未知のウィルス・・・、見えない恐怖に曝される民衆「アンドロメダ」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

未知のウィルスに感染して、日本のアスリートがオリンピックを断念する

という記事に接すると、囁かれる「パンデミック」も「今そこにある危機」的

な思いを強くする。

それでなくとも四川大地震での感染症の心配もあり、保菌者特定が出来ず

また潜伏期間の長いものでは、善意・悪意に関係なく広がり方は半端では

ないはずである。

まして日本のアスリートは、その中国で感染した疑いが強い、その中国は

これまた隠蔽体質の強い国と来ている。

そして全世界からあらゆる民衆が集まるオリンピックもすぐそこに近づいて

いるとなれば・・・。

で、そんなウィルス・パニックを扱った映画ってなものもあり、以前書いていた。

そこで警鐘も込め、再び掲載することにした。


スリラー映画の恐さは、視覚による人の殺意だとか血みどろな被害者とか

ホラーの要素も多分にある。

そこに「見えない物体」の恐怖を描くと、どうしても地味な作品になりがちだが、

「アンドロメダ・・・」「アウト・ブレイク」の微生物・ウィルスの恐怖は、これから

現実に起こってくることだけに、恐さの種類が違って、隠れた名作かも・・・。



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http://www.youtube.com/watch?v=YiXZNF6tA0A


七十三年公開作、マイケル・クライトン原作の「アンドロメダ病原体」

の映画化、監督はロバート・ワイズ 

宇宙からの微生物によるパニック、見えないものの恐怖をいかに描くか

が、作品をより高める。

この映画の場合、密閉された研究機関の人々の表情等で、緊迫するやり取りの

間で、危機的状況を作り出していた。

あながち有り得ない話でもなく、宇宙だけでなく地球上でも未知のとつく微生物は

未だに生息しているし、また変異という進化を遂げていて、解明はされていない。

もっともこの映画のオチは、水素イオン濃度の狭い範囲って、少し拍子抜けだが、

それまでの過程は、サスペンスじみた展開が大掛かりな舞台でないのを、じっくり

観客に見せていて、派手な破壊もなく、沁みこんで行く恐怖として、見事耐えのある

作品だった。


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http://www.youtube.com/watch?v=Mj9SUJdpJS4

九十五年公開の、この作品も未知のウィルスという、見えない

ものの恐怖を扱っていた。

こちらはアフリカで発見される未知のウィルスの「生物化学兵器」

という、「アンドロメダ」より現実に則したお話。

芸達者なダスティン・ホフマン、モーガン・フリーマンを配して、見え

ないものの急速な拡大に対する必死の防御と、人間の確執、エゴ剥

き出しの人間関係をあざ笑う・・・。


無防備宣言とか反戦平和とか、とかく戦争を忌み嫌い何かにつけ反対

を叫ぶ人々がいるが、目に見える動きは反対もしやすいが、日本でも

過去に「水俣病」という公害があり、その重金属被害の時には、原因が

判明した時点で、手遅れ状態だった。

微生物やウィルスにイデオロギーは通用しない。

これらの極小生物は生殖本能のみで増殖を繰り返す。

「エイズ」の恐怖は、「鳥インフルエンザ」の猛威は去ったわけでも、終息

したものでもない、高等生物は原始生物ほど適応能力はない。

まして他の生物を殺傷して、それをエネルギー源にしている生物ほど、環

境変化に対応出来ず自然淘汰で滅ぼされて来た。

皮肉なことに人間界は、自分で生産ないし廃棄したもので災いをもたらした。

最近の報道で「感染性医療廃棄物」の不法投棄があったが、ここで自然界に

触れるそれらのものが、ウィルスの耐性変化をもたらせば、より耐性の強い

ウィルスやバクテリアを誕生させるとも限らない。

その時、相当の犠牲が発生し「平和市民団体」「環境保護団体」という、イデ

オロギー活動をしていまいが、していようが一律に、その脅威からは逃れられない。

「ノストラダムスの大予言」なる本が、一時はやったが「目に見えないものに

よる殺傷」は、今後膨れ上がっていくのは、目に見えている。

と、達観して自然の成り行きに身を任せると、精神も傷まないものです・・・。

その点からもこの二つの作品は、警鐘とも取れる優れた作品である。

アンドロメダ…
¥3,591



                       とういったわけで、またのお越しを・・・。