【映画評】男痕 THE MAN | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。虚弱体質を美輪明宏にからかわれた三島由紀夫が肉体を鍛えて男らしさを強調するキャラクターになったことは、やはり男らしさを強調するプーチン大統領やトランプ大統領に重なるものがあります。こいつら本当は弱い人間なのです。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『男痕 THE MAN』です。

 

ゲイの殺し屋の仕事ぶりと性生活を描く。1998年公開のゲイポルノ映画。監督は園子温で、出演は伊藤猛、黒岩研嗣、堀祐輔、石川雄也。

 

園子温監督のゲイポルノ映画です。売れる前はアダルトビデオの監督もしていたので、ゲイポルノ映画を監督しても変ではありません。それでもゲイポルノ映画を監督したのは本作のみです。

 

冒頭の殺しのシーンから北野武監督作品へのオマージュだと分かります。『その男、凶暴につき』で白竜が演じた殺し屋、『3-4x10月』で北野が演じたヤクザが同性愛者だったことから、北野的演出でゲイポルノ映画を撮る本作は北野映画の本質を突いたのかもしれません。

 

それならば本作に園監督らしさはないのかと問われたら、ないことはありません。車中で男同士がいちゃつくのを目撃した、女子高生が走って逃げるシーンでパンチラを見せます。園監督のパンチラへのこだわりは『愛のむきだし』で見られます。

 

北野監督の『あの夏、いちばん静かな海。』よりも台詞がない本作は、言葉にこだわる詩人でもある園監督にとって最も攻めた実験作なのです。

 

★★☆☆☆(2025年1月30日(木)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

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