逃げることより勝負への拘り「勝利への脱出」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

今回のワールドカップの放送中継では、運不運かはたまた予想に反して「日本」

の快進撃を予測していなかった落ち度が、テレビ局の視聴率の明暗を別けてしま

った様で、そのテレビ局の普段の姿勢からも「ご愁傷様」法則発動では致し方ない

と、諦めねば・・・。

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フジテレビの豊田皓社長(64)は25日、会見し、日本戦を回避した同局の
W杯中継の選択の仕方について「あの時点でタイムテーブルを見回して、
チョイスした結果。ある意味、賢明な選択だったと思う」。
ドル箱決戦を逃したが「(担当者など)誰も処分するようなことはない」と話した。
フジテレビでは25日にブラジル―ポルトガル戦の好カードを放送。豊田社長
は「サッカーファンの目が肥えてきているので、レベルの高い試合は見ていた
だけると思う。世界的な大スターが出る試合に期待したい」と語った。


http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20100626-OHT1T00049.htm


「鬼平犯科帳スペシャル・高萩の捨五郎」(フジテレビ)2010年6月18日21時~と、
1995年映画版「鬼平犯科帳」(フジテレビ)2010年6月19日21時~

ははあ、フジテレビは考えたな。18日はNHKで、19日はテレビ朝日で、いずれも大人

気のW杯サッカー大会中継があるので視聴率では最初からバンザイ。かといって、

いじけた負け犬みたいに2流のバラエティでお茶を濁すのも沽券にかかわる。ならば、

品質では誰にも負けない優良ソフトの「鬼平」で勝負しようじゃないか。
サッカーなんか、脳味噌カラッポで体育会系のタダの球蹴りだと白い目で見ている

老人たちを取り込め。彼らが愛しているのは相撲か時代劇じゃ。そうだ「鬼平」じゃ。

と思ったかどうかは知らない。
鬼平作品の優れている点を羅列する。火付盗賊改方・鬼平こと長谷川平蔵役に中

村吉右衛門を得たこと。
これは原作者・池波正太郎のたっての望みであったから、彼の中での平蔵のイメ

ージ通りだったのだろう。
単なる勧善懲悪ではない人間の機微が書き込まれていること。水面に浮かんだ渡

し舟のショットなど、ため息が出るほど美しい映像が見事であること。闇の大悪人

に華麗な大スター(津川雅彦、藤田まこと、岩下志麻ら)をいつも配すること。
筆者がこれらより更に上に位置させるのは、エンディング曲の素晴らしさである。

ジプシー・キングスの「インスピレイション」は、時代劇に一見ミスマッチなラテン曲

を配して、これが圧倒的な効果を生む。
プロデューサーの慧眼だ。65歳も越えた吉右衛門が、いつまで火付け盗賊改め

役人のボスを演じて不自然でないか心許ないが、今の役者はみんな実年齢より

若いから、当分楽しめそうだ。(黄蘭)
その手できたか!「鬼平」でW杯に一矢報いたフジの沽券 : J-CASTテレビウォッチ


http://www.j-cast.com/tv/2010/06/28069411.html

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この放送局の「負け惜しみ」に対しては、あのフィギャア・スケートの件もあり、「ざまぁ

見ろ」という人が、多く同情する人は皆無であろうと思う・・・。

サッカー映画というものも多い、「少林サッカー」に「ゴール」とか、そんな中に「戦争

中」の捕虜との対戦という平和的戦いをテーマにしたのが、「勝利への脱出」という、

「大脱走」の不屈の魂とスポーツの精神性を掛け合わせたような映画である。





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http://www.youtube.com/watch?v=wbALYBSFlXY

「勝利への脱出」 八十一年公開作


ナチス・ドイツの占領下のフランス・バリにおいて、酔狂なドイツ将校の一言で

「捕虜」対「ドイツ・ナショナル」チームの「サッカー大会」を開催・・・。

ドイツ軍捕虜のイギリス始めの連合国軍の精鋭集めて、戦下の国際マッチと

相成る・・・。

捕虜にすれば、好機到来と「脱出用のトンネル掘削」と下準備を整え、いざ試

合へと臨む。

とまぁ、捕虜収容所の「自由の不屈の魂」と「スポーツの勝敗に対する拘り」の

「諦めない」姿勢の男達という映像だから、物語はたるみもなく進んでいくし、

何より「対戦」という勝敗ごとのやり取りもアリと、見ているものも飽きることもない

そして何よりな、脱出計画のハーフタイムよりは、サッカーの勝敗にこだわって、

後半も勝負事に懸命になり、フランスの国歌を観衆は口ずさみと、国家発揚気味

の味わいもアリと、エンターティメントにも愛国的精神は不可欠を挟み込んで、捕

らえられている人々の「祖国」の思いも加味させて、サッカーの大会がいつしか、

壮大な国対国に、そして戦争の中でも、平和的勝敗にこだわる人間は、逃げる

ことよりそこでの勝利にまい進してしまうと、スポーツの持つ健全な闘争本能を

描けば、それなりの感銘を与える。

中でも「ペレ」のオーバーヘッドとかを見れれば、サッカーファンでなくとも、スポー

ツの平和的闘争本能は、すがすがしく思える・・・。

何より勝利の感動に、観客がなだれ込み、それにまぎれて連合軍の選手は「脱出」

と相成るのは、何よりな終わり方・・・、有り得ねえけど・・・。


で、今夜は勿論、パラグアイ戦であり、こんな映画を試合開始まで思い出すのも

良いと思って・・・。

さて、「日本」は勝てるだろうか・・・。楽しみである・・・。


勝利への脱出 [DVD]/シルベスター・スタローン,マイケル・ケイン,マックス・フォン・シドー
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Amazon.co.jp                   といったところで、またのお越しを・・・。