【映画評】美女のはらわた | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。映画や漫画の知識を得るため、よくYouTubeの「ゆっくり解説」を観るので、ゲーム『東方Project』を全く知らなくても、霊夢と魔理沙の顔を覚えてしまいました。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『美女のはらわた』です。

 

ヤクザに監禁暴行されて自殺した女の復讐を企てた女医だったが、ヤクザの返り討ちに遭ってしまう。強力な覚醒剤を注射されて殺された女医の肉体に変化が……。1986年公開の日活ロマンポルノ作品。監督はガイラ(小水一男)で、出演は小沢めぐみ、北川聖良、石井絢子、吉沢健。

 

日本初のスプラッター・エロスムービーと銘打たれた『処女のはらわた』に続く、ポルノとスプラッターホラーの合体作です。

 

ヤクザの組織名が「一山会」であるのは、山口組と一和会の「山一抗争」が話題となっていた当時の時事ネタです。またヤクザ役を演じられる俳優として、ガイラ監督はピンク映画時代からの人脈で吉沢健をキャスティングしたのでしょう。そこまでこだわったためか、ヤクザたちの外道ぶりは表現されています。

 

本作はヤクザに殺された女医が「この世ならざるもの」に化けて復讐するという日本古来の怪談物に近いストーリー構成です。『処女のはらわた』が洋画ホラーのパターンを踏襲していたので、変化を付けてきたのでしょう。

 

低予算映画でありながら、血肉や内臓が飛び散るグロ描写に頑張りが見られます。後半で登場する怪物の男性器のビジュアルは、『エイリアン』のオマージュということにします。

 

ストーリー展開が強引であるのは、上映時間が約1時間しかないので、やむを得ません。そのクオリティーの本作では、日活ロマンポルノの衰退を救うことをできませんでした。それでもエロとホラーの合体という試みは、後の『死霊の罠』に受け継がれ、日本ホラー映画史の一部となっているのです。

 

★★☆☆☆(2023年11月21日(火)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

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