独立記念日に生まれた男の悲劇「七月四日に生まれて」 | 流浪の民の囁き

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七月四日はアメリカの独立記念日である。
そしてこの日に生まれた青年の悲劇を描いたのが、
オリバー・ストーン監督の映画「七月四日に生まれて」である
で、悲劇は偶発的に生まれるでなく、作られるのをこの映画は
物語っている・・・。



七月四日


http://jp.youtube.com/watch?v=QfUTHkRMD5E&feature=related

「七月四日に生まれて」  八十九年公開作


で、これは以前書いたものの、再掲載です。

そのため現在の状況とは、若干違った文になってしまったところもあり、

その点はご容赦頂きますが、視点は今でも同じでは・・・。
オリバーストーン監督は、この映画の前「プラトーン」でも、アカデミー
賞を獲得し、この映画で二度目の受賞をしている。
内容は自身の体験も踏まえて、原作者ロン・コビックの数奇の運命
を描いている。
祖国愛を根底にベトナム戦争に参加し、誤って友軍兵士を撃ち、自
身も下半身付随の重症(傷痍軍人)で帰国、出て行く時はそれこそ千
切れんばかりの励ましだが、傷痍軍人として帰ってみると家族以外は
反戦運動が盛り上がりも手伝って、冷淡な対応に変ってしまっていた。
自身の傷と周囲の冷淡さに自暴自棄になり、薬物・酒と溺れた生活へ
自身で追い込み、また知人の助言で目覚め、立ち直ると反戦運動・帰
還傷痍軍人の地位向上に励む、そして民主党の選挙応援に登壇する
までになり、出版した本は大反響を呼ぶという、ハンデを心の傷を乗り
越えていくってなお話で、トム・クルーズが「レインマン」に続き、主人公
を好演している。とても社会性に富み、戦争の個人に与える悲劇が、
良く描かれている映画だ。
なのだが、はて主人公は下半身付随の悲劇だし、そこから立ち上がる
人生も素晴らしいのだが、海兵隊に入隊しベトナムに行くことを決意し
そこで待ち構えているだろう悲劇が予想出来る立場にいながら、行くま
ではあの「ブラックホーク・ダウン」の弛緩した気持ちのままの兵隊だっ
たことに、いささか変な気になった。
絶対の正義があり、敗れることはないの空虚な自信、それらが崩れた
時、信じきっていたあり方の全否定が起こる。
で、正反対の行動となるのだが、海兵隊に志願した時、あるいはベト
ナムに入った時、この兵士は戦争の目的を見出していたのだろうか。
任務の二文字だけであって、負傷して帰還した時、温かく迎えられて
いたら、さてどうだったろう。
ストーンは極端から極端が好きだから、悲劇を巧く映し出しているが
悲劇が生まれたでなく、作られた悲劇を映し出しているに過ぎない。
この映画も一面では反戦映画だろう。
ただプラトーンもそうだったが、いかにアメリカが悲惨だったかは描くが、
では敵はどうだったかの視点が抜け落ちているし、悲劇は双方にある。
で、この映画もアメリカの他国に行っての悲劇で、そこでいかに戦ったか
いかに傷ついたか、だから戦争はいけないでは、学習能力が欠落して
いる。もっともストーンもそのことに気付いたから、この後の作品に視点の
違うものを監督しているが・・・。
で、これを書くにはそれなりの理由があり、「原爆は仕方ない」で大臣を
辞任した閣僚がいた。ここで世論が・いや先陣を切って各マスコミが一斉
に反発した「原爆被害者」達の悲劇。「辞めろコール」なのだが、私は戦争
の起こりえた原因へ究明に進むのであれば、あるいはアメリカへの抗議が
再燃ならいいのだが、そういう声でなくあくまでも日本なのに、いささか学習
能力が欠けている気がする。
これは辞めれば済む問題でもないし、第一現政権批判で終わる問題でもな
い。ところが流れは批判ばかりで、さてそもそも原爆は戦争を早期に解決さ
せる手立てではないはずだ。だったら現政権を批判するだけでなく、徒党を
組みアメリカに抗議をするべきだ。あの「従軍慰安婦」などの売春婦問題とは
全く違って大量破壊で「大虐殺」ではないか。
連合って組織も、この問題で抗議集会を開いたらしいし、どんどん大量破壊
兵器を落とした原因者へ抗議を集中させろ。
都合よく「失言」で、政治がらみでは「原爆被害者」をだしにしたあの「傷痍軍
人」と同じ単なる材料では、悲劇は作られたものになる。
にしても、アメリカという国の傲慢さと、日本のマスコミを初め平和活動をして
いる人は、目に見える形で批判を上げるのは、アメリカである。
ただただ日本の旧軍部への擦り付けだけでは、それも単なる政府批判材料
であったになる。で、沖縄の「集団自決」なのだが、マスコミが伝えない話し。
http://blog.goo.ne.jp/taezaki160925/e/44b104cc96de354c1a7693c2ea24964a
ここでは被害者が首相の「靖国神社参拝」を願っている。
これはマスコミにとって「不都合な真実」そのものだよなぁ・・。
被害者は材料でないし・・、そう映画の題材でも扱い方によっては材料に
なってしまう。ストーンの映画は「サルバドル」は良かったし「ミッドナイト・
エキスプレス」の脚本も良かったのだが、「ドアーズ」でとてもおやっととなって
しまい、どうしても批判的になってしまう。ただトム・クルーズは良かった。
また劇中の音楽も、悲劇の序章には「甘ったるい」曲調が、その後を盛り上
げたと思っている。

http://jp.youtube.com/watch?v=flm4xcOyiCo&feature=related

「ムーン・リバー」 アンディ・ウィリアムス


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Amazon.co.jp               チョット手抜きのエントリーになりました。
                       まぁ、パソコンが壊れて、急遽とありまして
                       と、弁解を・・・。
                         そんなこんなで、またのお越しを・・・。