差別と偏見との戦い「マンディンゴ」「ドラム」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

あの「毒餃子事件」の犯人が逮捕されたらしいというので、日本のマスコミもそれについて

の報道をしているのだが、視点がずっこけていて、被害にあった日本人をさておいて、何を

かいわんやの論理展開で、さて被害にあった人が「安価な価格」やら「安易な人件費」に

引かれているのにも問題あり・・・、って、被害と賠償に怯えて二年間もうやむやにしてきた

問題が、いつの間にか「こういった展開」になるその頭にあるのは、マスコミというジャーナ

リズムか、はたまた「宣伝広告主」に雇われる売文屋か・・・。

 

 

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★ギョーザ事件―影落とす成長のゆがみ
(前略)とても一件落着と納得できるものではない。
拘束されたのは、ギョーザ製造元の「天洋食品」で臨時工員をしていた男性だ。中国
国営新華社通信によれば、給与と他の社員に対して不満があり、報復するため、毒物を
ギョーザに混入したという。
日中関係のなかで、日本側が東シナ海の開発問題と並ぶほどに重視してきたギョーザ
事件の捜査の節目にしては、ずいぶん簡単な報道ぶりだ。共産党中央機関紙の人民日報
は容疑者拘束の記事を掲載しなかった。
中国側が報道を抑制的にしているのは、外交問題にかかわるからだけでなく、事件そ
のものに社会のゆがみが色濃く反映しているからだろう。
中国では、低賃金で長時間労働させる企業に対して、農民など出稼ぎ労働者が怒りや
不満を直接ぶちまける例が後を絶たない。不当な扱いを法的に受け止める制度が整って
いないからだ。
天洋食品でも、多くの臨時工員が頻繁な賃金カットやリストラで不満をためていた。
ストライキも起きていた。
中国側は捜査内容を詳細に発表することが、暗部の公表につながり、社会の安定を損
ねると思っているのではないだろうか。しかし、ゆがみをただすには、都合の悪い、み
っともないことに向き合わなければなるまい。
(中略)
過酷な条件で労働者を使い、安価な商品を輸出して成長する。こんな中国の成長パタ
ーンは当然ひずみをはらむ。にもかかわらず、日本側は低価格に目を奪われ、安易に中
国食品を輸入してきたのではないか。また、食品の安全確保を中国側まかせにしすぎて
いなかったか。作り手の実情を見ないまま消費する危うさを、ギョーザ事件は教訓とし
て残した。
事件を受けて、日中間では閣僚級の枠組みとして「日中食品安全推進イニシアチブ」
に合意している。それを当局者が推進するのは当然だが、支えになるのは生産や販売、
消費にかかわる人々の相互信頼関係だ。

■ソース(朝日新聞)(略部分はソースで)
http://www.asahi.com/paper/editorial20100328.html#Edit2
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この報道機関は、とにかく日本にとっては正論を捻じ曲げるのが大好きで、利用出来ると

なれば、なんでもこれまで利用してきた。

その一つに、アメリカ南部の「黒人差別」がある。

その黒人に同情しているわけでなく、それを引き合いにして「朝鮮人擁護」の諸々のものを

展開してと、「利用としての黒人差別」を謡った。

それと同じように、ベトナムの泥沼から喪失すると、沸きあがってきた差別問題をセンセー

ショナルな形で取り上げたのが、こんな黒人の犠牲の映画である。

 

 


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http://www.youtube.com/watch?v=YfJSp6fzS2Q&feature=related

 

 

 

「マンディンゴ」 七十六年公開作

 

 

奴隷としてアフリカから送られてきた黒人が売買の末、連れて行かれた農場

 

 

