【映画評】こころ | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。今年の新語・流行語大賞30語にノミネートされた「エッフェル姉さん」が年間大賞を取ったら、松川るい議員は授賞式に来るのでしょうか。来れないですよ。松川が授賞式に来れたら大したもんだよ(新日対Uインターでの長州力の口調で)。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『こころ』です。

 

学生の日置は野淵先生を尊敬していたが、先生と奥さんの関係には不審を抱いていた。1955年公開作品。監督は市川崑で、出演は森雅之、新珠三千代、三橋達也、安井昌二、北林谷栄、田村秋子。

 

夏目漱石の原作小説を市川崑監督で映画化した作品です。当時の市川監督は日活に在籍しており、『ビルマの竪琴』の撮影開始が延期されたので、本作に着手したそうです。ちょっと手が空いたから漱石の名作を撮るという度胸は凄いです。

 

やっつけ仕事のようなきっかけでありながら、文芸物を得意とする市川監督なので、演出面で手抜きしたところはありません。配役も成功しており、奥さん役の新珠三千代は美しく撮られています。

 

しかし、鑑賞した私に突き刺さるものはありませんでした。それは本作の脚本が和田夏十ではないことに原因があるように思われます(本作の脚本は猪俣勝人と長谷部慶次)。和田が脚色すれば、三島由紀夫の『金閣寺』が『炎上』に化けたような面白さが生まれたかもしれせん。本作によって私が好きな市川作品には和田が関わっていることを再確認できたのです。

 

★★☆☆☆(2023年10月17日(火)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

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