どうも。もし就職面接で「僕の給料を減らしてください」というアピールをする学生が来たら採用しますか。その学生は気違いです。選挙において議員報酬削減を訴える気違い立候補者より、議員報酬に応じた働きをする有能な立候補者を選ぶことが大事です。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『残穢-住んではいけない部屋-』です。
小説家の「私」に、読者である女子大生の久保さんから届いた一通の手紙。「住んでいる部屋で奇妙な音がする」とい書かれたその手紙に、好奇心から「私」と久保さんが調査を開始する。そこで明らかとなったのは、その部屋の過去の住人たちが転居先で自殺や無理心中、殺人などさまざまな事件を引き起こしたという事実だった。彼らは、なぜその部屋ではなく、さまざまな別の場所で不幸に遭ったのか。「私」たちは、ある真相にたどり着き、さらなる事件に巻き込まれることとなる(映画.comより引用)。2016年公開作品。監督は中村義洋で、出演は竹内結子、橋本愛、佐々木蔵之介、坂口健太郎、滝藤賢一、山下容莉枝、成田凌、吉澤健、不破万作、上田耕一。
小野不由美のホラー小説が原作であり、怪奇実話系業界を舞台にしています。中村義洋監督は、その業界に関わっていたので、登場人物の描写は的確なのでしょう。オカルト研究家は陰気なキャラクターという先入観がありますが、実際は陽気なキャラクターが多そうです。確かに四六時中オカルトのことばかり考えていたら、精神がイカレてしまいますね。
主人公の小説家役を竹内結子が演じています。俳優としての華を消し、地味な一般人の雰囲気を出しています。こうした竹内の自然体な演技を見られなくなったのは、日本の芸能界において損失であることは間違いありません。
本作は断片的な証言や事実を積み重ねることによって輪郭を作り出し、核心へと展開していく構成になっています。全てを知っている何者かが登場し、ペラペラと真相を話し出すというホラーやミステリーにありがちな構成に比べれば、リアリティーがある作り方です。
「聞いても祟られる。話しても祟られる」怪談によって祟りが拡散していくのは、『リング』における呪いのビデオに似ています。どちらもパンデミックのメタファー的表現と言えます。祟られそうもない人が祟られるのは、感染しそうもない人が感染してしまうという近年の私たちが現実に経験した恐怖です。
ところで、本作を観た者は聞いても祟られる怪談を聞いてしまったのですが……。
★★★☆☆(2023年4月14日(金)インターネット配信動画で鑑賞)
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