どうも。眼鏡のメンバーがいる四人組という理由だけで、新しい学校のリーダーズを「令和のセイントフォー」と呼んではいけません。というか誰も呼びません。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『華魂 幻影』です。
閉館を目前に控えた映画館で映写技師を務める沢村は、ある日、スクリーンに映るはずのない黒ずくめの少女を見る。上映後にフィルムをチェックしても、少女の姿はどこにも映っていない。やがて、沢村は上映後の客席にその少女がいるのを見つけ映写控え室にかくまうが、彼女はいつの間にかいなくなってしまう。少女を探しに映画館を出た沢村はその幻影に導かれるように川原にたどり着き、失われた記憶をよみがえらせていく(映画.comより引用)。2016年公開作品。監督は佐藤寿保で、出演は大西信満、イオリ、川瀬陽太、愛奏、吉澤健、真理アンヌ、三上寛。
佐藤寿保はサトウトシキ、瀬々敬久、佐野和宏と共に「ピンク四天王」と呼ばれていました。作家性を重視した作品を撮るので評論家やマニアからのウケは良かったのですが、濡れ場に力を入れないので興行主やエロを求める客層からのウケは悪かったそうです。本作も作家性を重視した作品です。
本作はR-18であっても、ピンク映画ではありません。しかし吉澤健、三上寛らピンク映画出演経験者がいるので、少々ピンク映画の匂いがします。
映写技師の沢村(大西信満)と謎の少女(イオリ)の絡みまでは穏やかな幻想譚です。しかし映画館の最終上映会のシーンから怪しい展開になっていきます。真っ赤な「華魂」が姿を見せてから、欲望むき出しのエロスと狂気の世界を映し出します。そのインモラルぶりは『発狂する唇』や『ビジターQ』に匹敵します。
この閉館する映画館での狂乱は、万人受けするメジャー映画を並べるシネコンに対する、尖ったマイナー映画を選ぶミニシアターからの挑発や抵抗のようなのです。
★★☆☆☆(2023年4月28日(金)インターネット配信動画で鑑賞)
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