音楽に重きを置きながら、その音楽を心底楽しもうとする人が、ひょんなことから
騒動に巻き込まれ、一悶着あるという「静と動」を使い分けて、フランスの新感覚
映画として、公開当時評判だったのが、この「ディーバ」である。
http://jp.youtube.com/watch?v=4oQQBtXr6YQ
「ディーバ」 八十一年公開作
http://jp.youtube.com/watch?v=0SiFVa_KUVI
ファンの郵便局員とオペラ歌手の、スタイリシュな背景の中でのデート
この映画、オペラ歌手は黒人、そして郵便局員のフランス人に、窮状を救うギリシャ人
とベトナムの少女と、まさに国際色豊かなものであるが、ここらにはフランスで推し進めた
移民化計画も勿論、その国際化をもたらした一因がある。
そして音楽に心酔するフランス人では、この数年後に公開される「ラウンド・ミッドナイト」
もあったが、フランス人は見方によっては日本人以上に「オタク度」が高い人種なのかも。
そういえば日本のアニメも、熱狂的なファンが存在しコスプレも盛んと聞く。
歌姫という意味を持つらしい言葉通りに、オペラ歌手に心酔するフランス青年が、コンサー
ト会場で密かに録音をしてしまい、そのテープと売春婦が悪の組織の会話を盗聴したテー
プを殺される間際に、郵便青年の籠に投げ込むことによって、意図しない騒動に巻き込ま
れていく、と、物語自体はそれ程斬新ではないが、騒動一辺倒でなくオペラのシーンや
ゆったりとした語らいも挿入して、静と動のパランスを取り入れ、ノンストップ・アクションみ
たいな展開にせず、音楽的にもまたアクション映画の面でも、緩急の繋ぎが巧く、映画自
体を飽きさせない構成力は、なかなかたいしたものだ。
そして映像自体も撮り方の巧さが光り、風景さえ印象に残る・・・。
といった映画の本筋は、なかなか出来のいい映画だが、このフランスの国際色のところで
今現在、国内に燻る不満に目を向けると、移民政策の失敗が今になって顕著に表れてきた
と見ることが出来る。
格差が酷くなれば、社会不安が増大する。
そしてフランスにおける移民たちの不満も、一気に燃え上がった時期があった。
政府の政策のつけを、次の内閣が負わされるのは日本も同じだが、少し毛色の違う人が
上にたって、失言でもしようものなら、一気に燃え上がる火種をフランスでは抱えてしまった。
で、勿論、他国のことであり、映画が国際色豊かでは結構なことだが、ここに描かれている
人々もとても裕福とはいえない人達で、若さも手伝って意思疎通が図られているが、さて
これがそれぞれの家庭を持ちとなると、随分変わってくることだろう。
移民で移り住み、それなりの成功を収めた人はいいとして、最下層で暮らす人にとって、
「来るんじゃなかった」といって、帰る国にも基盤はもうない。
さすれば、「金になるなら」の言葉は自分の精神を卑屈にして犯罪でも・・・。
といったところに落ちていくのであれば、政府の取る移民において、素行不良ばかり人々に
追いやってしまう結果も出てくる。
先ごろ、日本でも移民一千万人等とほざく国会議員がいたが、先例のある国に趣きその結果を
分析すべきだろう。
それでなくとも日本に来ようとする人々は、「金のため」が大半であり、そこでどんな生活基盤を
築こうとか将来設計は・・・、などはなく兎に角あるいは、各国の教育の悲惨さで「選民意識」の
ある人々では、どうしたって軋轢を生むのは簡単に予想出来る。
国際色豊かは、一日くらいのイベントなら軋轢も生まれないが、長年にわたれば意志の疎通が
図れないは、対立構造となって現れる・・・。
とまぁ、この映画を思い出し、それに移民の惨状を考えれば、映画の感想よりは生活の重きに
こういった書き方になる・・・。
- ディーバ
- ¥2,646 といったところで、またのお越しを・・・。