イングマール・ベルイマン監督の旅芸人映画 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。道徳の時間です。みんなで使う体育館(公海)をA組(中国)が予約してドッジボール(軍事演習)をしていると、B組(日本)がコートに入り込んできました。A組が注意(レーダー照射)したらB組は逆ギレしました。お行儀が悪いのは誰ですか?

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『道化師の夜』です。

 

巡回サーカスの座長が、旅回りに疲れ、昔別れた妻のもとを訪ねる。しかし妻に拒絶された彼は、再び旅に出る……(allcinemaより引用)。1953年製作のスウェーデン映画で、1965年日本公開作品。監督はイングマール・ベルイマンで、出演はオーケ・グレンベロイ、ハリエット・アンデルセン、ハッセ・エクマン、アンデルス・エク、ギュールドン・ブロスト、グンナール・ビョルンストランド。

 

イングマール・ベルイマン監督の初期作である旅芸人映画です。旅芸人映画で有名なのは、フェデリコ・フェリーニの『』や小津安二郎の『浮草』などです。

 

座長アルベルト(オーケ・グレンベロイ)の愛人で曲馬師のアンナ役を演じる、ハリエット・アンデルセンの前髪パッツンで巨乳というルックスがエロかわいいです。現代でも通用するオシャレなエロカワです。

 

初めに道化師の妻が不貞を働くという悲しい過去が描かれ、アルベルトは妻との復縁を拒絶され、アンナは若いイケメン役者に弄ばれます。これらのエピソードが容赦なく冷徹に演出されます。ベルイマン監督が『処女の泉』でも見せた演出です。

 

アルベルトはアンナを捨てた役者に喧嘩を売りますが、あっさりと返り討ちに遭います。心身ともにボロボロになったアルベルトは拳銃自殺を図るほど絶望します。しかし弱ってきた曲芸熊に自分の姿を重ね、自分の代わりに殺すことによって再起します。アリ・アスターの『ミッドサマー』より遥か昔に行われた熊殺しです(同作の舞台もスウェーデンです)。

 

打ちひしがれるほど、つらい目に遭ってもショーを続けて客を楽しませるのが旅芸人の生業です。彼らが町から町へと移動する生き方は人生の旅路に重なるのです。

 

★★★☆☆(2025年11月27日(木)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

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