寝苦しい夜には、「怪談」話による背筋のさむくなる涼を取るのも、
それなりに面白いし、「御盆」という風習のある日本においては、
霊に対する心理的畏怖があるから、怨念とか無念の情には、ご先祖様
として敬うから、より映像になると「怖さ」が倍加する。
そんな日本と違って、香港の「お化け映画」のヒット作に、この「霊幻道士」
がある。
http://jp.youtube.com/watch?v=1x062XmBvbc&feature=related
「霊幻道士」 八十五年公開作
この映画、土曜のオールナイトで見た記憶があり、これと併映が「グローイング・アップ」の
シリーズ物と、あと一本あったが忘れた。
ようするに暇を持て余し、酒を呑んで時間つぶしみたいに入った映画館で、たまたまやって
いたのが、このカンフー・アクションにゾンビを掛け合わせたホラー・コメディ・アクションの
香港らしいごった煮映画だったのだが、これは面白かった。
ゾンビとなった、いやここではキョンシーであるが、その動作が一応に両腕をぴんと掲げ、
一足歩行というか、飛び跳ねて移動するさまは、その不気味な造形の顔と違ってユーモラス
であり、これがまた馬鹿強いとなるとアクションとして見ても、派手で面白かった。
怖がらせ、笑わせ、そして痛快にやっつけるアクションと、あくの強い演技も気にならなくなる
ものだ。
そして少女のティンティンがまた、生意気な子供でコミカルな演技で花を添えていて、飽きる
ことなく見終わることが出来た。
で、ほかの映画の印象は、すっかり忘れてしまった。
この映画も途中から見たもので、つまらなければ前半など無視して帰ってしまうのだが、酔い
も醒めて、面白いから飽きる映画を我慢しながら、再上映を待ったものだ。
昔はようするに延々と映画を流していたのかも・・・。
香港のワイヤーアクションも画面の暗さ、大体が夜だから当たり前か、ワイヤーが見えること
なく、見ごたえがあった。
で、かなりヒットしたのか、続々作られていくのだが、後一本くらいで飽きてしまい、後はほとんど
記憶にない。
この一作目は、お化けの女と弟子のラブストーリー、日本の雨月物語みたいなくだりもあり、本
当にいいところ取りの、ごった煮だが、それが夏の夜には・・・、あれっ、いつ頃が思い出せない。
しかし暑い夜だったと思うが・・・。
これとは違った物で、台湾産のキョンシー映画もあった。
勿論、この霊幻道士のヒットに触発されたものであるが、こちらは子供が中心で
レンタルで見た記憶がある。
http://jp.youtube.com/watch?v=H4SkIOZsIqI
「幽幻道士」 八十六年公開
こちらはテンテンという少女の冒険物語的なものだが、残酷性を排除していたから、
子供と一緒に笑いながら見ていた。
まぁ、パクリといっちゃえば、その通りだろうが、子供キョンシーの可愛らしさに、目く
じら立てることもない。
蒸し暑い夜、少しスリルもあり、また笑いもあり、そして痛快アクションもありは、時間
つぶしにも最適で、何も考えず見ていられるこういう映画は、いい。
- 霊幻道士 デジタル・リマスター版/ラム・チェンイン
- ¥3,557
- Amazon.co.jp といったところで、またお越しを・・・。