昨日の「グローリー」の指揮官役マシュー・ブロデリック、どっかで見た顔だなぁと思いながら
はたと思い当たったのが、「オタク」高校生といっていいコンピューターゲームにあるいは、ハッキ
ングに血道を上げる少年役の男だと思い出した。
そしてそういえばともう一本、「ブルースが聞こえる」の皮肉屋だとも・・・。
http://jp.youtube.com/watch?v=5s9ozTvslv8
「ウォーゲーム」 八十四年公開作
コンピューター操作に優れた高校生が、そのスキルの高さで最高機密である
マザー・コンピューターにアクセスして、人工知能とゲームを始めてしまう。
という、ゲーム感覚の面白さとその人工知能が軍の最高機密であるという、
この当時としては、有り得るかもと思える緊迫感と、少年のゲーム感覚との
ギャップに振り回される大人達と、映像はスピード良く進み、はらはらしながら
見ていたのを思い出す。
何しろイントロでの、核指令に対しての兵士の躊躇いがあり、それが七割を超え
て指令を拒否するという現実的な問題点からスタートしているから、こののほほ
んとした高校生と軍との対比が見もので、そこに冷戦時代のソ連が絡み、人工
知能とのゲームでの「勝敗なし」をコンピューターに理解させ、事なきを得るという
ラストまで、一気に魅せてくれた・・・。
核ミサイルの恐怖は、「博士の異常な愛情」での狂気の上官とかの精神のブレが
思わぬ方向へ行く危険性と、ここでの人工知能の「命令に絶対」の機械的反応と
過重が保たれない状況にいたった時、思わぬ形でそれが発射され、意図せず不
毛な戦いに雪崩れ込む恐ろしさを、高校生が主役をすることで軽いタッチで描いて
いるのは見事である。
ただ「グローリー」を見て、「あれ、どこかで・・・」と思い出すくらいだから、主演の
ブロデリックに個性はなかったのだろう・・・。
http://jp.youtube.com/watch?v=2c6fyBlpcSk
「ブルースが聞こえる」 八十九年公開作
こちらも端正な顔立ちでニール・サイモンの自伝的小説の主人公を演じている
のだが、ここではクリスファー・ウォーケンに食われてしまって、一切思い出さなかっ
た。影が薄いというか「いい男」なのだが、それが強烈な個性を消してしまって、
このノスタルジックな物語では、その語り部で終っている。
もつとも物語りも、高校を卒業してすぐさま兵役召集を掛けられる終戦間近の四十五
年の頃で、新人訓練の場での日常だから、それ程劇的な出来事もなく、そんな中で
教官役の軍曹のシゴキと、大人への経験とか、青春の一ページを振り返ると、若さゆ
えの苦悩とか、ただニールの性格が観察にあったを物語る日記というアイテムでの
進行と、盛り上がりは今一で、キャラクター的に新兵達はさっさ忘れ、軍曹の偏った
それでいてそこに自己嫌悪をきたす役柄は強烈な印象として残った。
と、ここでもブロデリックでなくともってな印象なのが・・・。
俳優にも整いすぎて印象薄いってな人はいるものだ。
もっとも映画の印象が強烈だと、覚えているものだが・・・。
ブロデリックのファンには申し訳ないが・・・。
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- Amazon.co.jp といったところで、またのお越しを・・・。