敗戦からの復興は目覚しくどんどん庶民の生活も豊かになり、それと共に精神の荒廃が
進んで行き、今では国を代表する者までもが「恥知らずな鉄面皮」となってでは、如何せん
草葉の陰で嘆いている人も多々あるのでは・・・。
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鳩山首相元秘書に禁固2年求刑 判決は4月22日
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E0EBE2E1838DE0EBE2E1E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;at=ALL
鳩山由紀夫首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」の偽装献金事件で、
政治資金規正法違反(虚偽記入など)罪に問われた元公設第1秘書、
勝場啓二被告(59)の29日の東京地裁での初公判で、検察側は禁固2年を求刑した。
公判は即日結審し、判決は4月22日に言い渡される。
勝場元秘書はこの日、起訴内容を全面的に認めており、判決での焦点は、
元秘書に有利な情状がどの程度酌まれるかという量刑に絞られた。
検察側の冒頭陳述によると、勝場元秘書は首相個人や同懇話会の会計・経理を担当。
2002年ごろ、資金繰りに困って鳩山家の「側近」とされる財団法人役員に相談した結果、
首相の母親から毎月1500万円の資金援助を受けるようになったという。
首相の個人資金や母親からの資金を同懇話会の活動に充当する一方、収支報告書上は
個人献金や政治資金パーティー収入のように偽装。過去に懇話会に寄付した人や手元の
名簿から名前を無断使用するなどしていたとされる。
起訴状によると、勝場元秘書は04~08年、実際は約1億100万円だった個人献金を
約3億800万円、約9500万円だったパーティー収入を約2億 4800万円と収支報告書に記入。
関連政治団体「北海道友愛政経懇話会」の05~08年分の収支報告書でも、計4200万円分の
虚偽記入・不記載をしたとされる。
同事件では、同懇話会の元会計責任者である元政策秘書(55)が、
政治資金規正法違反(重大な過失)罪で略式起訴。東京簡裁から罰金30万円、
公民権停止3年の略式命令を受けた。
一方、同法違反容疑で告発された鳩山首相は嫌疑不十分で、不起訴処分とされた。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100327-OYT1T00793.htm
首相、夫人と千葉県鴨川市のリゾートホテルにプライベート旅行
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この政治献金偽装問題も秘書は誰のためにそれを行わなければならなかったのか。
そして当のご本人は「私の存在がなければ、秘書は犯罪を犯すこともなく云々」とか抜かし
てリゾートではべるでは、口あんぐりでこれが我が首相かを誰もが思う・・・。
ただ考えて見ると、人の痛みを自分のものさしで図れる人物となれば、人間が経験則に
のっとった体験型学習脳を捉えれば、こんな恥知らずもむべからく「温室育ち」の世間知ら
ずであるで、切って捨てることも出来てしまう。もっともそれが国民の不幸なのだが・・・。
そんなものを選んだのも国民である・・・。
で、偏った見方であらぬ方向に目をやれば、そこには「搾取」やら「悲惨な現実」があり、
それへの憤りを、自分の背景のみで語ってしまうという「温室育ち」な者達は、自分に正義と
ばかりに、それらに断罪を下そうとする。
そのような告発形映画というのも存在し、日本におけるイルカ漁が「野蛮である」とするトン
デモ映画もあったが、以下のような映画もその偏った思考法、より言えば「先進国に育った
者の驕り」が、差別的なものの見方で、それらを捉えれば「そこには発展途上の礎」の者達
の気概を落としてしまい勝ちで、宗教的偏見は、こんなところにも表れるとつくづく思う。
http://www.youtube.com/watch?v=roy7CUk26uo
「女工哀歌」 〇五年公開作
縫製工場への出稼ぎの少女を通した中国の労働環境の厳しさと、その環境から
生み出される製品による価格差が「搾取」と映る者達が、丹念に追ったドキュメン
タリー的映画である。
労働環境は著しく悪く、長時間労働・低賃金・・・。
と、発展を遂げそれなりの賃金が、たいした仕事でなくとも貰える環境育てば、
とても賃金と労働が釣り合わないとなって、価格的経済享受の裏でこんな現実も
あると、撮っている人達は思惑を隠しながら、実際に働いている現場を映像に収め、
映像の最後に、作られたジーンズがいくらで、それを作った人の賃金がいくらでと
なんとも説教臭く締めているのだが、ここらにとても撮影者や映画を撮る意図に対
して憤りを覚える。
しかし映像に映った少女は、屈託がなく何より「向上心」が見え隠れすれば、目標を
失いいや、生きる目的が分からぬ先進国の同年代の心の荒廃からすると、さて劣悪
