【映画評】エルミタージュ幻想 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。宮城野親方(元白鵬)の2階級降格は「元横綱としては異例」ですか。元横綱の伊勢ヶ濱親方(元旭富士)は2度も2階級降格しましたけど。腐敗組織であることに定評のある日本相撲協会からの発表を鵜呑みにするのはバカです。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『エルミタージュ幻想』です。

 

現代の映画監督がエルミタージュ美術館を彷徨いながらロシア300年の歴史を体験する。2003年日本公開作品。監督はアレクサンドル・ソクーロフで、出演はセルゲイ・ドレイデン、マリア・クヅネフォワ、ワレリー・ゲルギエフ、レオニード・モズカヴォイ。

 

ロシアとドイツと日本が合作したファンタジー映画です。世界遺産であるエルミタージュ美術館の内部で撮影された貴重な映画です。

 

世界遺産であるが故に本番は1日だけというハードスケジュールで撮影されました。そのため90分間1カットの長回しで撮影され、それを可能にしたのはフィルム交換が不要なデジタル技術の進歩です。

 

撮影中にNGがあれば、最初からやり直しです。キャストやスタッフの心理的プレッシャーは半端ではなかったはずです。NHK紅白歌合戦における「けん玉ギネス記録チャレンジ」みたいなものです。それでも撮影は4テイクで成功したそうです(すなわちNGが3回出たということです)。

 

もしかしたら1カット長回しではなく、実は数カットを編集して1カットのように見せているのかもしれません。そうだとしても、素人目には編集した形跡が見られないので神業的な編集技術を用いていることになります。

 

本作は主人公である映画監督の主観的視点で描かれています。観客は監督と同じ視点で映像体験でき、VRの先駆けであるとも言えます。

 

どれほど保存に尽力しても、老朽化や大災害によってエルミタージュ美術館が崩壊することはあり得ます。それ故、エルミタージュ美術館の建物と所蔵された美術品だけでなく、ロシアの過去の栄華を再現して記録した本作は、原題(Russian Ark)どおり「ロシアの方舟」なのです。

 

★★★☆☆(2024年1月17日(水)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

 

にほんブログ村 映画評論・レビューに参加しています(よろしければクリックを!)