【映画評】キンキーブーツ | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。言語も文化も異なる国に千羽鶴とか必勝しゃもじとか贈っても、相手方には迷惑でしかありません。贈られた側は社交辞令的に笑顔で受け取りますけど。困っている人たちに気を遣わせるなよ。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『キンキーブーツ』です。

 

倒産寸前の田舎の靴工場を継ぐことになった優柔不断なチャーリーは、工場の再起を賭けて、街で偶然出会ったドラッグクイーンのローラと共に、ドラッグクイーンご用達のセクシー・ブーツ(=キンキーブーツ)を作ろうと思い立つが……(映画.comより引用)。2006年日本公開作品。監督はジュリアン・ジャロルドで、出演はジョエル・エドガートン、キウェテル・イジョフォー、サラ=ジェーン・ポッツ、ジェミマ・ルーパー、リンダ・バセット、ニック・フロスト、ロバート・ピュー。

 

実話に基づくコメディ映画です。映画が公開された後にミュージカルとして舞台化されました。

 

イギリスを舞台としている点でフル・モンティ』と共通しています。同作も映画が先で舞台化が後です。舞台を日本に置き換えれば、『下町ロケット』みたいな感じになるのでしょうか。

 

チャーリー(ジョエル・エドガートン)とローラ(キウェテル・イジョフォー)には、父の期待に応えられなかった息子という共通点があり、そこで意思を通じ合えます。ただしチャーリーが靴工場を継いで奮闘しても、実は生前の父が工場を売却しようとしていたので、むしろ父の思いに反することをしていたという皮肉があります。

 

本作を観れば、ドラッグクイーン=女装者であるローラの内面が逆に男らしいという見方もできます。しかし勇気や責任感というのは男性特有のものではなく、人間としてあるべきものでしょう。それらを「男らしさ」という思い込みは女性差別です。

 

本作を製作したミラマックス社の設立者ハーヴェイ・ワインスタインが、チ○コの赴くままに行動するという勘違いした「男らしさ」のせいで、女性差別の最たるものである性暴力事件を起こしたことは、何やら因果を感じてしまう余談なのです。

 

★★★☆☆(2023年3月13日(月)DVD鑑賞)

 

 

 

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