でも懸命にその日を生き、家族に会えるのが最大の楽しみとするこの少女の方が、
生き生きして見えてしまい、ついぞその少女の心の美しさにほろりとしてしまった。
田舎の風景は、日本でもあった心の故郷みたいな牧歌的雰囲気、そしてそこにある
笑顔には、都会の片隅で「金銭で掴む快楽」とは違う、なんともいえぬ貧しい中にある
充実した時間、家族の温まる団欒が・・・。
豊かになって失ったものが何であるか、それらの答えが「搾取」される側の少女の元
にある・・・、中共中国へと変貌した元でも「昔ながらの生活が息づく村」には、発展を
遂げる中国の一方の貧しさの中の幸せが詰まっている場所を認識させ、結果的に
経済の歪みの原因が、人間の生活の中の豊かさを金銭に換えた結果が、殺伐とした
都会を生み出すのかもしれないと、都会生活の否定が浮かんできてしまった。
生み落ちた時の環境で、人間も豊かさとは何かを取り違えると、この映画を撮った人
達と同じ目線で、他者を見つめることの危険性が潜んでいる。
歴史的なものに言及すれば、先進国といわれる欧米の植民地政策の「搾取」とは事を
異にしているものも、現代の尺度で見てしまえば、搾取するものと搾取されるものと
二手に分かれるになるのだが、労働の先にある、いみじくもこの少女が思いつくのか
撮影者のヤラセか分からぬが、ポケットに忍ばせた手紙とは別に、「経営者になりたい」
の向上心に、国の礎はこんな国民の多さが支えているとみる。
そしてそれはまるで鎖国から維新を通じて「欧米並み」を目標にした「富国強兵」の我が
国のトレースを感じ、この少女みたいな女性が多く輩出されれば、発展に滞りはない。
と、思えてしまう・・・。というか、日本の明治・大正における機織・糸つむぎに精を出した
飛騨の寒村から岡谷の「紡績工場」に働きに出る少女を描いた映画を、思い出してしまう。
http://www.youtube.com/watch?v=A8lpv5PBW8Y
「ああ野麦峠」 七十九年公開作
中国の農村から都会に出てくる少女と、重ね合わせることが出来る飛騨の寒村から
峠を越えてやってくる少女の一団、その境目の峠が「野麦峠」であるこの作品も、
社会派といわれる監督が、原作を左翼的思考で描けば、搾取されるものと搾取する
者になって来て、搾取される少女として厳しい労働環境と不自由な暮らしぶりとして
描いて、国の礎として「外貨獲得」にシルクの果たした役割の裏には、こうした女工の
悲哀があった・・・。
貧しさゆえの「峠越え」と捉えて、悲劇的な描き方の裏に潜む思惑が、げんなりさせて
しまうがここで働く少女達のバイタリティーには、演技とはいえ良く描いていて圧倒させ
られる。
主演は「大竹しのぶ」で、演技の確かさが最後には観客の涙を誘う。
けなげという美徳の裏には、搾取されるものと言う「資本主義」のゆがみがあると、
丹念な映像に刷り込めば、時代背景を無視して憤りも覚える。
しかし中国の少女もそうだが、そこには生きている人間の喜怒哀楽が生き生きとして
息づき、「死んでやる」という自暴自棄に落ち込む暇もない「忙しさ」が、少女を成長させて
いく。
もっとも中国と違う点は、この女工達の賃金は、当時家一軒が建てられるという高給であ
ったというもので、実家にすれば物凄い高給取りとなっている。
だからこぞって峠を越えていた・・・。
それを七十年代の「捻くれ左翼的審美眼」は、搾取は酷く、賃金は安くなければならない
そして人間的営みはなかったとしなければ満足せず、これでもかと少女につらく当たる。
この地図の行程を徒歩で走破するのだから、そこは重々しく辛い道中として、便利にな
ってしまった時代を尺度で測れば、とてつもなく「辛い」という思いが、その時代に生きて
いない現代的思考法で理解してしまうから・・・、これも案外、走破した当人達は思いの他
苦にしなかったかも・・・、それは中国の少女の田舎道の歩みでも、生き生きして見える
その仕草からも伺える。
自分達の生活環境との違いが斟酌する尺度となり、そして宗教的排他性を発揮すれば、
自分達とのあまりの違いに、自分達の範疇に引き込もうと「自分達の正義感」の押し付けも
厭わない。これは共産主義でも社会主義でも、遺憾なく発揮され、やがては豊かさを手にし
た者達だけが、他者を切って捨てることができる思い上がりへと昇華して行く・・・。
と、まぁ、他人への「おせっかい」に自分の善行を重ねれば、従わないもの共は「異端者」
扱い、どこぞの「思い上がり政権」とも良く似た個人の自由への束縛と介入と似てくる。
偏狭な思考法は、かの国の得意技だが、それを見習っている中共中国はそれよりしたたか
でそれを利用しているに過ぎず、映画の中の中国老人の思考法に至っては、日本の田舎と
まるで変わらない・・・。
そこで育てれた少女が一億三千万人出稼ぎに都会に出るのだ、経済発展の礎は確か。
生き方を彷徨う日本と、搾取が云々といいながらも、上をみめる人の違いは経済へと
跳ね返る・・・。中国、恐るべしはこういったところからも認識される・・・。
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といったところで、またのお越しを・・・。