幼き者も狂気に駆り立てる戦い「要塞」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き


ロック・ハドソンの「エンブリヨ」を書いていて、そういえばなかなかに戦争を考えさせる

映画にでていたなぁと、思い出したのがこの「要塞」である。

この映画は少し珍しい、子供心の復讐心と戦争の狂気を描いた。

そしてエンリオ・モリコーネの音楽は冴えて印象深い・・・。



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http://www.youtube.com/watch?v=7DDBDu0PfUo&feature=related

「要塞」 七十年公開作

イタリア戦線での、連合軍の行動を有利に運ぶため、ダム爆破を極秘に受ける工作員たちが、

空挺団として舞い降りるが、迎え撃つドイツ軍に手痛い目に遭い、生き残ったのはたった一人

となって、その一人も村の少年達に助けられるとなり、そしてこの十七人の子供達はドイツ軍の

村の殲滅により、それぞれの両親を潜んだ場所から目撃をしてしまう。

それだけに憎悪に燃え、この助け出したアメリカ兵の特殊任務を手伝うことに、また治療にドイツ

の野戦病院から女医を連れてくる。

この女医がシルバー・コシナで、アメリカ兵と知り、治療を拒否すれば子供達は襲い掛かる。

それを助けるのがアメリカ兵のロック・ハドソンと、憎しみ入り乱れた集団で、ダム爆破へと

向うことになる。

途中でこの女医はアメリカ兵を殺そうとするのだが、そこは腕力の違いで、逆に犯される羽目に

陥る。ここらは観客へのサービスとも取れるものだが、これ以後、あの銀行員と強盗の奇妙な関係

見たいに、捕虜でありながら帯同してくる。

そして再び途中の村でドイツ軍に遭遇すると、この幼い戦隊は相手を殲滅してしまい、意気上がりと

戦闘の是非も分からぬまま、一丁前の戦士となって行く。

そしてダムへと、その頃ドイツ軍もダムが狙われていると部隊を派遣・・・。

そしてアメリカ兵一行は間一髪ダムを爆破して、その時の戦闘で少年のリーダーは精神錯乱となり、

仲間までも撃ち殺し、単身追ってきたドイツ将校をも・・・。

ドイツ将校と対峙する時、仲間に止められ思いとどまるが、完全に常軌を逸してしまう。

それを見ていたアメリカ兵は、悲しそうな面持ちで援軍にやってきたアメリカ軍へと、子供と女医を預ける。

と、派手な戦闘もなくただ戦争に参加する少年という特殊な設定が、任務として行動する兵と憎しみで行動

する少年達、そして囚われの身の女医と、心の変化を丹念に描けば、もろ名作になったろうに・・・。

なかなかによかった映画だが、そこら辺のはしょり方が、どうも・・・。


ただこの映画の子供達の憎しみの連鎖は、後には「キリング・フィールド」で描かれる洗脳された子供達の

残虐な殺戮とかに思いをはせると、なかなか示唆に富む・・・。

要塞
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                              といったところで、またのお越しを・・・。