続編の邦題を変えることなかった「狼よ、さらば」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

チャールズ・ブロンソンという無骨な俳優が、あの「禁じられた遊び」の

ルネ・クレマン監督に見出され「雨の訪問者」に主演し「さらば友よ」で

ヨーロッパで一躍人気を集め、それが日本にも飛び火し、「男の世界」

のコマーシャルが席捲していた時代があった。

そんな時、本国アメリカでこの「狼よ、さらば」も公開された・・・。



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http://www.youtube.com/watch?v=m0y4jhKd978

七十四年公開作

ただの建築設計士の男が、暴漢に妻子を襲われその復讐

に立ち上がる。で、いつしか私設警察化していき街のダニ掃

除まで始めてしまう。

自らも負傷しながら掃除に、街の人もヒーローと称える反面

警察とすれば、「殺し」に変わりはなく、犯人逮捕へ捜査が開

始され・・・。

この映画では、最後に粋な計らいが主人公を待っている。

主人公は警察の勧めでシカゴへ移り住む、めでたし、めでたし

と私怨による「犯罪」が、いつしかガン・マニア、いや「殺し」の

快感へ男を引きずり込むが、昼と夜の使い分けが出来るという

設定は、やはりブロンソンの風貌と、存在感があったればこそ

で、刑事の「ダーティー・ハリー」よりも、このブロンソンの主人公

の方が感情移入しやすい・・・。

邦題の「狼よ、さらば」は素晴らしい題名だと思う。

ブロンソンのどちらかというと、家族を殺されやけになり人生を投げた

男の「死を望む」が、全編を通して伝わってくるし、ニューヨークを離れる

「一匹狼」の心情が、題名で分かる。 これが続編では考えられない

邦題になっていくのには、いささかどうかと思う・・・。



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http://www.youtube.com/watch?v=4EyRpEiT7Vo&feature=related

八十二年公開作 邦題「ロサンジェルス」

ニューヨークからロサンジェルスへ移り住んだ主人公ポールの前に

再び、義憤にかられる出来事が起こり、一人立ち上がって「殺し」が

始まる・・・。

今回は共演に、かぁちゃんを添えて張り切って動き回り、最後は皆

殺しで復讐を遂げるが、かぁちゃんには去られるという役どころ。


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http://www.youtube.com/watch?v=agyuMM09yAE&feature=related

八十五年公開作 邦題「スーパー・マグナム」

邦題はやたらめったら激しくずれた方角へ転がる三作目。

ロスから再びニュヨークに舞台を移し、パワーアップした拳銃と怒りに

震える市民までもが立ち上がり、壮絶な撃ち合い・・・、とストーリーは

だんだんはっちゃめっちゃかへ、もっともブロンソンの頭髪の変化なの

だが、年老いてもなお、毅然と立ち向かう男くささに変化なし・・・。

ただマンネリに陥り、派手な演出は・・・。



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http://www.youtube.com/watch?v=M3nB8NmDYxc

八十七年公開作 邦題「バトルガン・M-16」

邦題が示すように、ここは拳銃でなくマシンガンと相成り、

麻薬組織撲滅に利用されるという役どころで、完璧に私怨や

復讐を離れ、対立する組織を互いに嗾けるという「用心棒」

テイストも馨しく、派手になる一方で老体が・・・。




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http://www.youtube.com/watch?v=geFH1MBlb0s

九十四年公開作 邦題「狼よ、さらば 復讐のリベンジャー」

初作から二十年、恩年七十三歳になってしまったブロンソンの

ポールは、建築学教授となっていた。

で物語は、最初に戻る先祖がえりみたいに、「殺し」をする教授

と相成る。

ただラストシーンのセリフは、印象的だ。

「なんか困ったことが起こったら、呼んでくれよ、すぐに駆けつけ

るから・・・」

と七十三歳とは思えない体躯でのたまうが、もうポール・カーシィ

は、二度と戻ってこないのだ・・・。



ここからは余談・・・。

画像を探していたら、こんなものがヒットした・・・。


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「death wish」な気持ちの、ワンちゃん・・・。


日本でブロンソンが茶の間に浸透したのが

この「マンダム」のコマーシャル

http://www.youtube.com/watch?v=2Vbt12KazoQ

「男の世界」の歌までヒットした・・・。

そんなブロンソンの若い時は、なんとカメラ・フラッシュ

の電球のコマーシャルをやっている。

http://www.youtube.com/watch?v=QfQc90SoEtw

モノクロ映像が古さを感じるが、今はもう映像しか残って

いない訳だし・・・。



                といったところで、またのお越しを・・・。




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