何かを信じ、裏切らる悲惨「悪魔のような女」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

日本のマスコミの特徴は、自分の考えを代弁させるように「世論調査」と評するものを多用

することである。

そこに理由付けがしやすく、またその数字の信憑性に疑いの目を向けられても、緊急に調

査した結果の分析と、詭弁も差し込む余地を残されていて、とても便利なアイテムとなって

いる。そしてそれを信じるも、信じないも「あなた次第です」のやりっぱなし、さてそれを信じ

たあなたは、どのような行動に移るのか・・・。


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民主党代表選(9月1日告示、14日投開票)で、菅首相が再選を目指し、小沢一郎前幹事

長が出馬を表明したことを受け、読売新聞社は28~29日、電話による緊急全国世論調査

を実施した。
菅氏と小沢氏のどちらが次の代表にふさわしいと思うかを聞いたところ、菅氏と答えた人は

67%、小沢氏は14%だった。
民主支持層に限ってみると、菅氏は77%で、小沢氏17%に大差をつけた。
菅氏がふさわしいと答えた人に、その理由を聞くと、「首相が短期間で代わるのは良くない」

65%が最も多く、「小沢氏と距離を置いている」27%などが続いた。
小沢氏がふさわしい理由では、「指導力がある」40%、「政治経験が豊かだ」29%などの順

に多かった。
小沢氏については、自らの資金管理団体を巡る「政治とカネ」の問題で、説明責任を果たして

いるとは思わない人が91%に達した。この問題の責任を取る形で参院選前の6月に幹事長

を辞任しており、代表選出馬には「納得できない」との答えが81%を占めた。
小沢氏とともに辞任した鳩山前首相が、代表選で小沢氏支持を表明したことを「納得できな

い」という回答は80%だった。
一方、菅内閣が最近の急激な円高や株安に適切に対応しているとは思わない人は82%に

達した。
代表選の争点になるとみられる昨年衆院選の政権公約(マニフェスト)の扱いについては、
状況に応じて「修正すべきだ」79%が、「実現を目指すべきだ」15%を大きく上回った。
財政再建や社会保障制度を維持するために、消費税率の引き上げが「必要だ」は58%(6~

8日実施の前回調査63%)、「そうは思わない」は35%(同32%)となった。
代表選を巡る一連の動きを見て、民主党に対する印象が「悪くなった」は55%、「変わらない」

41%、「良くなった」2%だった。
衆院解散・総選挙については、「急ぐ必要はない」が64%(同67%)で、「できるだけ早く行う」

27%(同28%)より多かった。
菅内閣の支持率は54%(同44%)に上昇し、不支持率35%(同46%)を上回った。
菅氏が代表選を巡り、「脱小沢」を鮮明にしたことが影響したようだ。
政党支持率は民主38%(同29%)、自民21%(同21%)に、みんなの党6%(同8%)などが

続いた。「支持政党なし」の無党派は29%(同30%)だった。

(2010年8月29日22時27分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100829-OYT1T00673.htm

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この調査でも「五百か1千」程度のサンプル集めの分析結果なのだろうと、思われる。

するとその五百何がしが、国民の総意の変形となって来て、パーセンテイジの数字の

抽象ながら確かな数字の魔力が信憑性を裏打ちしてしまって、八割の人間がとやれば、

一億二千万の八割と解釈されて、まさか五百人の八割、四百人の賛同であるを数字で

糊塗出来・・・。

そしてその数字のみが一人歩きすれば、「鵜呑み」をする人も出てくる。

数字の持つ絶対性が、その裏の脆弱性を忘れ去らせてくれる。

そこに思惑を孕んで、疑い深くないあるいは興味の薄い人にとって数字が納得させ、

そんなものかと・・・。しかしてその思惑通りの動きがなければ、大概の人は「騙された」

という幸福な裏切りに合う。そこに実害が及べば、勿論幸福でない不幸な被害者となって

その「騙しのテクニック」に激烈な嫌悪感が生まれる。そしてその方法論に「恐怖」を感じて

「騙される」ことが「怖い現象」となって来る・・・。

それと同じ心持を映画でも体験させてくれるのが、「悪魔のような女」である。



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http://www.youtube.com/watch?v=y-jeKweu8eg

「悪魔のような女」 五十六年公開作


サスペンスの見事な映画は、恐さというものの映像化がとても丁寧に出来ている

ように思う。

この映画も、前半できっちり積み上げた被害女性の「鬱積」を観客に見せ付け、

その主人公の二人の女の色分けを「善悪」にしてしまって、善女のいたいけさと

悪女のその態度に「言い知れぬ義憤」を感じ始める。

そしてサスペンスの巧みさは、プールの水抜きからモノクロの良さを存分に味合わ

せて、そして善良な人の良心の「痛み」が、死体のないことでパニックへと追い込ん

で、見ている人も「一体全体どうした、死体はどうした」と善女と同一思考であるから、

それからの展開には「完全な恐怖」としての「騙し」を体感してしまう。

そして「因果応報」がここでも起こり、騙した人も縛に、そして舞台の学校でのひねくれ

生徒の一言が、迷宮の広がりを観客に叩き込んで、余韻と「騙された」そのものの記

憶を完全なものとして、劇場から出させる・・・。

と、ヒッチコックと並び評されるものは、恐さの質を高めてくれる。

まぁ、悪女のパワフルさも一因だとは思うが、横暴な旦那、他に役者いなかったの?。

の疑問も同時に浮かんでくる。



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http://www.youtube.com/watch?v=5lOxUJ_SIcM&feature=related


「悪魔のような女」 九十六年公開作


こちら「リメイク版」のやつだが、どうにも「悪女」の質がどうしても「はすっ葉」的で、

進行が同じだけに、見比べてしまうと見劣りしてしまった。

ただ、善女役の「アジャーニ」なのだが、メイクが地味目にしているせいか、その

性格の暗さにあっているのに、時折感情を表に出すシーンとか、後は真相を知った後

の「暴行」シーンでは、熟女の色香が肩から胸へのラインに出て、はっとさせられる。

ただそれだけで、前作の雰囲気は見事に壊してくれて、単に大物女優三人・・・。

あのおばさん、こんなのに出なきゃいいのに・・・。


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悪女役のシャロン・ストーンより強烈な印象があり、画像を探したが、

何ともな物ばかり・・・。

流浪の民の囁き


文句言ってもしょうがないので、二点ばかり貼り付け。

そうそう旦那役、最後はホラー並みの怪物に変身って、おいおい・・・。

やっぱ「リメイクはリメイク」、ただアジャーニの倒れこむカメラショットは

見事に緊迫感の中の色香を映し出していた・・・。


って、「騙された恐怖」が、襲われる女の恐怖が色っぽいと、「変態」じみてきた

ので、ここら辺で・・・。


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Amazon.co.jp                   といったところで、またのお越しを・・・。