どうも。ずるくルール破りをしなければ勝てないと悪ぶった言い訳する者は、実直にルールを順守して勝った者がいる以上、単に自分の能力が低いことを自白しているに過ぎません。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『暁の用心棒』です。
メキシコ盗賊団と、一匹狼の主人公は、共にアメリカから輸送される大金を狙っていた。一度は協力して金を手に入れたが、主人公は盗賊団からその金を奪い、脱走する(allcinemaより引用)。1967年日本公開作品。監督はヴァンス・ルイスで、出演はトニー・アンソニー、フランク・ウォルフ、ジア・サンドリ、ヨランダ・モディオ。
イタリア製西部劇、いわゆるマカロニウエスタンの一作です。もし韓国製時代劇がプルコギサムライとして世界中でヒットしたら、自称愛国者の日本人は激怒して誹謗中傷するでしょう。しかしマカロニウエスタンが世界中でヒットしたという事実があっても、アメリカ人は大らかに構えていたようです。島国根性って醜悪ですね。
主人公の「名もなき男」を演じるのは、『盲目ガンマン』のトニー・アンソニーです。英語圏ではエリザベスをベスと呼ぶなど愛称を付けることがあります。アンソニーの愛称はトニーですから、トニー・アンソニーは同じ言葉を重ねた芸名です。バンド名ではデュラン・デュラン、日本の芸能人名では寺門ジモンと同類ということです。
ポンチョを身にまとった名無しの主人公という点で、大ヒットした『荒野の用心棒』をパクった、いやオマージュしています。しかし騙し合いのストーリーは同作より単純です。舞台が寂れた村近辺に限定され、登場人物が少ないことから、あまり考える必要のない、悪く言えばバカでも分かる娯楽作です。
台詞が少なめであることも分かり易さを増しています。終盤にあるショットガン対マシンガンの対決シーンでも台詞はなく、アクションだけで展開します。それが緊張感を生むという意外な効果を発揮しています。
登場人物が主人公も含めて悪人だらけで、たくさんの人が死ぬという「アンチ・アメリカ製西部劇」と言えるマカロニウエスタンの基本は押さえられています。深みはありませんが、肩の力を抜いて楽しめるエンターテインメントなのです。
★★★☆☆(2025年8月18日(月)インターネット配信動画で鑑賞)
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