は綿花などの荘園でありながら、奴隷売買も手がける「繁殖」事業という奴隷

市場も経営し、後は息子に嫁を娶らせ代を引き継ぐ初老の男に支配された

当時の典型的なアメリカ南部の農園一家・・・。

そして「マンディンゴ」という部族の男のミードを見初めて連れ帰り、そのあたり

から歯車が狂い始める。

奴隷黒人女に恋をしてしまう息子と、嫁に来たのに冷遇されてしまう白人女の

嫉妬と破廉恥な、いや性格の歪みがミードへと向かい、今で言うダブル不倫を

華々しくおっぴろげ、と、一家の中は修羅場と化して「サデステッイク」に黒人奴

隷女を苛め抜く嫁さんとか、刺激的な黒人男との絡みをと題材からの効果的演

出はえげつなくなり、嫁の不倫を知れば、その責任を奴隷黒人へ転嫁して、釜茹

でという残酷な形をこれまた披露すれば、許容限度が沸点となり、暴動へと突き

進むのは正義に反しない正当な行為となって、ナレーションは「二十年後、南北

戦争ののち奴隷解放」へと繋がった歴史の一ページと相成る。

もっともこの癇癪持ちの白人女を演じるのがスーザン・ジョージで、そのアヒル口

の風体から「あばずれ女」は適役なのだが、清純な処女をイメージは出来ずに、

自分が処女でなかったからというその理由だけで阻害され始める女性というイメ

ージからすれば、少しずれている配役かなとは思う。

で、このミードという黒人役はケン・ノートンというボクサーが演じているのだが、

この選手はとても珍しい肩書きを持っている。

世界唯一の戦わずして「世界チャンピオン」になった男・・・。

映画自体は黒人奴隷の賛美とか出なく、没落しかかった移民である白人の驕り

とか、精神性の破綻とか、そして迫害からの決別に奴隷が立ち上がるとか、歴史的

史実をなぞり、そこに映像でしか訴えられない「グロ」さを加味して、当時としては

シッキングなものに仕上がっていて、以後「雨後のたけのこの様に、関連の映画や

ドラマが作られていくことになる・・・。

その中ではテレビ・ドラマとして大人気となった「ルーツ」がある。

 


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http://www.youtube.com/watch?v=8Ps9A6SqPSw

 

 

「ドラム」 七十七年公開作

 

 

同じ原作・脚本での続偏ぽいつくりのこちらは、より観客に低俗化を促す

 

 

刺激的作り方となって、やたらと「あの場面」を多く挿入して、白人嫌悪と

黒人賛歌に傾いたものとなってしまっている。

恥ずべきアメリカの事実に、追い討ちを掛けるかのような作品である。

主演は上のケン・ノートンであり、こちらは黒人視点でストーリー展開していく

もので、前作の白人女のみだらさがより激しくなり、それに比例して黒人男の

規律正しさが描かれ、傍目にも「差別意識」の凄さが滲んでいる。

で、当時の風潮を旨く日本に取り入れた人物が、「アメリカ合州国」なる御本を

出版するのだが、アメリカ南部における「黒人差別」について筆舌に語りがたしと

ばかりに見てきたかのように書き記しているが、その相当部分が「風聞」によるも

のというオチになるのだが、この映画二本の原作本が七十年出版となれば、おの

ずと「ルーツ」は知れたものとなりそう・・・。

情報機器の遅れていた時代は、現代と違って「捻じ曲げられる史実」にも信憑性が

合ったを物語る・・・。

「差別意識」を感じる人は、被害者意識は健在だが、その反対の「差別する」には

無頓着という、一見「弱いものの味方」が公正・公平を貫けない「差別主義者」で

あったと、笑えない事実が存在している。

「アメリカ合州国」の御本の著者も、なんだか芸名と本名が存在するらしく、今では

「そういうことか」に落ち着く、あおり専門業者であった・・・。

七十年代はそういった政治的思惑も、映画に本に見え隠れする「偏向・情報操作」の

入り乱れた時代であったのかも・・・。

そこに商業的思惑が結びつくと、事実を誇張して広げるのは容易いものである。

で、この主役がプロボクサーであり、一度はヘビー級世界チャンピオンとなる男。

ただ時代的には、モハメド・アリ、ジョージ・ファマン等、強豪がひしめく時代には

分が悪かったのも・・・。



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http://www.youtube.com/watch?v=54DwTyTVSvk

「七十三年 北米チャンピオンシップ」

 

 

それでもこの北米戦は、アリのあごを砕くという華々しい活躍で一度は

 

 

アリに勝っている・・・。

 

 


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http://www.youtube.com/watch?v=kKHgq9L0Rz0&feature=related

 

 

「七十六年 世界タイトルマッチ」

 

 

ヤンキースタジアムで行われた世界タイトルマッチ。

 

 

これがノートンにとっては、最大の舞台ではなかったか・・・。

 

 

 

 

 

 

 

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                         といったところで、またのお越しを・・・。