どうも。SNSでマスク着用について口にしたら、リプライやダイレクトメッセージで「マスクを外せ!」という反マスク警察に絡まれてお困りの皆さんへ。社会性皆無な気違いの毒気に侵されないように、即座にブロックするのが精神衛生上よろしいです。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『盗まれた恋』です。
失業したダンサーが銀行家と結婚するためについた嘘から生じた騒動を描く。1951年公開作品。監督は市川崑で、出演は久慈あさみ、森雅之、川喜多小六、木匠くみ子、加藤道子、清水将夫、伊藤雄之助、東野英治郎、志村喬。
市川崑が新東宝在籍時に監督したラブ・コメディーです。演者が長台詞をスピーディーに発したり、カット編集をテンポ良くしたりと当時のコメディー洋画を意識した作りです。市川監督はモダニストです。
コメディーなので笑えるシーンもあります。銀行家(森雅之)の秘書役を演じる伊藤雄之助が出す、とぼけた雰囲気が印象に残りました。
社会風刺も盛り込まれています。ダンサー(久慈あさみ)の嘘によって若い画家(川喜多小六)を有名にすることになった銀行家は、金の力で新聞社に嘘の批評を書かせます。その嘘の批評に踊らされた大衆が画廊に群がります。絵画を映画に置き換えれば、脚本を書いた市川に何か思うところでもあったのかと思わせます(原作小説のままかもしれませんが)。
市川と共同で脚本を書いたのは、妻の和田夏十です。ダンサーの活動的でドライな性格に和田の性格が反映されているような気がします。
本作で滑稽に描かれ、批判を向けられるのは銀行家です。自身のプライドが高く、他者のマウントを取りたがり、スポーツ精神というマッチョイズムを行動の指針とするホモソーシャル(男性社会)の象徴のような銀行家は、フェミニストな和田もオタク気質の市川も嫌いなタイプだったのでしょう。
★★★☆☆(2023年2月20日(月)インターネット配信動画で鑑賞)
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