。夫は言い返せず、ぼう

ぜんと立ちつくした。翌4月、700万円近い請求書が届いた。女性が入居時の連帯保

証人だったため、損害賠償を要求。
7月には女性夫婦の元に、退去するなどした7部屋分の補償金などを含む計約927

万円の賠償を求める訴状が届いた。
女性が、弟の異変に気がついたのは昨年春。1通の携帯メールが届き、「お金を貸し

てほしいかなと思って。無理やったら無理でいいんだけど」と初めて借金を申し入れて

きた。驚いて「いくらいるの?」と返事をすると「(2か月分で)25万ほど必要」と返信が

来た。弟は03年、勤務先で不向きな職場に配属されて悩み、退職。生活資金が底を

ついたようだった。夫婦でたびたび食事に招いたり、「一緒に暮らそう」と持ちかけたり

したが、弟の気持ちは荒れ出した。昨年7月、八つ当たりめいたメールを最後に連絡

が途絶えた。8か月後、変わり果てた姿の弟を最初に発見した女性は自分を責め、

睡眠薬が手放せなくなった。
「両親は早くに亡くなった。もっと私がしっかりしていれば」。判決は来春の見込みで、
裁判を考えると気が重い。
一方、マンションを管理する不動産会社の男性社長は「交通の便も良い新築人気物件。
元も取ってないのに大損害だ」と憤る。
空き部屋も入居希望者ですぐに埋まっていたが、自殺以来、「縁起が悪い」と避けら

れているという。社長は「霊が出るとか、日本人特有の感覚で、あきれますわ。正直に

告知義務を果たしてばかをみるくらいなら、告知しないほうが良かった」と話した。
不当な請求から遺族を保護する法案作りを進める、群馬司法書士会自死対策事業

実行委の斎藤幸光委員長は、「双方にとって正当な損害賠償の枠組みを作るだけで

なく、賠償請求を持ちかける時期や方法など、遺族への配慮も明文化したい」と話し

ている。(以上)
読売新聞 (今川友美)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyagi/news/20101008-OYT8T01629.htm

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ここでいう「賃貸業」も「不動産屋」の範疇で、昔なら「不労所得」と呼ばれた「労働なき

富」の最もたるもので、現在の「不動産業」と違って、その職業を表立って名乗れぬ恥

かしさがあるなんて、こともあった。

それが今では堂々として、不労所得でも「訴訟」を起こす気概もおありなようで、時間

の流れに変化が起こっているを実感するが、この話分からぬでもないが、そのリスク

も相まって「労働なき富」を得られるものだと思うのだが・・・。

で、自殺でないにしろ、そこで惨劇の起こった「不動産」は、人の噂も七十八日だった

かの時間の経過を経ても、評価額は下落傾向で「売るに売れない物件」となって、その

上、映画の題材にうってつけだから、いろいろと「不幸な家」には、余計に薄気味悪さが

充満して来る。

まぁ、不動産業にしたら災難と諦めるほかなく、それを訴訟といっても噂に輪をかける

だけで・・・。

その「宜しくない噂」の元になりそうな映画として、惨殺のあった「家」をそれと知りなが

らも買い入れて逃げ出すと、買い手が散々な目にあうのが「悪魔の棲む家」である。




流浪の民の囁き


http://www.youtube.com/watch?v=jx2cA989sJg

「悪魔の棲む家」 七十九年公開作

この実際に起こったような原作本を基にして描かれた超常現象と「怨霊」と「悪魔つき」

を合体させたような、というより「エクソシスト」のヒットが、作らせたかのいろいろな「怖い

現象」と「精神崩壊」を旨く組み合わせて、この種の恐怖の古典的作品となったもの。

それだから「エクソシスト」的神父が登場したりして、悪魔祓いに失敗したり、やがては

一家で「逃げ出す」ことで、事なきを得る・・・。

にしても、購入動機は安さのそれなのだろうが、どうにも解せない・・・。



流浪の民の囁き


http://www.youtube.com/watch?v=4xHJOG03eDE&feature=related

「悪魔の棲む家」 〇五年公開作

同じ題名にしたリメイク作は、神父とかの「エクソシスト」的描写を省いて、一家の不幸

と少女の霊感の強さを強調して、古典的手法を駆使して恐怖を盛り上げていた。

展開も速く、見ていて飽きることはないが、流石に使い古された「手法」に新味もなく、良く

出来たB級作品の範疇を出ないものとなる。

ただ主役の一人の「妻役」はこちらの方が、見栄えも良くそして決断力もありと魅惑的な

描き方になっているようである。

もっともこういった惨劇のあった家を買う動機が、少々弱くて・・・。

下の作品の方が、その購買の動機としては、頷けるものとなりそう・・・。



流浪の民の囁き


http://www.youtube.com/watch?v=spzvS7UrTs0

「ゴースト・ハウス」 〇七年公開作

こちらも似通ったお話で、シカゴに住む一家が娘の起こした交通事故をきっかけに

息子が失語症となったり、一念発起して「農業で一旗」とダコタの田舎に住まいを

購入して・・・。

ただここでも、その家には呪われた過去があり、やがてそれらが家族に牙を向き

始める・・・。

主人公は娘で、超常現象を目撃するのだが、それを信じてもらえぬ鬱憤もありと

そして登場する怪しげな男と、サスペンスはここらで展開が読めてきてしまい、後

はどんな映像のスリルがと、そこにしか興味が湧かなくなる。

もっともここでも使いふされた超常現象に、前の持ち主がこの怪しい男で狂気が

再発して、それが娘と両親の和解を促すという、ありきたりのラストへと導いていく

のだが、物語の陳腐さは否めず、スリルを感じることはない。

何より高値で買うの不動産屋を退けて、ここで農業する意義が希薄で、そこに元の

持ち主が現れて、家族が襲われる頃、その当時の自分の狂気を再発させるでは出

来すぎで、特撮で納屋の床が「底なし沼」に変わり果てるのも「はぁ・・・」のため息も

のである。

それでも展開のスムーズさが、ストレスなく見ていられる原因で、上の作品と続けて

見たために、どうにもごっちゃになっても違和感がないのだから・・・。

こういった物件では、流石にこの後買い手も借り手も付かない物件となりそうだが、

こういったリスクと「損害賠償」のそれがどうにも相容れないのは、建てて貸すだけ

の不労所得が、借地・借家法の法律が日本にあるを如実に物語っている・・・。

これにサプ・プライムを付け足せば、どだい「証券化」自体が相当におかしな手法

であったがまる分かりである・・・。

ゴースト・ハウス [DVD]/クリステン・スチュワート,ディラン・マクダーモット,ペネロープ・アン・ミラー
¥3,990
Amazon.co.jp


悪魔の棲む家 [DVD]/ジェームズ・ブローリン,マーゴット・キダー,ロッド・スタイガー
¥995
Amazon.co.jp


悪魔の棲む家 コレクターズ・エディション [DVD]/ライアン・レイノルズ,メリッサ・ジョージ,フィリップ・ベイカー・ホール
¥3,990
amazon.co.jp                  といったところで、またのお越しを・・・。