モノクロ映像の機関車は、その力強い律動感が場面の緊迫感に加味されて
人間の怒りや危機感を表しているようだし、スピットファイヤの攻撃から逃げ
切ってトンネルに逃げ込む際は、雄たけびのような警笛音が苛立ちや慙愧
な面持ちを表現しているようだった。
http://www.youtube.com/watch?v=8GUzTJCumuE
「スピットファイヤ」イギリスの戦闘機から攻撃を受ける
http://www.youtube.com/watch?v=HmsxtErEVrw
機関車をクラッシュさせる機関員の活躍。
ドイツに占領されていたフランスの国鉄職員のレジスタンス
の実話の映画化の本作品は、男臭さが顔に溢れているバート
ランカスターの機関士や、その他もろもろの職員の協力で、ル
ーブルの美術品のドイツへの流失を防いだものであり、その交
通手段が大陸ならではの鉄道ということで、やはり主役は酷使
させられ、挙句の果ては衝突させられる蒸気機関車群である。
デジタルでない戦争ならではで、ポイント切り替えも手動だから
出来る作戦であり、今ではこんなレジスタンスは通用しない。
もっとも運び出す美術品も将軍の個人的趣味で、これを売って
軍費に当てるってのは、いささか・・・。
何しろ途中でヘルメットに風防メガネの将校と遣り合ってる場面
は、どうしてもロンメルだなぁ・・・、それが毛嫌いしている人物が
指揮官なんだもの、敗戦濃厚の「盗人」根性対結果的に国家の
財産を守った人々の対立って図式である。
にしても機関車は酷使される。
それにもめげず懸命に動くのには、機械に愛情のない人々って
なことも、絵には死をとして、機械には一向に目を向けない。
見る人によっては、価値観の違いがあるもので、働く機械に愛情
を持ち得ない人が「絵」の良さだけを評価する。
といってその絵が、無名であったならやはり大切にする目があるか
ルーブルの名声が絵の評価を上げる・・・。
ひねくれた見方をすれば、名声を守りたかっただけで、さて守った
機関士に絵の評価は?、「猫に小判」だったりして・・・。
まぁ、この映画は絵でなく「レジスタンス」の素晴らしさを伝えるもの
だから、そこの見方には目をつぶって見れば、なかなかにアクション
映画の醍醐味はあったし、対立する心の問題から抵抗するっての
は「社会派」なものだろう・・・。
ただ、さて機関車のフォルムと絵画、って比較出来ないか・・・。
といったところで、今年初めの「捻くれ」を書きました。
またのお越しを・・・。