【映画評】にがい米 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。自分の親分が銃撃されても、相変わらず銃規制に反対する共和党支持者は、端的に言ってバカです。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『にがい米』です。

 

イタリアの水田地帯にギャングの男女が逃げ込んだ。二人は出稼ぎ農婦の群れに姿を隠すが、そこで一人の女性と出会う。彼女はギャングの男にそそのかされ、米の強奪を図るが……(allcinemaより引用)。1949年製作のイタリア映画で、1952年日本公開作品。監督はジュゼッペ・デ・サンティスで、出演はヴィットリオ・ガスマン、ラフ・ヴァローネ、ドリス・ダウリング、シルヴァーナ・マンガーノ、マリア・グラツィア・フランチャ、チッコ・リッソーネ。

 

先ず本作によって、イタリアに稲作があることを初めて知りました。パスタやピザのイメージが強いから麦しか穫れないと思い込んでいましたが、リゾットがあるから米も穫れます。映画は役に立ちますね。

 

実際にある広大な水田で撮影され、衣装や建物に汚しをかけているので、画面にリアルな生活感が漂います。またシルヴァーナ・マンガーノら肉感的なスタイルの女たちが田植えをするシーンでは、尻や太腿を強調して撮り、健康的でエロティックな生命力を漲らせています。

 

ギャングの男に二人の女が騙されるドラマです。男に唆されて米の収穫を妨げてしまった女は、罪悪感から男を殺し、自らの命も絶ちます。悲しい女が一人死んでも、また田植えの季節になれば、大勢の季節労働者がこの地を訪れます。

 

個人の苦悩や悲哀は当事者にとって大問題です。しかし人々が営む生活に対しては取るに足らないものであり、季節は何事もなかったかのように巡って来るのです。

 

★★★☆☆(2024年5月27日(月)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

 

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