どうも。与党議員の萩生田光一「田舎のプロレス」発言に沈黙しながら、野党議員の塩村文夏「プロレス芸」発言を勢いよく叩く、権力者のケツ舐め新日本プロレス(親会社ブシロード)が、反骨精神の塊「アントニオ猪木をさがして」も見つかるわけがねえよ!
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『雄呂血』です。
純情で正義感の強い若侍が罪人にまで堕ちていく不条理な社会を描く時代劇。1925年公開作品。監督は二川文太郎で、出演は阪東妻三郎、森静子、中村吉松、環歌子、中村琴之助。
阪東妻三郎主演の白黒サイレント映画です。周防正行監督の『カツベン!』でエンドロールに使用されたサイレント映画の代表作です。
主人公の久利富平三郎(阪東)は善意で行動しても、次々と不幸に見舞われ、ならず者へと転落していきます。その不幸の連鎖は、アキ・カウリスマキ監督の『マッチ工場の少女』並みです。
その汚れ役を二枚目俳優であった阪東が演じたのは思い切ったものです。因みに阪東の息子で俳優になったのは、田村高廣、田村正和、田村亮です。
ところで今回は活弁入りの鑑賞でした。活弁があると、サイレント映画でも面白く観ることができるので、出来れば活弁入りの鑑賞をお勧めします。
ストーリーはカットを編集することによって展開するという現代的な手法を用いています。そしてクライマックスの大立ち回りはカットが少ない長回し気味で撮り、生身の迫力を生み出しています。『豪傑児雷也』公開から僅か4年で映画として急激に進歩していることが分かります。
本作は大正デモクラシーの影響下で作られ、正義が通用しない社会の理不尽に対する強い批判が込められています。そのメッセージは時代を超えて現代にも伝わります。劇中で言う「卑怯者、へつらい者、嘘つきばかりの世の中」であるのは今も変わらないからです。
★★★★☆(2023年11月9日(木)インターネット配信動画で鑑賞)
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