邦題が時代を映す「夕陽に向かって走れ」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

「明日の壁をぶち破れ」もネイティブ・アメリカンを主人公にしていたが、この当時はやはり

ベトナム戦争に対する反発から、その昔の弾圧に目が向いてや社会的不満の捌け口的

思惑が、従来のヒーローものと違った姿をもたらしたが、アメリカン・ニューシネマと名づけ

ると、分かり易いが混沌とした社会の反映が価値観の広がりを見せ始めた・・・。

と、捉えられそうだが・・・。

で、邦題が何とも社会批判を含んだものになっているのも、当時の風潮・・・、「明日の壁を

ぶち破れ」もそうだが、この「夕陽に向かって走れ」も、とても微笑ましい力の入れようだ。



夕陽


http://jp.youtube.com/watch?v=GfEXHopKWV8&feature=related


この七十年公開作は、さすがにこの時代の名作にはさまれたからか、どこにも動画が

ころがっていなかった。

で、リンクしたのは出演していたキャサリン・ロスのトリビュート動画で、ゾンビーズの「テル・ハー・ノー」

でよかったと思うが、それをバックした「卒業」「明日に向かって撃て」のスナップで構成されている。

この映画は、実際に起こった事件をベースにしたネイティブ・アメリカンの青年と同じくその恋人との逃避行

を追う保護官で、この恋人をキャサリン・ロスが演じているものだ。

ただいつものことで、刺身のつま的な役割しかなく、実の父を誤って殺した青年との逃避行・・・。

ここらで逃避行って、ほんの少し疑問が湧いてくる。

なぜ逃避行へ、それも実の父が死んでいる。裁判といっても、死んだのもネイティブで犯人もネイティブで

あり、それであったら差別意識はあろうが、白人を殺したとはいささか違っているはずであり・・・。

ここらでもう邦題はぼやけてきて、「題名に騙された」雰囲気が溢れて来る。

まぁ、その後、再び殺人が起こり、今度ばかりは被害者が白人となれば逃避行も頷けてくる。

そして後を追うロバート・レッドフォードと相成り、途中でキャサリン・ロスは死体で発見され、追い詰められた

主人公と、一対一で対峙、レッドフォードに倒され・・・。

で、主人公の拳銃には弾が込められていなかったがオチという、「はぁ・・・」と溜息の出る結末・・・。

もうこの映画は邦題に関する限り、名前負けの最もたるものでは、記録媒体も再販売しない・・・。

ただ「明日の壁をぶち破れ」も同じ待遇だが、今となっては「明日の壁・・・」だけでも再販すれば、アメリカで

カルト人気を誇っているのだから、日本でも売れると思うけど・・・。

                          
                                   といったところで、またのお越しを・・・。