「テンタクルズ」を書いていると、どうしてもパクリの源として映画プロデュサーの存在を無視する
わけにはいんない。
監督が評価を受ける映画だが、そこにはその映画に対して金を出す人がいないと映画制作も
成り立たない。そこで発言力も強く、監督もそれに従わざる得ない場合も多々ある。
で、「ジョーズ」のヒットから「テンタクルズ」なら、それ以前に味をしめているから・・・。
それがホラーの金字塔「エクソシスト」と「ローズマリーの赤ちゃん」をちょろょろ頂いた「デアボリカ」
というイタリア映画である。
http://jp.youtube.com/watch?v=fUdykjmn5e8&feature=related
「デアボリカ」 七十四年公開作
悪魔が乗り移った身ごもった母親が、悪霊払いとの対決から、最終的には子供を生むまで
を描いたものだが、そこはイタリアン・ホラーの真骨頂、グロテスクでナンセンスなものをお
構いなし展開させる。
だから元の映画を見ている人にとっては、汚い・醜悪と映る。
何しろ悪魔に乗り移られた母親は、当然の如くに緑の嘔吐物を吐き出すが、それを食べると
か、折角「見えない恐怖」を演出した「子供誕生」なのに、こちらはばっちりとどんな子供かを
映像にしてしまう。
もうここらでは、折角の先人達の苦労をぶち壊してでも、興行が当たりゃいいの興行師として
のプロデュサーの存在抜きには語れない映画となってくる。
にしても、先人の映画を参考にすれば、よりおぞましいものは出来上がるし、また敬意を払え
ば「荒野の用心棒」みたいに、オリジナルよりも設定が引き締まり一代ブームを巻き起こす事
だって可能・・・、(今テレビ東京で昼間やっているので・・・、とはいえ全編を見るでなく三時休み
の数分なのだか、それでも雰囲気はすぐに甦るし、メロディーが耳に残る)等、考え方次第では
それなりに名を上げるだろうに・・・、もっとも当たらぬかも知れないと考えれば、冒険をすること
なくより下品につくりさえすれば一定のファンはつく・・・、だからこそ恐怖がホラーと呼ばれ、後
にはスプラッターと変遷していった映画の表現、サイコよりは「ゾンビ」の怖さ・・・。
だから、この作品も貶すのは簡単だが、元を知らない人でドロドロに違和感を抱かない人にとっ
ては大変面白いものとなる。映画も娯楽であり、娯楽に垣根はないし、「自分が好きなら」を批判
は出来ない。もっともパクリはパクリで、「良くやるよ」と笑いながら容認出来れば、これはこれで
今の世知辛い世の中では、以前の日本人の「余裕」を感じられる・・・。
http://jp.youtube.com/watch?v=UDOMIO8OGJc&feature=related
「ショック」 七十七年公開作
上の作品が「エクソシスト」「ローズマリーの赤ちゃん」のバクリなら、こちらは「オーメン」や
「サスペリア」のバクリかと思える作品なのだが、イタリア・ホラーの名の知れた監督の遺作
となったものである。
もっとも脚本を書いたのが自分の倅となれば、年を取った親となればそれを着実に映像化
してやろう・・・。といった親心もありそうだ。
それでも映像の中には、やはりとキラリ光る演出の部分はある。
そこらは物語の流れではなく、映像のマジックでより効果的演出・・・。
ただ、物語が父親の怨霊が子供に乗り移っては、いささか無茶では・・・。
原題が続編となる八十九年の映画「ザ・トレイン」
こちらも「テラー・トレイン」というカナダ産映画が根底にあるのか、題名やポスターには
汽車内での惨劇が中心と思いきや、線路のないところも走れる汽車とは・・・。
で、アメリカからユーゴスラビアに修学旅行を敢行する人々の遭遇する災難・・・。
宿舎はオンボロ、そこで「ベタ」な展開から、列車に飛び乗れば、そこでも惨劇・・・。
スプラッターが当たりゃ、そこだで残酷場面を一生懸命浴びせても、展開がひどくてさっ
ぱり「怖さ」を感じることが出来ない。
それが終盤、この目的が「処女」にありとなって、先祖がえりかい・・・。
その上、オチが「やっちまったよ、処女じゃない」って、すんばらしい終り方。
それにしてもそこはかとない「デジャブ」を感じる映画ってのは、終った後が「溜息」なんだよ
なぁ、で、リンクしたのは日本語のあおり宣伝のもの、ここらも笑いが起こる・・・、いいねぇ
平和な世の中で・・・。
http://jp.youtube.com/watch?v=YftQcq_wMlI&feature=related
「ザ・トレイン」 1910フルーツガム・カンパニー
お口直しに、同名の音楽でさっぱり、既視感覚を忘れて「懐かしさ」に浸ろう・・・。
もっとも知らない人もいそう、何しろ1969年、四十年前の曲だから・・・。
- 1910フルーツガム・カンパニー/ザ・ベスト・オブ・1910フルーツガム・カンパ
- ¥1,890 といったところで、またのお越しを・・・。