クレヨンしんちゃん  アッパレ戦国大合戦 | 流浪の民の囁き

流浪の民の囁き

映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

原作者が失踪という報道で、これまで見ることもなかった「子供向けアニメ」
たまたま時間があったので、見てみた・・・。

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この「しんちゃん」がタイムスリップして戦国の世にという、どこかにあったかの
物語なのだが、これが見ていくうちに、時代考証もまた庶民生活とかの写実も見事
その上、キャラクターを生き生き・・・。
もともとは狂言回しの猿として、このおませな幼稚園児を使っていろいろな事象を
笑い飛ばすといった手法なのだが、劇場版のこれは飾り付け程度にそっとしておいて
濃密な人間関係を、つたない絵に込めた名作と言っていい作品だ。
その余韻を引きずる時間帯に入ってきたニュースは、それだけに余計衝撃的だった。

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「しんちゃん」の臼井さんか、がけ下に遺体
9月19日19時47分配信 読売新聞

19日午前10時25分頃、群馬県下仁田町南野牧の荒船山(1423メートル)の
がけで人が倒れていると、登山者の男性(58)から119番があった。
下仁田署員ら約50人が現場に向かい、午後3時半頃、がけの200~300メート
ル下に男性とみられる遺体を発見した。急峻(きゅうしゅん)で収容が難しく、日没で
打ち切った。同署などは20日朝に遺体を引き上げて身元を確認する。
人気アニメ「クレヨンしんちゃん」の作者・臼井儀人(よしと)(本名・臼井義人)さ
ん(51)が、「荒船山に行く」と家族に言って埼玉県春日部市の自宅を11日に出た
まま行方不明になっており、同署は臼井さんの可能性があるとみている。遺体の状況か
ら、滑落したとみられる。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090919-00000827-yom-soci

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作者が作り出すキャラクターの性格は、大概作者自身の心の投影といったところが、大方
あたりなもの。それだけにキャラクターの性格について多くの人々に愛される登場人物は
普遍的な人間像と描かれるものだ。
それだけに愛すべき「おませな幼稚園児」に、多くの人が下品であっても人間性に魅せられ
る結果となって・・・。


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「クレヨンしんちゃん アッパレ戦国大合戦」 〇二年公開作

身分違いの「忍ぶ恋」がメインとなって、野原一家以上に登場人物に魅力的な性格を与え、
子供向けという範疇を踏み外していても、そり根底にある「日本的普遍的心情」を良く映像
にしたためて、黒澤映画のアニメ版的含みのある作品となっている。
それだけに見る人が見ると実写化して見たいとなったのであろう。


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これまで議場版もテレビ放映ものも、ほとんど見ていない者にとって、巷間言われている
「子供に見せたくない下品なアニメ作品」という認識がひっくり返った。
「トラエモン」でもそうだが、製作者は大人である。
その人たちの仕事の成果が、子供以外に受け入れられるのは、してやったりな面があるだろう。
作品の主張が「つたない絵」から伝わってくる・・・。
いやこういった絵だからこそ、余計にそう見えるのかも・・・。
よーつべには動画がなかったのだが、ファンはアニメから受けた印象とか、より学ぶ点とか
を編集して投稿されていた。
その中のひとつに、「野原家の名言集」というのがあった。





こういった言葉だけでも、ほんわか温かい気持ちにさせてくれる。
アニメからの影響も、活字や演説以上の力の源泉を見ているようだ。
そして画像のひとつを見ただけで、その映画の全体を思い起こさせくれる。
そのインパクトは、無力なマスコミ記事など到底及ばないものだろう。


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男同士のさわやかなふれあい・・・。
するといつもは下品で生意気なキャラクターも、りりしく男の子なんだと
納得させてくれる。


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ちょっとした情景の一場面でも、その人の苦悩やら理不尽な思いらが想起され、
より作品に入り込んでいける・・・。
と、たかがアニメと、民主党は「人を小ばかにしたようにアニメの殿堂」とか評して
政策取りやめを決めたらしいが、「バニマキ」してパチンコで浪費されるよりは、
こういった作品群保護のため、国がバックアップする方が、より「国民の生活が第一」
の標語に合致すると思う・・・。
創り出す能力は、簡単に生み出されわけでなく相当な神経戦を強いられるものだ。
のほほと「口からでまかせ」を言ってる人たちに、理解は出来ないだろうが・・・。

この作品の作者も、自分の感情との葛藤を抱えて・・・。
にしてもこのアニメ映画は、後世に残っていく・・・。残すべき作品では・・・。
そう、そんな作品を集めた国家施設があっても、国民が批判することはない。
何しろ母子家庭でもアニメは見るだろうし、その金を「こっちによこせ」とは
言わないだろう。情操教育になるアニメという範疇にも入りそう・・・。
そういった庶民の文化を「国が守る」のも一考ではある。


映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦

¥3,591
                  といったところで、またのお越しを・・・。