どうも。「料理は女がするもの」と押し付ける時代遅れの男尊女卑おっさんは、板前やシェフの多数が男である現実との矛盾に気付けないバカです。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『怪談残酷物語』です。
旗本・深谷新左衛門に殺された宗順の呪いが子供の代まで続くという怪談噺(allcinemaより引用)。1968年公開作品。監督は長谷和夫で、出演は田村正和、川津祐介、川口小枝、春川ますみ、田村奈巳、賀川雪絵、花柳幻舟、戸浦六宏、金子信雄。
柴田錬三郎の小説『怪談累ヶ淵』を原作とするホラー時代劇です。『眠狂四郎』シリーズの柴田作品なので、エロとニヒルが強めの出来になっています。
按摩の安川宗順(金子信雄)を殺した旗本の深谷新左衛門(戸浦六宏)は呪いをかけられます。その呪いによって御家取り潰しとなり、新左衛門の息子である新一郎(田村正和)は純情な若侍から鬼畜な浪人へと変わります。この田村の鬼畜演技は、テレビドラマ『古畑任三郎』での田村しか知らない世代にとって意外で驚くものでしょう。
鬼畜な浪人となった新一郎のキャラクターは、どこかエロでニヒルな眠狂四郎に近いものがあります。本作が映画初主演であった田村の生前最後の主演作は、テレビドラマ『眠狂四郎 The Final』であったという事実に運命めいたものを感じてしまいます。
新一郎の「筆おろし」をする淫売女おくま役を春川ますみが演じています。また、新左衛門の隠し子、すなわち新一郎の弟である新三(川津祐介)の運命を狂わせる豊須賀役を川口小枝が演じています。本作では春川と川口の肉感的女優が共演しており、そこに三原葉子も加わっていれば完璧(?)だったろうと悔やまれます。
本作は時代劇ゆえに斬殺シーンが多く、その度に血飛沫が上がります。それらのシーンがモノクロではなく、カラーであればグロさが増します。本作はエログロ時代劇でもあります。
本作が悲劇的結末に終わる原因は、殺された宗順の呪いです。関わった者たちの皆殺しを成就した宗順の呪いは恐ろしいものです。しかし本当に恐ろしく醜悪な姿を見せるのは金銭欲と性欲に狂う新左衛門親子なのです。
★★★☆☆(2024年8月6日(火)インターネット配信動画で鑑賞)

にほんブログ村 映画評論・レビューに参加しています(よろしければクリックを!)