どうも。高市政権が日本をダメにしたら、他責思考の高市支持者は「悪夢の石破政権」とか言って責任転嫁するのでしょうか。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『怪異談 生きてゐる小平次』です。
一組の夫婦と、その妻に想いを寄せるようになった男の三人の間で生じた三角関係から起きる怪事件を描く(映画.comより引用)。1982年公開作品。監督は中川信夫で、出演は藤間文彦、宮下順子、石橋正次。
怪談映画の名作『東海道四谷怪談』の中川信夫が監督した怪談時代劇映画です。本作が多様なジャンルを撮ってきた中川監督の遺作です。
メジャー映画会社ではなく、アート・シアター・ギルド(ATG)製作ゆえに低予算映画です。そのため大掛かりなセットを組むことができない状況ながら、ロケを多用することによって時代劇の体を成しています。
日活ロマンポルノで活躍した宮下順子が、太九郎(石橋正次)の妻おちか役を務めています。その演技によって女の艶やかさと強かさを見せます。ポルノ映画出身だからという理由で侮ってはいけません。
痴情のもつれの果てに小平次(藤間文彦)を殺めた太九郎は、彼の亡霊に悩まされます。その様子は太九郎の内面と外界の境界を曖昧にして描かれています。これは『東海道四谷怪談』で天知茂が演じた民谷伊右衛門と同じ状態です。全ては殺人者が罪悪感のせいで見ている幻という解釈が可能です。
亡霊の存在を安易に肯定するオカルトやスピリチュアルに頼るより、本作のように人間の怖さや弱さを描くのが本当に怖い怪談なのです。
★★★☆☆(2025年11月16日(日)インターネット配信動画で鑑賞)
にほんブログ村 映画評論・レビューに参加しています(よろしければクリックを!)
